ユカリの書 第2話 復讐の策謀 ― 2 ―
家に帰ると衣服を全部取り替えて、カバンの中を物を全部出した。
衣服、持ち物の隅々まで調べる。
発信機らしいものがあったのは、靴のかかと部分だった。
盗聴器がどうしても見つからない。
まだ分解出来てないスマートフォンにあるのか?
黒堂組に持っていって処分してもらおうかな。
最近は黒堂組の連中が私の事を慕う人が多くいる。
父も私を認めてきてくれたのか、昔みたいに邪見にする事が無く、娘として接してくれるようになっている。
離れて見て初めて分かる物もあるのだろう。
意外だったのは誕生日に、私へ女の子らしい服をプレゼントしてくれた事だった。
だからたまに実家に帰ってはいる。
お姉様も父と仲良くなれてよかったね。っと喜んでくれていた。
後はそうだな。黒堂組もまっとうな仕事をするようになってほしい。
主な収入源は違法武器密売で、Cランク以上の登録外武器を売りサバいている事だ。
それによって犯罪が多くなる原因にもなるし、止めてほしいところではある。
しかし長く続いた歴史深い組とあってか、根強いところがあるので変わるに変わりにくいのはわかっている。
けれどもし変われるのならば、私が黒堂組を変えたい。そしてみんなを全うな仕事に付かせてあげたい。
トントン♪
「ユカリちゃん……」
私の部屋のふすまを開けたのはお姉様だった。
その姿はぐったりとしていた。
私が帰って来た時は寝ていたので、そっとしておいたけれど……。
「また、発作が起きたの?」
「……うん」
お姉様はヨロヨロと部屋に入ってくる。
「あっ、今は私の部屋の中ではちょっと……。お姉様の部屋に行こう」
私はお姉様を支えると、お姉様の部屋へ連れ戻した。
布団の上に座らせると、私はその隣に座る。するとお姉様が抱きついてきた。
「ぐすっ……。えっくっ……」
お姉様は泣きだした。私はその涙を袖で拭いて行く。
「わた……し……。いつ、治るの? ずっと……消えないよ。あの……かみ砕かれる瞬間を……、痛みを……、すぐ思い出しちゃう……」
お姉様が震えている。その優しくお姉様の背中をさすってあげる。
消せるものなら消してあげたい。その記憶を……。
「怖いよ……。うぅっ……。えっぐ……っ」
「私がお姉様を守る。どんな事があっても。だから安心して」
抱きついたお姉様の体は、あの時よりすっかり細くなってしまった。
とてもヤツレている……。
悔しかった。
なんでお姉様がこんな傷つき、苦しんでいるのに、大神はのうのうと自分勝手な幸せを送ってやがる。
大神……。覚悟してろ……。
お姉様を傷つけたその牙をへし折り、皆が味わった痛みと苦しみをその身に刻んでやる!
私は、大神への復讐計画を実行する事に決めのだった。




