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12話 購入

読んでいただきありがとうございます。


この子達を買う決心をしたものの、金がない。ギルドの買い取り所へ行き少し魔物の素材を売ってこよう。



今日、野生動物の素材を売ったばかりなのにも関わらず、魔物の素材を持っていけばかなり怪しまれそうだが、今日買い取り所に行った時の雰囲気だと問題無いと思う。


素材を売りに来る者に対して何か質問する事をしないみたいだし、ギルドカードを見せたりもしなかった。こっちは素材を売り、向こうが買い取る。かなりビジネスライクな関係だ。


露天で大きなボロ袋を買って、人目の無い路地に入る。狩った魔物の中から、比較的弱かった狼のような魔物の牙と毛皮、魔石を20匹分くらい詰め込む。


袋を担いで買い取り所に入り、買取を頼む。少し広めのスペースへ行き、袋をドサッと置く。職員が袋から素材を机の上に並べていき鑑定をしてくれる。5分くらいで終わり札を渡してくれる。受付に行くと大銀貨8枚と銀貨4枚だった。素早く受け取り金をポケットからボックスにしまう。


真っ直ぐ奴隷商館向かい、奴隷商人にあの5人が欲しいと伝える。七歳児でも問題無く購入出来た。どっかのボンボンが、お小遣いを無駄遣いしに来たとでも思ったのだろう。売れないと思っていた奴隷が売れて嬉しいのか、かなり丁寧な対応をされた。



個室に通され、身分証であるギルドカードを見せてから大銀貨5枚を払う。ギルドカードのシリアルナンバーを記録するようだ。奴隷が罪を犯したら主人が特定出来るようにする為だそうだ。


犯罪をさせるつもりは無いので問題無い。


目の死んだ5人の首輪に自分の血を付ける。これで、主人登録完了らしい。


早速命令してみる。


「立て」


4人はゆっくりと立つが、1人は立たない。立とうとしているみたいだが足が火傷のせいでほとんど動かないみたいだ。


俺の「立て」という命令は出来ていないが、首輪の痛みは発動していない。どうやら不可能な命令には反応しない。


例えば「光より早く走れ」と命令しても首輪は発動しないのだ。


「手を貸してやれ」


他の4人に言う。


奴隷商人はいつの間にか部屋に居ない。今更返品されるのが相当嫌なのだろう。


「付いて来い」


奴隷商館を出て、今朝通った門へ行く、仮身分証明の札を返して街をでる。何も話さず、奴隷達にペースを合わせゆっくり1キロ程街道を歩く。



少し街道から逸れて人目が無い事を確認する。



「じゃあ家に帰るよー全員俺の手を握って」



両手を出し、ちょっと明るく言ってみる。




5人は意味が分からないという表情を浮かべるが、おずおずと手を伸ばし握ってくる。





転移




俺の城


大陸からは肉眼では見えない程の距離の沖合にある小さな孤島である。この東京ドームくらいのサイズの島は無人島、、では無い。ささやかだが家があり、最低限の生活環境は整っている・・・はず。



さて、何から始めよう。



うーむ、辛気臭い。見た目云々よりも、この絶望した目を見ているとこっちまで落ち込む。


「俺はノルン、君たちの主人だ。君たちには、俺の身の回りの世話と家事全般をしてもらう。この中で料理が出来る者はいるか?」


2人が手をあげる。


「じゃあ2人には全員分の食事を作ってもらう。食材は用意する。他の者も手伝うように。後は皆で家の掃除や洗濯とかの家事を頼む。何か質問はあったら遠慮無く言ってくれ。」



「あの、よろしいでしょうか?」


立つことの出来ない子が手を挙げたので、頷く。


「私は足が悪いので皆の家事の足手まといになってしまいます。それとここは何処なのでしょうか?私達はどうやってここに来たのでしょう?御主人様の手を握った瞬間、気づいたらここにいたのですが。」



御主人様はいい響きだが、たくさん質問してきたな。


とりあえず、その子に触れて治癒魔法をかける。


俺が触れた部分から火傷の痕が消えていき、瑞々しいピッチピチの肌が広がっていく。治療に邪魔な服を全て脱がし撫でるように治療していく。全身を磨くように隅々まで撫であげる。必要な措置だ。


手を止め、治療のし忘れが無いか全身を隅々までチェックする。うむ、なかなか大きいな。


全員唖然としている。


残り4人も治療するとしよう・・・・・・・フフフ



夕暮れの砂浜には全裸のピッチピチ美少女が5人と七歳児が居る。治療に思ったより時間がかかってしまったが仕方ないだろう。


治療魔法は得意ではない為、直接肌に触れないと治せないのだ。そして時間も非常にかかるのだ。あくまで治療の為とはいえ心が痛む。



魔力はまだ4割程残っているが、やはり治癒魔法はかなりの魔力を消費するようだな。



「えーと、後はここが何処かだったか?ここは大陸から少し離れた海にある小さな島で俺の拠点だ。後で探検してきたらいい。あー危険な生物は居ないから安心しろ。あとここへは転移魔法で来たんだ。俺はこれでも魔法使いなんだ。君たちを治したのも治癒魔法だ。」



