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幕末奇譚 『志士 狂桜の宴』  作者: 夏月左桜
奇譚十九幕 八方画策
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其之四 邂逅の地

 二十二日の暮五つ(午後八時)、降り続いた雨は久しぶりに止んでいた。

 御所の西南、下立売通にある京都守護職邸へ出向き、新撰組を警護に就かせてほしいと嘆願に出かけて来たが、二条城のある区域は御定番組が担当しており、加えて遊撃隊もいるからと門前払いを受けたた。

「遊撃隊って、江戸の治安隊ですか?」

 近藤に随行しているのは、谷三十郎の実弟の谷周平だ。近藤の養子となっていたが、三十郎の死後、養子縁組を解き名前を谷に戻していた。諸士取調役を務めている。

「いや、奥詰の槍術隊と講武所詰が合併して出来た銃隊だ」

「へぇ」

 その中には心形刀流九代目を継ぐであろう伊庭八郎と、鏡新明智流四代目桃井春蔵が居る。

その二人と肩を並べて将軍守護に就けば、新撰組の立場も幕臣に認められるところとな。そう考えての嘆願だった。

「局長、道が違いますよ」

 屯所へ戻るなら丸太町を西に折れ東堀川通りを下るのだが、近藤は東へ曲がったのだ。

「祇園に、ちょっとな」

 へへっ、と周平は鼻の下を擦り、提灯を手に近藤の前を歩き出した。



 小松邸を出た和奈と武市は、栂尾亭へ戻るため、隣を歩く武市の顔をそっと見上げる。

「雨、上がりましたね」

「ああ、そうだな」

「乾さん、嬉しそうでしたね」

 そうか? と苦笑する武市。

「ほら、中岡さんが言ってたじゃないですか。武市さんが死んで、ひどく淋しそうな顔をしてたって」

「よく覚えていたな」

 武市を罪人として死者にした事への罪を感じて居るのか、自分が行なった非道に対する罪を悔いているのかは判らなかったが、乾は確かに後悔しつつ、懐かしい思いで武市を見つめていた。


 西郷と大久保が先に邸宅を出た後、乾は一人で部屋に留まった。会合が終ったと小松から聞いた和奈が武市の部屋へ入って直ぐ、二人を隔てる襖が開いた。

 乾は驚く素振りもなく、静かに入ってくると武市の前へ座った。

「よもや、こうしてまた君と会うことができるなど、考えてもいなかったよ」

「そのお顔ですと、後藤殿よりお聞きになっておられましたか」

「長崎から戻ったその足で私の所へ来た。見せたかったねぇ、あの慌てぶりを。そりゃあもうこの世の終りがそこまで来てるようにうろたえて、何事かあったのかと尋ねると君が長州に召抱えられ、上士となって生きていると言うじゃないか。後藤くんが血相を変えても仕方がないね」

 乾は用意してあった回答を暗記していたかの様にスラスラと言葉を紡いだ後、懐から大久保が容堂宛てに出した書簡を取り出し武市に差し出した。

「狸殿が大殿へと後藤くんに託したらしいが、君の命に関わることと、私の判断で預かった。後藤くんにこの書簡の事を大殿には伝えるなと念押ししてある」

「そこまで武市は嫌われておりますか」

「大津から送還されて来るはずの君と岡田が居ないと、後藤くんが大騒ぎしてね。足取りを追わせ捕縛したいと大殿に願い出たのだが、どういう由からか、公は追伐をお認めにならなかった」

「えっ?」

「代わりに死罪が確定している者を、君と岡田くんに仕立て幕府に二人を処罰したと伝えた。後藤くんは最後まで納得しなかったけどね。時勢が変転を見せ始めると、態度がころっと変わり、君が長州で生きているなら、それを上手く利用できないかと相談に来る始末。本当にあの人には参るよ」

 捕縛された土佐勤王党へのに尋問に、自分も加わっていたのだが、と乾は呟いた。

「今日まで正しかった論が明日には悪とされる世の中です。乾さんも後藤さんもその時に合わせ考え方を変えられる方、そういうことと納得しております」

「変わったねぇ、武市」

「乾さん、その名はすでにこの世の者ではない。控えて頂くようお願い申し上げる」

「ああ、そうだった。すまない」

 淋しそうな表情を一瞬浮かべた乾は、小さく笑うと武市に茶をと勧めた。

「藩主に対する意見陳情はどこの藩でも命がけだ。否と言われて無事で住むのは、そうだね、長州藩くらいじゃないかい?」

 長州は若者に甘い。藩主は特に有能な人材に対しては寛大となる。だがぼんくら藩主なのではない。ちゃんと時を見る目をもっているからこそ、士分に無い者にまで藩命を下す。「そうせい公」といわれる毛利敬親が、「そうせい」と言わなかった事がある。高杉が攻山寺にて決起した時、椋梨は敬親に高杉ら緒隊への討伐許可を願い出た。だが敬親は「沈静すべし」と討伐を拒否したのだ。

