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ミックスジュース! ~姿を変える魔法の飲み物~  作者: 加熱扇風機
第6章 ユウの変わり者な日常
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ユウの書 第3話 ユウの人脈 ― 1 ―

 その日の夜。

 パソコンをいじりながら勉強をしていると、メール受信の音がした。

 メールアプリを開くと父さんからのメッセージだった。

 内容はこの前に外国のペンフレンドの手紙を日本語で翻訳(ほんやく)した文章の採点内容だ。


 ペンフレンドたちとは、その国の文字でやり取りしている。

 でも僕だってまだ9歳の4年生。英語からスペイン語、フランス語、ポルトガル語、ドイツ語、アイスランド語などペンフレンドそれぞれの国の言語で文通している為、全ての国の言葉を覚えている訳ではない。

 それでもその国の言葉を覚えていって、いつか自分だけの力を使って会話などしたくて、ガンバって勉強している。


 その語学の先生になっているのは、もちろん父さんだった。

 世界各地の言葉を知っている父さんは、13歳の弟子である黒堂 涼兄ちゃんに語学を教育していって、今では父さんと変わらない語学の知識を持って世界中を旅して周っている。


 僕も勉強がしたいと言って、父さんは僕に世界中の友達を紹介してくれた。

 そして彼らと文字で通じあったり、たまには通話をしてコミュニケーションをしている。

 色々と難しくて大変でもあったけれど、0から始めた頃よりはかなりの進歩で会話ができるようになった。


 それで今回の文章の翻訳の採点はっと……。

 結果は43点。

 辞書も開きながらガンバって解読したけれど、相手がこう表現したかった部分が違うところが多かった。


 このペンフレンドは最近友達になったアラブ首長国連邦の14歳のお兄さん。名前はバシャールム・ウェンバブ。国会議員の息子の1人だ。

 このアラブ首長国連邦と日本の仲はとても悪い。

 それでもこうしてペンフレンドが出来るお陰なのは、アラブ首長国連邦と仲が良い国のペンフレンドから繋がっていって、友達に慣れた事だ。

 国同士は仲が悪くても、僕たちの間では互いに感じている大神への懸念や不満から、意気投合している感じで仲良くなっている。


「んー、こんな内容で送られてきたのか。アラビア語は最近覚えたばかりだから難しいな」


 っと言う事で、愛称でパシャと呼んでいるペンフレンドからの返事の内容はこうだった。





 親愛なる友へ。

 こちらも涼しかった季節も暑くなる季節へとまた変わろうとしている。

 それが今では肌で感じる様になった。そろそろこちらも厳しい季節がやってくる。

 ユウの日本も同じなのだな。こっちは気温が40度と湿度が70%にもなるぞ。

 今年もワタシたちは避暑地にオーストラリアへ行くんだ。

 パワースポットであるエアーズロックへ行く事が楽しみだ。大自然からどんな力を授かるだろうか。

 ワタシたちの国とユウの国は仲が悪い為に会いに行くのは難しいけれど、一度ユウの国に行ってみたいよ。

 ユウが守っていると言う森は都会ながら涼しくてオアシスな場所が気になる。

 そこへ避暑地に行きたいと思っている。

 こっちには砂ばかりで木なんかは少ない。人工的な木々ばかりあるけれど、ユウの森は自然に出来た物。やはり天然物の方が良いな。

 ワタシは木が好きだ。ユウが守っている森を、ワタシは見てみたいよ。

 1日だけでも訪れる事が出来ないか、お父様に相談しているところだよ。もし行ける事ができたら、その時はすぐに連絡を入れるな。






 おぉ、是非来て欲しいなぁ。その時は僕の入れたコーヒーを淹れて上げよう。そして取れたて野菜を存分にふるまってあげたいな。






 話はユウが送ってくれた手紙にする。

 大神とクラスメイトになったんだって?