ひと息に言い切った。



今だに唖然とする全裸美少女を置いて家に入る。頭と気持ちの整理に時間がかかるだろう。





家に入りハンモックで2時間ほどウトウトしていると、足が動かなかった娘が残念ながら元の服を着て横に立って居ることに気がつく。



「あのっ、勝手に家に入ってしまい申し訳ありません!それと先程はありがとうごさいました!歩くことはもう一生無いと覚悟しておりました。御主人様には、このご恩を一生かけてお返しします。どうぞよろしくお願いします!」


腰を90度折り曲げてお辞儀をしている。


うむ、やはり美少女だ。16才くらいだろうか?少し紫がかった黒髪ロングだ。鼻がスッと通っていてとても美しい少女だ。


「えっと、落ち着いた?皆は?」


目には泣き腫らした痕がある。余程傷痕が消えたのが嬉しかったのだろう。


「先程は御主人の前にも関わらず呆然としてしまい申し訳ありません。今は皆落ち着いており、外で待機しています。」


「そっか、じゃあ全員呼んできて」


とりあえず家に入れよう。もう外は暗い。


「かしこまりました!すぐに呼んでまいります。」


90度のお辞儀をして出て行く。すぐに全員が入って来た。



「「「「治療していただきありがとうございます!御主人様!」」」」


4人が一斉にお辞儀をする。綺麗に揃ったいいお辞儀だ。外で練習でもしていたのだろうか?メイド服を着せるのもいいかもしれん。売ってるかな?前向きに考えておこう。


「うん、とりあえず座ろうか」



自作の木製テーブルと椅子がある。椅子は部屋のインテリア的に6脚作ってあるのだ。数もちょうどよかった。



俺が座るのを見て皆座る、床に正座で。


「椅子に座っていいんだぞ。」


「いえ、御主人様と同じ席に着くわけにはまいりません。私達は床で十分です。」




「全員椅子に座れ」



めんどくさいので命令する。奴隷という立場を忘れてもらっては困るが、非効率なやり方は嫌いだ。


全員席に着いたのを見てから話し出す。


「君たちは奴隷で、俺は主人だ。それは事実だ。だが俺は無駄が嫌いだ。椅子が余っていれば、座ればいい。この島にはこの6人しか居ないので他人の目も無い。俺は俺のやり方でやる。俺がルールだ。俺が死ねと言えば死ね。椅子に座れと言えば座れ。」


「「「「「かしこまりました、御主人様」」」」」



分かってくれたようだ。


べ、別に、せっかく作った椅子が使われないのが嫌な訳では無い!1人のときには、ローテンションで座っている。ただ無駄が嫌いなだけだ!




「とりあえず、ひとりひとり自己紹介してくれ。名前と年齢と種族、あと何か特技があれば教えて」


見た目には分からない種族もあるので一応聞いておく。



「はい。ではわたくしから、名前はアメリアと申します。16才で種族は人間族です。読み書き、計算ができます。家が商いをしておりましたので。」


足が動かなかった娘だ。この世界で読み書きに加え計算まで出来る人材はそこそこ珍しい。美人巨乳秘書ポジション確定だな。


冒険者にも読み書きが出来ない者も多い。ギルドの依頼書を選ぶ時に、パーティ内に文字読める者が居ない時は、ギルドに常駐している代読屋に頼むのだ。毎回頼むと費用も馬鹿にならないため冒険者は必死に勉強するか、読める者をパーティに1人は入れる。





「わたしはルシルと申します。13才で人間族です。特技かはわかりませんが歌を唄うのが好きです。あ、お料理も好きです。」


癒し系である。タレ目でぷっくりピンクの唇に肌は色白、この島で焼けてしまわないか心配だ。胸は普通にある。確かに透き通った綺麗な声だ。ぜひ子守り唄を歌ってもらおう。





「あたし、チャムです。10才です。獣人族です。泳ぐのが村で1番上手かったです!あと魚が好きです。」


元気いっぱいな美少女である。ぺったんこだ。頭についている猫耳から猫系の獣人族だと分かる。猫なのに泳ぐのが得意なのか、意外だ。好きな食べ物は聞いていない。魚が食べたくて泳ぎが上達したに違いない。


「チャ、チャイです。10才です。獣人族です。りょ、料理が好きです。」


恥ずかしがり屋さんである。



うむ、チャムとチャイは双子だ。見た目は瓜二つだが、性格が正反対である。どっちがどっちなのかは雰囲気で分かる。




「わたしはシアと申します。16才のドワーフ族です。父が木工職人でしたので木工が少しできます。あと見た目より力があります。」


出たーー。ドワーフ族である。見た目は13才くらいの人間族に見えるが、ドワーフ族の女はかなり幼く見えるのだ。これくらいの見た目で成長はほとんど止まるらしい。ただ胸が体のサイズから考えると不自然な程大きい。ただ合法とだけ言っておこう。家の増築や補修、家具などを作ってもらおう。まずはベッドだな。




5人はそれぞれ特技がばらけていて、なかなかバランスのいい構成だ。美少女達との高級リゾート生活も悪くなさそうだ。

ハーレム嫌いな方すみません。

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