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ミックスジュース! ~姿を変える魔法の飲み物~  作者: 加熱扇風機
第8章 子琵パーキングエリアの出来事
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ユウの書 第1話 ソフトクリーム ― 6 ―

 もう少しここで休んでから行く事にして、僕たちは雑談し始める。


「ねぇ、ちょっといいかしら。気になっていた事があるのだけど」

「ん? どうしましたの?」

「杏子ちゃんのしゃべり方で語尾に『の』を付けるのは、今やっているアニメの『魔法少女★みちる』のリンドウ みちるちゃんのマネかしらぁ?」

「そうなのっ! みちるちゃん大好きなのっ♪ だからマネしてるのぉ♪ 高埜お姉ちゃんも見てるの?」


 あー、そう言えばそうだったな。

 杏子ちゃんの口癖がこんな風に変わったのって、今年の4月に新放送されたアニメの『魔法少女★みちる』が原因なんだよな。

 急に言葉使いが変わって僕はビックリして、しばらくは違和感を持ってたけど、今はその言葉遣いもようやく慣れて来たな。


「見ていますよぉ。シアちゃんが毎日み――っ!」

「ストップっ!」


 そう慌てて止めに入るシア。どうしたんだ?


「シアお姉ちゃんも見てるの? やったぁ~♪ 見ている友達がまた1人増えたの!」

「あ、いえ……その……」


 シアは恥ずかしそうにしている。


「何? どうしたのよ? もしかして見ている事が恥ずかしいって思ってるわけ?」

「え、えっと……。はい……」

「シアちゃんは昔から、子供番組を見ている事を隠しているのよ」

「小百合お姉ちゃんっ! その事は秘密にしてって!」

「どうして秘密にするのぉ? そんなの気にする歳でもないよ」

「そうよ。アタシだって普通に見てるわよ、まほちる。吏子ちゃんも見てるし」

「うん。私はハヤセくんがカッコよくて好きだなぁ」

「アタシは断然、カズくんよ。シアは誰押しよ」

「え? えっと……」


 んー、僕は見てないから話題に付いていけないぞ。

 こればかりは女の子たちの会話だからしょうがないよな。話しを合わせる為に見ているよと言ったら、ひかれる事はわかっている。アレって女の子向けのアニメだし。


「そんな恥ずかしがる事無いわよ」

「ワタクシが見ていても……、おかしくありませんか?」

「おかしくないわよ。なんでそうなるのよ?」

「まぁアレだ。僕たちがいるクラスは厳格(げんかく)のある家ばかりなんだよ。僕らの特級組ってさ。学業一番、遊び厳禁(げんきん)なところが偉いみたいな雰囲気あるし。それでそう言うアニメとか見てる生徒も居ない方だったよ。居たとしても、奇異(きい)な目で見られるからさ。見てても秘密にしてるんだと思うよ」


「そうなんだ。厳しそうなクラスなんだね」

「アタシ、頭良くなってもそこには入りたくなくなったわ。……ちょっとユウ。なんかアタシには無理だからって目でアタシを見てなかった?」

「うん」

「正直者めぇーっ! でも許すっ! アタシ自信分かってる事だし」


 まぁこれはいつものノリツッコミだ。


「じゃぁ、アタシたちだけいる間だけでもいいじゃない。もうシアがそう言うの見ているって知ってるんだし。シアだって同じ話しで盛り上がる友達欲しかったでしょ」

「そうするのっ! ワタシたちだけの秘密なの!」

「えぇ……。はい、そうですわね! 申し訳ありません。今まで李奈みたいな友達が出来るのは初めてで、少しどうしてよいのかわかりませんでした」

「気を使わなくていいわよ。ねぇ、吏子ちゃん」

「うん。私も最初は気を使っちゃってたけど。今はもう大丈夫だよ。仲良くしようよ」

「ありがとうございます。これからもよろしくお願いしますわ」

「うっ、うぇ~んっ!」

「え? た、高埜さん?」


 その時、今までの会話を聴いていた高埜さんが急に泣きだした。


「す、すみませ~んっ! ワタクシ、嬉しくなってついっ! シアちゃんにようやく良いお友達が出来て~っ! う、嬉しいわ~っ!」

「小百合お姉ちゃん……」

「い、今のをもう一度できませんかぁ? ビデオカメラに録画して置きたかったよーっ!」


 そう言って巾着(きんちゃく)から取り出したのはデジタルビデオカメラだった。


「もう無理ですわよ」

「ですよねーっ! なら今からでも録画をっ!」

「遊園地まで待ちなさいな。そんな今からですと、録画容量も電池もなくなりますわよ」

「予備バッテリーもメモリーカードも、たくさん持ってきたわよっ!」


 そう言ってバッテリーが10個に、メモリーカード10ギガバイトを20枚もテーブルの上に取り出した。


「すごっ……」

「はい! そりゃもうシアちゃんの遊園地の思い出を一部始終撮って行くつもりなのよ。まさか遊園地に着く前に、こんなところで美味しい場面があったなんて不覚だったわっ!」

「はぁ……、まぁほどほどにしておいてくださいな。小百合お姉ちゃん」

「だって~。今までお友達とドコかへ行くなんて事なかったし。今日のシアちゃんの思い出は、しっかーりっ! 撮りたいのよっ!」

「全く……、仕方ありませんわね。余り周りに迷惑にならない様にしてくださいな」

「お任せ下さいっ!」


 そう言ってさっそくビデオカメラを廻し始めた高埜さんだった。


「ははっ。よし、気力も十分に回復したし、そろそろ最後のフライトをガンバって行こうか」

「あの距離をもう1回ですのね……。車と言う物がこれほど便利とは思っていませんでしたわ。次から乗る時はもう少し感謝致しましょう。そうですわ! 今度皆さん、ワタクシの車でドコかへ行きませんか?」

「あははは……。あのリムジンでかぁ……」


 正直アレに乗るのは恥ずかしい。


「まぁこの距離くらいなら飛んで行こう。それに車じゃなくっても電車やリニアモーターカーとか使うとかしてみようよ」

「そうですか? 残念です。1度は皆さんに乗ってみてほしいものですわぁ」

「ワタシはあのリムジンに乗ってみたいの」

「え? 乗りたいの? あのリムジンに……」

「杏子ちゃんはすごいね。私はあのリムジンはさすがにちょっと恥ずかしいよ」

「リムジンが嫌ですか? でしたらついこの前に、9人乗りが出来るワゴンタイプの高級車も当てましたから、それでしたらいかがですか?」


「へぇ、すごいじゃん! 車を当てるなんて」

「え? 車を当てたって? しかもワゴンよね?」

「それってドリペンにもあったの。もしかして……」

「え? えぇ、そうですわよ。そう言えばその日に、ユウくんたちとメタモルバトル会場で会いましたわねぇ。あっ! そう言えば2等をユウくんが当てていましたわね」

「マジかっ!? うわぁ……。その日に1等と2等が出るとか……。係の人がクビになってないだろうか心配になるよ……」


「すごーい。2人とも運がいいんだね。ユウくんは何を当てたの?」

「え、えーっと……。ルビーと黄金の鎧って言う防具だよ」

「わぁ! それってとても綺麗なんだろうなぁ。私も見てみたいよぉっ!」

「い、いや。さすがにこんな人が多いところではちょっと……」

「そっかぁ……。いつか見せてね」

「あぁ、わかったよ。まぁ取り合えず、そう言う話は飛びながらまた話そう」


 僕たちは離陸場へ行き、遊園地までの残りの距離を一気に飛んで行った。

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