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ミックスジュース! ~姿を変える魔法の飲み物~  作者: 加熱扇風機
第4章 茶の木小学校の出来事
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ユウの書 第3話 大神グループとの決闘 ― 2 ―

「ユウくん……、大丈夫なのかな……」

「僕は信じているよ。みんなの事をっ!」

「さっきからひそひそと何をやってやがる。さっさと始めるぞっ!」

「あぁ、構わないよ。メタモルバトルファイトだっ!」


 僕の掛け声とともに、僕たちは散開する。


 吏子ちゃんは錦戸を引きつけるように回り込み、平沢は影の中へ入り姿をくらました。


「ひゃっはーっ! 覚悟しやがれぇっ!」


 僕の方へ飛んで来た三宅。鋭い脚爪が空高くから襲ってくる。

 それを木の裏に回って回避した。

 三宅は木を蹴り飛ばして、葉や木の枝が大量に上から落ちてくる。凄い威力だなこりゃ。


 再び空高く飛ぶ為に三宅は羽ばたいていった。しばらく攻撃はないな。


「待ちやがれぇ! 巨乳娘ぇ! オマエの相手はこのおいどんが相手するぞぉ!」


 錦戸と勝負しようと間合いを測っていた吏子ちゃんへ、ドガドガと地面を揺らし響かせながら突進していく森井。


「ちょっと!? ヤダーっ! こないでぇーっ!」


 やってくる森井に気が付いて慌てて鉄球に掴まって浮かび上がり、回避した吏子ちゃん。


 ドカァーンッ!!


「キャアッ!?」


 岩に頭から思いっきり突進して、その岩を粉々に破壊した。飛び散った岩の破片が、吏子ちゃんに襲いかかる。


「うぉーっ! これだけ凄いパワーでぶつかったのに、こっちは全くいたくないぞぉーっ! 凄いぞドラゴンパワーっ!」


 吏子ちゃんは浮かぶ2つの鉄球に乗っかりながら、森井から距離を取って行く。


「待てぇっ! そのおっぱいをぺちゃんこにしてやるぞぉーっ!」

「ヤダァーッ! ヘンタイっ! こないでぇーっ!」


 再び吏子ちゃんに向かって走り出す森井。

 アレをなんとかしてやらないとな。


 僕は武器の鎖鎌(くさりがま)を取り出した。鎖分銅(くさりぶんどう)を振りまわして、森井の前足めがけてはなった。


「はーっはははぁうあああああーーーーーっ!?」


 両前足に上手く絡んだ鎖によって前のめりで地面へ倒れて、ヘッドスライディングした。


 よし。そろそろ三宅の次の攻撃が来るから警戒するか。

 空を見上げると、こちらに急降下してくる三宅を見つけた。

 僕はさっとLEDライトの懐中電灯を取り出して、その灯りを三宅に向けた。


「うぉっ!? まぶしっ!」


 攻撃用として手作りした必要以上に増やしたLEDライトの数60個分の光だから、そりゃ眩しいよ。ちなみにこれを武器登録したら、武器ランクEに登録されたちゃんとした認定品だ。

 その光に溜まらず顔を腕で(おお)い隠す三宅。腕って言ってもそれ翼だよ。

 その事に三宅は気が付いて慌てて翼を広げるが、急浮上するまでには遅すぎて、地面へと勢いよく叩きつけられた。


「ぐふぅっ!?」


 普段から使ってる三宅のイーグルデーモンは、背中に翼があるヤツだからな。

 腕が翼になったのを忘れてしまったんだろう。

 だから普段から慣れてないメタモルフォーゼは、使い方を間違えると危ない。訓練を積んでから本当の実力を発揮できるんだ。


「うおおおおぉぉぉぉぉっ!! 誰だこのおいどんの邪魔したやつわぁーっ!」


 鎖をブチッと引きちぎった森井が、目を血走らせていた。


「あのー、僕ですけど。スミマセンデシタ。ププッーっ! ダサッ」


 棒読みな言葉でさも誠意ないですと言った感じで森井に話しかけて挑発する。


「きさまぁーっ! ぶっつぶしてやるぅーっ!」


 森井は僕に目がけて突進してきた。

 僕は走って逃げ出した。できるだけ吏子ちゃんたちから遠ざけよう。


 障害物を駆使して僕は逃げて行く。

 森井は大きな図体(ずうたい)を曲がりくねりながら走る為、なかなかスピードに乗れない。


「なんだよー。足が遅いなぁ。足が速いドラゴンタイプ使っても、使ってる本人が鈍足(どんそく)じゃ、亀そのものだな。あ、もしかして亀タイプ使ってた? ごめんなさい。ドラゴンタイプと見間違えちゃったよ」


「うがーーーーーっ!! ブッコロスーーーーーっ!!」


 さらに加速した森井が僕を追いかけてくる。

 森井は木々をよけようとせず、そのまま突進してきた。


 バキィッ!! ベキィッ!! バリバリッ!!


