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幕末奇譚 『志士 狂桜の宴』  作者: 夏月左桜
奇譚九幕 暗雲低迷
35/89

其之二 気配

「留魂録」

心なることの種々かき置きぬ思い残せることなかりけり

呼び出しの声まつ外に今の世に待つべき事のなかりけるかな

討たれたる吾れをあはれと見ん人は君を崇めて夷払へよ

愚かなる吾れをも友とめづ人はわがとも友とめでよ人々

七たびも生きかへりつつ夷をぞ攘はんこころ吾れ忘れめや

                          吉田松陰



 大坂で桂と高杉に合流した和奈達は、薩摩の蒸気船に乗り一路長府を目指していた。

 潮風に当たりたくて、和奈は甲板へと出て来た。

「龍馬さん、大人しくしてるかなあ」

 両手の親指付け根を斬られ、特に右手の傷はかなり深いもらしく、下手をすれば無くなっていたらしい。

「赤井くん・・・」

 羽織を着て立ちはだかった赤井は、敵意とも取れる眼差しを向けてきた。

「心配か?」

 どきっ、として振り返ると、新兵衛が立っていた。

「驚いた」

「あ、すまん。ついくせでな」

 この時代の人は、気配を元々持っていないのではないかと思う。

「くせでも、必要なんですよね。僕、今頃死んでますよね。新兵衛さんじゃなく、新撰組だったら」

「習慣にしておくのはいい事だ」

「心休まる、って事は有るんですか?」

「あのな。いくらなんでも四六時中気を張ってるわけじゃない。気配を消すのとは別ものだ」

「そうなんだ。なら、僕はまだまだなんだなあ」

 あの夜、土方を相手に、対等で剣を捌いた人間とは到底思えない、と新兵衛は思った。垣間見た剣速、あれは訓練したからと出来る技ではない。武の才がこの男には在るのだろう。

「土方相手にあれだけ立ち回れれば、大したものだがな」

「必至でしたよ。今は一遍に色んな事があって、頭ん中がぐるぐるなんです」

「ぐるぐるか」

「赤井くんは僕の知り合いで・・・京に来たんですけど、知らない間に新撰組に行ってるし、ちゃっかり羽織なんか着てるし。責任感じるんだけど、大久保さんも桂木さんもそれは赤井くんの意志だからって言うし。それは解るんです。僕もそうして、ここに居るんだから。でも・・・」

「うじうじうじうじ考えてても仕方が無い」

 和奈は新兵衛を見上げた。

「大久保さんみたいだ」

「あははっ。口癖だからな大久保卿の。剣を振るう時もそうだが、一々考えていては先には進めん。思うまま、感じたまま行けば良いんじゃないか?」

「はい。桂木さんにもそう言われました」

「人が抱える悩み事を簡単に解決できるなら、こんな世の中になってはいまい」

 武市の声だった。

「田中くんにも随分と迷惑をかけてしまった。京を離れるのは忍びなかっただろう?」

「仕方ありません。卿が考えた事ですから、私はそれに従うだけです」

 ここにも岡田以蔵が居ると、武市は苦笑せずには居られなかった。

「その大久保さんから、これを預かっている」

 武市は文を差し出した。

「あと少しで長府だそうだ。和太郎、中へ戻るぞ」

「はい」

 二人が船内へ入って行くと、渡された文に目を通す。

 新兵衛は口元に笑みを浮かべ、読んだ文を細かく千切ると海へと捨てた。


 慶応二年一月の事。朝廷に参内した幕軍方老中小笠原長行は、長州藩の処分を奏請した。

 そして二月二十二日と三月二十六の二回、幕府は小笠原らを全権大使として芸州に派遣した。しかし長州藩と支藩は、芸州への出頭命令に対し、病気、不在の理由をつけ従わなかったのである。


 幕兵進軍に合わせて芸州入りし、三回目の出頭命令を出す予定だった。しかし、同行する大目付永井尚志の意向で進軍前に芸州へ入る事となり、随行する新撰組も一足早く京を出る事となった。


 四月十日、軍行録に記された一軍が、水浅葱の羽織をまとって通りを進んで行く。

 その数百八十九名。

「うーーっ、武者震いして来た」

 大銃頭の後ろに居る林が両手を持ち上げた。

「京を出るまでは静かにしてろ」

 赤井にそう言われ、脇にぴしっと腕を付ける。

「いいんじゃない? 前を見てれば」

 藤堂もどこか楽しそうにしている。

「駄目だよ。土方さんにでも聞こえてみろ-」

 赤井が言い切る前、土方の顔が後ろを向いたので口を閉じた。

「土方さんの耳、絶対俺達の三倍は集音力あるって」

 林は懲りずに小さな声でそう言った。


 京御所にて家老小笠原、大目付永井らと合流し京を出た新撰組と全権大使一行は、四月二十日に芸州入りした。

 国泰寺を中心に宿所を取り、小笠原は岩国領当主吉川経幹、長州藩家老宍戸親基、長州藩家老毛利元亮三名を招聘(しょうへい)したが、またもや病気であると称し、宍戸を代理とするという事で応じなかったのである。

 宍戸親基は、先の禁門の変の長州藩邸没収時に拘禁されて居たが、小笠原の後任に就いた本庄松平家九代目丹後宮津藩主本荘宗秀に、長州が懐柔を図った事によって釈放となり、家老小田村素太郎と共に長州に滞在していた。