 それは不幸だな。

 ユウの手紙に書いていた大神への罵倒(ばとう)から、その余りの酷さが感じられたよ。

 大神が竜の姿でユウの友達のお姉さんを食い殺した話には、ワタシも許せないと思った。

 ユウの事を信じて、この話は本当だと思っている。

 そんな闘い方、人間として非道だ。とても許せない行いで、ワタシも大神に対してとても怒りを覚えている。

 これだけの事をして全く話題にならないのが不思議だ。それだけ大神家の悪政が日本を支配しているんだな。

 ユウはとても大変な生活をしている。

 ユウを助けてあげたい。ワタシに出来る事があれば力になりたい。

 ワタシたちには国とは関係のない友としての絆がある。互いに出来る事を助け合いたい。

 ワタシは他の友にも協力して貰えるようにユウの事を話して行こうと思う。

 みんなで困難に立ち向かおうではないか。






 とてもありがたい事だ。僕はその内容に目の奥が熱くなる。嬉しいなぁもぉー……。

 僕はパシャから受け取った手紙を手にしながら、父さんの解読文と交互に読んでいた。

 その手紙に涙を落してしまう。

 っとと、せっかく書いてくれた手紙のインクの文字がにじんでしまう。


 僕たちの文通はちゃんと手書きで書いていく。

 現代はメールと言う連絡手段があり、早く便利な物がある。

 けれど手書きで書いた文は、電子メールでは生み出す事が出来ない絆を生み出す。

 届くまでの時間、その間で交される文章にどれだけ思いを込められるかで感じ方が変わり、一通の重みが違う。

 だからこそ僕は文通を選んだんだ。


 手紙の続きを読んで行くと、パシャの身近で起きた事や僕たちのやり取りしている雑談の内容を読んで行く。


 全てを読み終わると僕は、返信の文章をアラビア語で手紙に。パソコンには父さん宛てに日本語でメールで書いて行く。書いた手紙はスキャナーをして一緒に父さんに送る。

 これらをまた父さんのところに送って、適切なアラビア語に解答してくれる。

 中々にめんどくさい作業だがこれが1番だ。ちなみに僕が最初に書いたアラビア語の文章も相手に送っている。一生懸命ガンバって勉強して書いた感が伝わればと思っている。






 頼もしき友へ。

 こちらは桜が全て散ってしまった。

 1週間も咲く事が無い、はかなくとも美しく咲き誇る花たちは、厳しい冬を乗り切った者たちへの祝いの宴をしているようだよ。

 来年はその美しい桜を見に来て欲しいよ。きっと人生の中で何かを感じる大事な物が得られるよ。僕らにとって桜が咲く中を歩いたり、花見をする事もパワースポットの様なものだね。

 そちらは砂嵐など大変になる季節と聴いている。

 僕たちには体験はした事ない自然現象で、上手くその辛さを感じる事が出来ないけれど、ガンバって行ってほしい。目が痛くてたまらないだろうな。

 目が痛いと言えば、僕らの国には花粉症と言う時期的な病気がはやり始める。

 それは3月から5月にかけてスギと言う木から出てくる花粉によるアレルギー症状で、目がかゆくなったり、鼻水が止まらず、くしゃみが止まらないなどと言った症状が出てくる。

 そっちには花粉症と言う症状ってあるのかな?