 幕府に対し恭順を示したくなかったからか、それとも藩内で起こった戦を良しとしなかったからなのかはわからないが、毛利敬親も名君として名を残す藩主には違いない。

「長州は教育に重きを置き、学者と名の付く者への配慮や、門下生には寛容であった。薩摩も土佐と同じく独裁政だが、大殿とのそれとは違う。薩摩公も辿れば勤王派。巨頭が動けばたちまち藩論は統一される。ここで薩摩が動き、越前公と宇和島公も上洛するとなって、漸く時勢が変わり始めたのを知ったのだ。だからと、薩長芸とも足並みを揃えるには至っておらぬが」

 そこなのです、と武市が返す。

「君達の危惧は重々承知している。あの後藤くんが走り回ってはいるが、所詮同じ穴の(むじな)。三藩が望まぬ展開になる可能性は大きかった」

 そうなってしまった状況に近い。

「大政奉還を否と拒否された後、土佐も朝廷側で動くと?」

「幕府にこれ以上肩入れして何の得がある? 大殿もそこは承知なさっているはずだ。でなければ、後藤くんや私はすでに切腹を申し付けられているだろう?」

「幕府を敵に回さず、朝廷の後ろ盾を得ている薩長芸とも手を取り合いたい」

「それが最善策と思っておられるだろうね」

「まったく」

 薩摩と芸州は新政権に慶喜も幕臣も組み入れる気など毛頭なく、長州も会津藩を退けたい思惑がある。その両藩が手を組んでいる以上、どっちつかずの姿勢を取る土佐が受け入れられるはずもない。

「朝廷が兵庫開港と長州征伐に対し許可を出せば、時は大きく動く」

「・・・・・」

「君は、長州と共に生きるのだろう? その身は大切にしたまえ」

「お心遣い・・・痛み入ります」


 不安そうな顔が目の前に見えた。

「大丈夫ですか?」

 物思いに耽り過ぎただけだと笑いかける。

「でも、乾さんって、柳川さんが言うほど変人に見えませんでしたけど」

 以前、武市が乾の事をそう言っていたのだ。

「収集家で変人。それがあれば、軍隊創設と武器調達の資金隠しをしているなど、誰も考えまい」

「隠れ蓑ってことか」

 乾は収集していた美術品や刀などをすべて売り払い、陸援隊創設資金に当てていた。周りに知られる事を恐れての策だったと、中岡から聞いた武市は驚いたものだ。

「みんな必死なんだ」

 周りに居る人達はこの国のためと力を注いでいる。無論、私利私欲に走る者もいるのは確かだ。いつの時代になってもそれは変わる事はない。

 だが、昭和に生きる人とは違う。桂達が目指した未来はあの世界にはなかった。

(赤井くんは、この時代の歴史を私よりも知っているはずだ)

 だから新撰組に行ったのか。

「回り道をする」

「え?」

 武市の顎が前を見ろと動く。

「黒い羽織? 新撰組ですか? あ、黒いし見廻組ですかね?」

「この辺りは京都所司代の管轄だ。見廻組でも新撰組でもない」

 慶応二年に、市中の警備は以下の七つに分けられていた。

 南は下立売通から北へ、東の堀川通から西の紙屋川(天神川)の区域と、北の蛸薬師通から南へ五条通、東は高瀬川から西の千本通を越えた所迄と、この二つの区域が見廻組の担当で、北の鞍馬口通から南の下立売通り、西の堀川から東の寺町通の区域、いま和奈達がいる所が京都所司代の担当。西本願寺を含み、北の五条通から鴨川迄、東の西洞院川から西の農地迄と、北は四条通から南の七条通、東の山岳地帯から鴨川迄の二つが新撰組。東本願寺を含み、北の五条通から南の七条通、東の鴨川から西の西洞院川迄が所司代組の担当となっている。

 京都所司代が町奉行を使い治安に当たっていたが、京都守護職が出来ると新撰組と見廻組がその管轄下となったため、複雑な担当区域になってしまっていた。

「所司代とは言え、幕府の組織だ。警戒しても無駄にはならん」

 そう言った後、武市が右手の路地へと向きを変えたので、和奈もその後に続いて入って行った。

 ちりちりと胃の辺りが傷む。

(前にもあったなぁ)

 胃痛とも違う感覚に首を捻るしかない。

「先を急ぐぞ」

「はい」

 こういう時に雨が降っていればと、星が瞬く空を憎憎しく見上げる。

 通りを越え、細い河原町通を南へと下って行き、もう少しで三条通だと言う所で武市の足が止まった。その先に、黒い着物を纏った男が斬り込める間合いを外して立っている。出で立ちから所司代の手の者かどうか判別しずらい。