 そんな音と共にへし折られていく木々たち。

 マジか……。アレをくらったら骨はズタボロにへし折られるぞ……。


 さて、こうも猪突猛進(ちょとつもうしん)してくる森井だから、何かあれば簡単に引っ掛けられそうだが……。

 岩に突撃させる……。いや、痛くないと言っていたらそれは意味ないか。

 崖の手前で避けて落とす。っと言う方法を思い付いたが、このフィールドに崖なんかない。


 ん? あっ……。アレは使えそうだ。

 僕はその場所へ走ると、少し走る速さを抑えて森井が追い付くように誘う。


「ガアアアアァァァァッ! そのケツにこの角を突き刺してやるぅーっ!」


 もう突進してくる森井。


「ガアアアアアっ、グゴアッ!?」


 森井の前足がふいに地面にめり込んで、顔面から地面にこけた。

 転がって行く森井は恐ろしく勢いがついていて、投げ出された体が木々をなぎ倒しながら転がって行く。


 森井が足を取られた物。

 それはこの前、海斗兄ちゃんとここでメタモルバトルしていた時、ウィッチフィールドを発動させるのを忘れて、僕が地面をえぐる程の攻撃をした時に出来た大きな(みぞ)だった。

 深さは60センチメートルはあるくらいに深いので、足を突っ込ませるとかなりハマる。


 僕はこけた森井に急いで馬乗りになり、前足の間接裏部分に武器の小剣を刺した。


「せいっ!」

「ウガアアアアッ!!」


 関節を曲げる部分なので防御になる鱗がなく、皮膚が露出して柔らかい為に刃がよく通る。

 それにこの部分に致命的ダメージさえ与えられれば、森井の動きは殆ど封じられる。


 その痛みから慌てて体を暴れさせる森井。

 すごいパワーだな。吹っ飛ばされて木に叩きつけられたら相当なダメージだ。

 前足1本もらうだけでもいい結果だな。無理せず離れておこう。


 森井から離れた僕は、木の上に飛び乗った。


 次は三宅がそろそろ来るな。

 もともと三宅がイーグルデーモンで来ると予測した罠の設置に取りかかるか。


 その前に森井の動きを少しでも防ぐため、(あみ)を取り出して森井の上に投げた。


「うおおおおおっ! 絡んで身動きがとれないぞぉーっ!」


 さてと……。身動きが取れない森井はほおっておいて、三宅の対策だ。

 僕は木と木の間をピョンピョン跳ねながら、何度も往復する。


「助けを呼んだらどうだ? ちかくに三宅が居るかもよ」

「く、くそうっ! 三宅っ! こっちに来てくれぇ! 身動きがとれねんだよぉーっ!」


 三宅は空から来るだろうな。

 空を見上げると、上空を旋回(せんかい)する三宅が見えた。

 森井の声に気が付いたのだろう。こちらの様子を見ているのがわかった。


「はっはっはっ、こないのなら森井をやっちゃうよー。臆病者はそこで見てな」


 僕は森井ににじり寄る。


「ウガアアアアアッ!」


 甲高い声が上の方から聞こえた。どうやら三宅が攻撃をしかけてきたらしい。

 僕はLEDライトを構えたが、三宅が近づいて来てようやくわかった。

 目にかけているアレって、サングラスだよな。

 持ってたのかぁー。持ってるとは思わなかったなぁ……。

 まぁサングラスを掛けてくれていた方が視界が悪くなって、仕掛けた罠には気が付きにくくなるから、別に関係ないけどね。


「ギャオゥッ!?」


 三宅は空中の途中で何かに引っ掛かった。そして体をばたつかせている。


「クモの糸に掛かったね。これぞ忍者マスターの特殊能力の1つだよ。クモタイプが使う技なんだけど、忍者マスターには使える技だ」


 僕は鎖鎌を振りまわして、木々に仕掛けたクモの糸を切り、三宅を地面に落とした。

 クモの糸に絡んでまだ身動きがとりにくいところに網をかぶせていく。クモの糸は網より丈夫じゃないから、簡単に引きちぎられるからな。一瞬の足止め程度の物だ。


「くそうっ! 卑怯者(ひきょうもの)めがぁっ!」

「卑怯大いに結構。忍者にはほめ言葉でしかない。ふふっ、1度言ってみたかった台詞だ。それにその言葉に返すなら、君たちの方がよっぽど卑怯な事してきたよね。大神と言う(とら)()()(きつね)のように、散々悪事を働きやがってよ……。許さないからな……」


 僕は三宅の翼膜(りょうまく)に小剣を何度も突き刺していく。


「いってぇーっ!! ちくしょうっ! よくも俺の翼をぉっ!」

「ガオオオオォォォォォッ!!」


 森井が雄叫びを上げると網はブチブチと破かれて、中から森井が立ちあがった。


「キサマぁっ! よくもやってくれたなぁ!」


 マジで!? おいおい動けるのかよっ!?


 あれぇ? 使う小剣のセレクトを間違えたかな?

 こんなの予想していなかったが、ここで三宅と一緒に戦われたらまずいな。

 2人を引き離して戦わないと。


「ふむ、1分半くらいか。2分たっても出られなければ、バカだと思っていたが、違ったようだね。あ、でも出れたのって馬鹿力のおかげかな? 結局バカだってことか」


 取り合えず挑発して、僕に注意を引きつけておかないと。


「本気でブッコロスっ!! 降参しても元に戻るまで傷め続けてやるっ!」


 僕はそこらにあった石を掴むと、森井に投げた。

 コツンと頭に軽く当たった石。ダメージなんてないだろ。


「きゃははっ、当たった当たったーっ! こんなのを避けられないなんて、ホントのろまな亀だよ。だっせーっ!」


 僕はそうやって挑発し続ける。森井はもはや限界を迎えてブチ切れていた。


「ブッコロスーーーーっ!!!!!!」


 僕は前片足をやられている森井のスピードに合わせて、ギリギリ追いつけそうな感じでひきつけながら走って行く。


「待て! 森井っ! 俺のこれを何とかしてから行けっ! 森井ーっ! って、アレ? 体が……なっ? なんだこれっ!?」


 森井は三宅なんて眼中なく僕の事を追いかけてくる。


「コロスコロスコロスコロスコローーーーーーースッ!!!!!!」

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