 僕は花粉症ではないけれど、なっている人は周りに沢山いる。この時期はとても辛そうだよ。

 ドコの国にも自然の大きな力の前に、人間は振りまわされているね。

 でも自然からの恵みもある事に感謝していかなくちゃね。

 今年も春野菜と言う美味しい野菜を自然の恵みから、収穫が出来たんだ。

 それらは僕が自分の手で畑を耕して造った野菜たちだよ。

 こっちに来る機会があれば、その美味しい野菜たちを食べてもらいたいよ。

 それに僕は最近、サイフォンでコーヒーを上手く淹れる事が出来るようになったんだ。

 パシェのお父さんや兄弟にも、僕がガンバって取得した美味しいコーヒーを振るまいたいよ。

 色々と手続きだとか国関係で来る事も大変だろうけれど、もし来れる日が来たら嬉しいよ。






 もしその日が来た時の事を考えて、なんか心がワクワクしていく。

 そしてその後の文章に、この前大神が茶の木小学校で暴れた事と、謎の意識不明になっているなどの内容を書いて行く。






 こんな事があったせいで、僕たちの周りが何かが変わっていこうとしている。

 もしかすると僕が大神と同じクラスになったせいもあるかもしれない。

 僕が思うには、大神との因縁(いんねん)の闘いが始まろうとしている。

 とても大変な闘いだよ。

 だから僕たちは友との絆の力を借りたいと思っていたところだったんだ。

 パシェが協力してくれると書いてくれた内容に、僕はとても嬉しかったよ。

 迷惑を掛けてしまう事があるかもしれない。その時はごめんなさい。

 僕は家族や仲間たちを守る為に、これから大神たちと戦って行く。

 パシャへの協力を頼む日も来ると思う。その時はよろしくお願いします。

 パシェの言う通りにみんなの力があればどんな大きな困難でも乗り切れるよ。

 その大きな力で、あのクソ生意気な大神へ目に物を見せてやろうね。






 クソ生意気な大神の文章を力強く書いてっと……。

 後は再び雑談や近辺状況を書いたりとしていった。


 この造った文章をスキャナーをして、父さんに送る日本語と一緒にメールで送る。

 後は父さんが僕が書いたアラビア語を採点して、表現的に父さんはこちらが良いと言う文章が帰ってくる。

 それをまた書いて、手紙にして送る。手間暇かかる作業だがこれこそが大事だからね。

 いつかは全部僕が書いた内容で送れるといいなぁ。


 それとこの手紙は政府の管轄(かんかつ)で運営している郵便局には出さない。

 郵便局はなんとプライバシーも無しに手紙の内容を読まれるケースが多いからだ。

 全員分が見られる訳ではないけれど、重要ターゲットにされている人物の手紙は必ずと言っていいほど内容を確認される。

 木花家も大神家に属さない敵対勢力であるので、手紙やメールは毎回確認されてしまう。


 それではさっき父さんに送ったメールの内容が政府にバレテいるかと言ったら、バレテはいない。

 父さんが言うにはこの使っているメールアプリには政府の管轄外のサーバーを使用していて、全く見られないとの事だ。


 でもこう言うケースは少なくない。

 やはり多くの人は自分の秘密にしたい内容がある為に、このような裏組織で造られる情報伝達手段の会社はたくさん造られている。

 海外出張が多い父さんだから、プライバシーの為にそう言った組織の会員になっている事は、他の人にとっても同じで普通だ。父さんだけが特別やっている訳でもない。


 それに政府管轄の郵便局とかインターネットサーバー料金よりも安いところも多いし。

 でも会社によっては謎が多い分、トラブルもよくあったり、そのトラブルの度合いも違ってくるので、全てが安全とは限らない。


 僕は父さんが信用しているところのを使っているが、今のところ何も問題は無いな。

 会員費が安い割にはしっかりと安定しているところだな。その分、何かあった時にはデカイ問題になりそうだけれど。


 郵便に関してもその裏組織で造られた会社へと手紙を出している。

 リスクは高いが、内容を読まれる事なく送れる。

 政府管轄の郵便に、僕の様な大神批判関係の内容を送れば、届かずに破棄されるか戻されるからな。

 ペンフレンドもそれを理解していて、送ってくる時は裏組織を経由して届けてくれる。


 今じゃこの日本は、違法をする裏組織の存在が当たり前になってきている。

 だから治安も悪いところは悪い。

 大神の独裁国家は、その裏組織との戦いの日々が続いている。


 大神は国民全員をコントロールしようとしているが、余りの人口の数と科学技術の発展に追い付かずにぼろが出てきたな。


 もしかするといつかは大きな国内紛争もあるかもしれないな。

 僕が大神勢力と戦う事になってしまったのを考えると、そろそろ日本が変わろうとしているのかもしれないな。

 本当に……、大変な事になっていきそうだな……。

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