「この道を行くのは止したほうがいい」

 後ろを一度振り向いた男は、訝しむ武市を他所に和奈達の方へゆったりと歩いて来る。

「二条城に慶喜公が居て、市中の警戒が増している。君の顔は、手配者(てはいもの)の中にまだ残っているのだから、うろうろと動き回るものではないよ」

 武市と和奈の手が、腰に差した刀に伸びると、男の足が止まった。

「安心したまえ。私は君達を捕らえようとは思っていない。中岡くんから聞いていないか?」

 和奈は体を固くして前を疑視している武市と、半身をこちらに向けている男を交互に見る。

「御陵衛士の方か?」

 伸びてきた武市の左腕が、和奈を後ろへと押しやった。

「ここで問答を重ねては、遅かれ早かれ見つかることになるのだが」

「貴方が消えれば問答せずにすむ」

 袖に腕を差し入れた伊東は、和奈へと視線をずらした。

「仕方ない。君達とは別の機会でということで、ここは退こう。祇園へ下るなら、この道から左に逸れて真っ直ぐ鴨川沿いを行くといい。今なら見廻りとかち合うことはないからね」

 そう言い、ニコニコ顔のまま伊東は来た道を戻って行った。

「わざわざ知らせに来てくれたんでしょうか」

「そんなはずはない。最初から付けられていた、そう考えるほうが道理にかなう」

 伊東の言葉を信じて道を進むべきかどうか、武市は迷った。

祇園まではまだかなりの距離がある。見廻組も御定番組がも新撰組より厄介ではない。


 りぃーーん。


「!?」

 鈴の音の音が聞こえた和奈は、もう一度耳を澄ませた。

(前は何時だった?)

 そう、寺田屋だ。幕吏がなだれ込んで来る前に聞こえたんだ。

「柳川さん、急いで」

「和太郎?」

 見下ろした和奈の顔は強張っている。

「鈴の音が、聞こえたんです。ここから早く移動しないと-」

 伊東が立っていた路地を見た和奈の目に、横切って行く影が映る。

「!」

 あれは、あの顔は。どこかで見た事がある。

「おい、和太郎?」

 眉間を寄せ、目を吊り上げている和奈の肩を揺さぶる武市の胸中に、嫌な予感が広がる。

「あいつ・・・だ」

「?」

 そう、忘れもしない。仲間を斬ったあの男だ。

 次の瞬間、和奈は影を追わねばと地面を蹴っていた。

「和奈!」

 通りを飛び出し左に顔を向け、小さくなった影を見つける駆け出した。

(なんなんだ!)

 躊躇って出遅れたせいで距離をとられてしまい、前を走る和奈には追いつけそうもない。

「誰を追いかけている!」

 走り出しながら鯉口を切り鍔元を握り締める。


 駆け寄る気配を感じた影が和奈へと体を振り返らせ、一人が前へ進み出で刀を抜き放ち構えた。

「何奴!」

「邪魔だ」

 抜刀しながら飛び込んできた和奈の太刀を避けようとした男は、足をもつれさせてよろけるとその場に尻餅をついた。

「周平!」

 刀を抜いて立つ近藤の目の前で、和奈は足を止めた。

「新撰組局長、近藤勇殿とお見受け致す」

「如何にも」

「某は長州藩士吉田稔麿と申す。池田屋にて新撰組に討ち取られた同志の仇討ちに参上仕った。尋常に勝負されたし!」

「吉田・・・稔麿? おい、なんの冗談かは知らんが、吉田稔麿はすでに-」

「いざ、参る!」

 言葉を遮り刀を振り下ろした和奈をかわし、背後に回る。

「待て!」

 振り向き様に間合いを詰められ、打ち下ろされた刀を受け止める。

「貴様・・・何者だ?」

 どう見ても吉田稔麿ではない相手に、近藤は尋ねた。

「宮部さんを、仲おまえ達新撰組は仲間を殺した!」

「!」

 腕を突っ張り、和奈から間合いを取った近藤は、通りの左側には池田屋が在ったと思い出す。

「市中を火の海にしようと企んでいたのを、我らは阻止したに過ぎん!」

「なんの取り調べもせずにか!」

「手向かい致したから斬ったまで!」

「このぉ!」

 一度二度と刀を打ちつける和奈に押され、後ろへと下がっていく近藤の足に周平の体が当たる。

「起きろ、周平!」

 立ち上がった周平が、和奈に斬りかかろうと刀を薙ぎへ払う。

「ぐあっ!」

 後ろから背中を鞘で突かれた周平の体が再び地面に落ちる。

「貴様は・・・」

 隻眼の男。寺田屋で逃した志士の一人ではと更に間合いを取る。二人が相手では、いかに剣の腕が確かな近藤でも対応し切れるものではない。だが間合いを取ったにも関わらず、和奈は一瞬でその差を詰め、近藤のわき腹へと刀を滑り込ませていた。

