〈Side B〉
──そっかぁ。
そっかぁ。
うん。
そう・・・かぁ・・・。
──それが。
それが、阿部さんの、答えなんだね。
少なくとも、今は。
──阿部さん。ぼくね。
多分、阿部さんは、気付いてないと思うけどさ。
ぼくって実はすごい人見知りでさ。
特に男のひとってちゃんと話すのも苦手だったりして。
──だから、はじめてこのおシゴト始める前さ。
すっごい、不安だったんだよ。
上手くやれるかなって。ちゃんとやれるかなって。
相手の人は、怖いひとじゃないといいなって。
どきどきだったんだ。
でも、ね。
そんな不安は、すぐに消えたよ。
雨上がりの空から降り注ぐ陽の光みたいに。
阿部さんのツッコミが、ぼくのココロの中の薄雲を吹き飛ばしてくれたよ。
だからさ、阿部さん。
ぼくは、割と自分のこと、無敵だと思ってるんだ。
どんだけブチ込んでもさ。
最終的には阿部さんが全フォローしてくれるってちゃんと解ってるから。
だからね。ぼくは気兼ね無く酷い事も言えるんだよ。
阿部さんが目の届く範囲でなら、ぼくは、無敵でいられるんだよ。
阿部さんが、居てくれれば。ずっと。きっと。
そんぐらいには、阿部さんの事、全力で信頼してるって事。
『特別』だって想ってるって事。
──気付いてくれてると良いなぁ。
でもきっと、それは、望みすぎちゃいけないことなんだよね?
阿部さんの遠回しの優しさを無闇に無下に無駄にしないぐらいの分別。
ぼくにだってあるんだよ。
何気なく伸ばした手に。
意味を込めてはいけないんだ。
だから、ぼくは、こう答える。
たっぷりのシニシズムと、盛りだくさんのアイロニーと。
──それから、こっそり、ほんのちょっぴりの、アフェクションを込めて。
Bさん「じゃあ来年は全編R−18で行くから。」
Aさん「イヤそりゃ無理だろ。」