「くっ!」

 もう一度と足を踏み出した和奈の腰に、武市の腕が巻きつく。

「いい加減にしろ!」

 そう怒鳴った直後、和奈の体を抱え池田屋脇の路地へと走り込んだ。

 


 祇園を出た赤井は、ご機嫌となった伊庭の傍らを歩きながら、沢山の灯が灯る華やかな町並みを振り返った。

「いい子でもできたのかい?」

「嬉しいそうに伊庭が聞いてくる。

「そんなんじゃありませんよ」

「そえか。もし、いい女が居て口説きたいと思ったら、中身がある女かどうか見ろよ」

「中身?」

「そう。色恋沙汰ばかり考える女は自分勝手で始末に困る。だが、分を弁えている女は学も教養も身につけているから、男の都合もちゃんと考えてくれる」

 男の都合ねぇ。と赤井はその都合とやらを考えてみた。

「都合って、どういう都合なんですか?」

「好きな女に、仕事と私とどちらが大切なんだと聞かれたらどうする?」

「そりゃあ、仕事しないと生きていけないし、困る選択っすよね」

「だから、そんな問いをしない女を選べってことさ。但し、その分ちゃんと女を愛してやるのが男の甲斐性だというのも忘れちゃだめだよ」

 当分そんな相手はいらいないと、赤井はぶんぶん顔を振る。

「お互いこの歳で一人身だから、余計な心配をしなくてすむけど、時々無性に人肌が恋しくなる」

 だから祇園に通うのかと、頭を抑える。

「やけに黒装束の侍が目立ちますね」

 女の話しで終始しそうな予感を覚えた赤井は話題を変えた。

「新撰組か」

 水浅葱の羽織だったはずと、人の合間に見え隠れする羽織を確かめる。

 袖口のダンダラが見えた。あの模様は新撰組しか使わないものだ。という事は、自分が居なくなった後に黒羽織に変わったのだろう。

「闇夜に目立つ羽織を着ていたら志士から逃げられると、ようやく判ったんじゃないか?」

「それじゃ新撰組が馬鹿の集りみたいじゃないですか」

 ああ、君も新撰組にいたんだっけと、伊庭は可笑しそうに笑う。

「中には不逞浪士紛いの隊士も居ると聞く。幕臣とはいえ、あまりいい気がしないのは確かだ」

「だから土方さんが頑張ってるんじゃないですか」

「へえ。えらく気に入っているんだ、鬼の副長さんを」

「そりゃあ、伊庭さんの言うように粗暴な隊士もいますけど、あの人は別格ですっ」

 力んで喋る姿が面白いと、伊庭が更に笑い声を上げた。

「ぜったい酔っ払ってる」

 四条大橋を渡ると高瀬川を越えて北へ曲がった。

「ここからは見廻組の管轄だ。新撰組は入って来れない」

「嫌ってます?」

「んー。今まで新撰組の人間と会った事はないからね。嫌いかと聞かれても困るんだが、市中で噂になっている人斬り集団というのが本当なら、嫌いな部類に入るさ」

 人気の少なくなった町を見回しながら、 鼻歌を歌い出した伊庭はそうそうと赤井に顔を向けた。

「この先に禁門の変で焼けた長州藩邸があったんだよね」

「この辺の地理に詳しくなくて・・・」

 京都市役所があった辺りで、この時代では本能寺と天性寺がその位置にある。

 そしてと、三条通を左へ曲がった伊庭は、あそこが池田屋かと足を止めた。

「あれ」

 赤井が上半身を前屈みにさせて、伊庭の横から前方を見る。

「ちょっと、あれって!」

 止める間もなく駆け出した赤井の後を、伊庭は慌てることなく歩いて追いかけて行く。

 一人、地面に倒れている男が居る。その傍らに座りこんで居るのは。

「近藤さん!?」

 紛れも泣く見知った顔だ。

「赤井くんじゃないか、どうしてここに」

「その、今遊撃隊に居るんです。大坂から京にきたんですが・・・じゃなくて、そんな事よりどうしたんですか?」

 見ると近藤の右手は脇腹を抱えるように抑えている。

「斬られたんですか!?」

「大した事はない。周平も当身を食らっただけだ」

 ほっと息を漏らす。

「新撰組の局長さん?」

 後ろから伊庭の声が聞こえ、見上げた近藤がそうだと答える。

「辻斬りにでもあったんですか?」

「いや、なんと説明すればいいか」

「では事情は後ほどと言う事で、とりあえずこの場から離れましょう。屯所までお送り致します」

「忝い」

 周囲を警戒しつつ、四人は三条通から寺町通を下り西本願寺へと下って行った。

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