 長府で蒸気船を降りた和奈達は、その足で桂の居る萩へと足を向けた。

「なぜ新兵衛殿が一緒に来られる?」

 長府で自分達を下ろした後、薩摩へ戻るものと思っていたのに、共に行くと新兵衛が申し出て来たのである。

「薩摩へ戻ってもやる事がありませんし、この腕が役立てばと」

 だからと言って来る必要はない、と武市は一旦断ったのだが、大久保の許可も下りていると聞き、同行を認めたのだ。

「あの文か」

 何が書かれていたか知る由も無いが、大久保が何らかの示唆をしたのは間違いない。

「卿の手足となれぬ身なら、思ったように行動すべきと思いました。それを許可頂いただけです」

 武市の横顔に、新兵衛はそう言った。

「よもやご自分の意志とは・・・大久保さんが何か手を講じたのかと思ったが」

「行く先を、見てみたいと思ったのです」

 首を傾げた武市に、視線でその理由を示した。

「・・・・・・」

「ご心配には及びません。剣を持つ者として、興味を覚えたまでです」

 前を行っていた和奈と以蔵が振り向き、足を止めて居る。

「大久保さんも、見てみたいと仰っていました」

 動けぬ自分の代わりに、新兵衛を好きにさせた、という事らしい。

「くそ狸め」

「狸、ですか」

 笑った新兵衛は、どちらかと言うと狐では、と返した。

「狐は桂さんの方だと思うが」

「ああ、それならば諒解致すところ。狐と狸の両方に好かれる者は、そう居りますまい」

「その様だな。赤井くんの件もある。動かれていたのは、新兵衛殿とお見受けしたが」

「さて、如何様な理由でそう思われたのか、拙者には解りかねますが」

 沖田が咳き込んで蹲った時、駆け寄って来た大石を追った新兵衛が、一瞬だが赤井に殺気を走らせた。それを武市は見過ごさなかったのだ。

「狐と狸の腹は同じ、という事にしておこう」

 武市はそこで話し止めた。

 一向に歩き出さない二人を見て、何事かと思ったのだろう、和奈が戻っ来たのだ。

「さあ、先を急ごう」

「止まってたのは二人じゃないですか」

 すまんと笑って、武市が歩き出し、男の話しだと新兵衛も歩き出しので、ええっ!とその後ろ姿に叫んでしまった。

「うう・・・どれだけの人にばれてるんだろう」

「馬鹿以外には判るだろう」

「それって、中岡さんも馬鹿って事になりますよ」

「も、とはなんだ、も、とは! 俺は馬鹿ではない!」

 問題ない、と武市が言い捨てると、以蔵は中岡と一緒にされたと落ち込んでしまった。

「俺からばらす事はないが、頑張って男らしく振舞うんだな」

 だから男らしくが解らないんだってば!

 最初、桂からそう言われてからこの方、一度として男らしいのがどういう振舞なのか、解ったためしがないのだ。

「そうだな。萩に着いたら岡場所にも行ってみるか?」

 それだけは遠慮しとおきますと言う和奈に、武市はそんな処へ行く必要などないと言った後、新兵衛にいらぬ事を吹き込むなと怒った。


 内政が落ち着いた長州は、藩主毛利敬親が周防に戻った事で、藩庁を周防の山口城に置いた。

 海が近くの萩がいいと、桂と高杉は山口へは移らず、城下町の平屋が連なる一角に住んでいた。

 江戸屋横丁にある桂の自宅にやって来た高杉は、藩庁へ登庁する前をの桂を捕まえ、諸処に商売、という名目で漁船の往来手形を発行を頼んだ。

「一体何をするんだい?」

「まあ見てろって」

「見てろって、漁師があちこちに出かけて商売するなんて、聞いた事がないよ」

「だからおまえは頭が堅いって言われるんだよ」

 高杉が何か動く時は、それなりの理由がある事くらい桂にも解っていた。今回の手形もその一つなのだろうが、裏に働く意図を掴めないのだ。

「解ったよ。手形を発行すればいいんだろう?」

「ああ。そうだな、二十人分くらい頼む」

 やれやれと腰を上げ、桂は部屋から出て行った。

「ぐふっ!」

 胸を押さえ、喉の奥から込み上げる咳に顔を歪ませる。

「かばっ! ごほっこぼっ!」

 手に付いた血を急いで拭き取る。

 最近吐血を伴う咳が多くなっていた。桂の前では絶対にこんな姿を見せられない。もし自分が倒れでしたら桂の事だ、政に携わらず療養しろと言うのは目に見えていた。

「ったく、時間がねえって言うのに」

 幕府軍はもう動き出しているのだ、こんな処で倒れている訳には行かない。

 高杉は自宅へ戻る為、桂の家を後にした。


 萩城東の城下町。

 三本小路の手前、白い壁が連なる菊屋横丁の細い道を行くと、高杉の家が見えてきた。桂の自宅が在る江戸屋横丁とは一本隔てた通りに在る。

 門を潜り、平屋の右手奥へと続く石畳を入って行くと、家の妻側にある掃き出し口の障子が開けら、そこに高杉が足を放り出して座って居た。

「お、来たか!」

 高杉は和奈の姿を見ると、中へ入れと促した。

「こ、ここからでいいんですか!?」

「入れたら何処だって構わん」

 草履をそのままに部屋へ上がると、奥座敷へと入って行く高杉を追いかけた。

 床の間を横手に座わった高杉は、桂が居ないから茶を入れて来いと、和奈に台所の場所を教える。

「警護も置いてないのか?」

「ん? 俺の家と知って入って来るなら、大した野郎だと褒めてやる」

 そう言う事ではない、と武市が怒る。

「常に誰かは居るから、そう怒るな!」

 奇兵隊が持ち回りで泊り込みに来ていると、高杉は説明する。

「小五郎は周防へ出かけたから、今日はここへ泊まるといい」

 そう高杉が言うと、武市は家を用意してもらっているから、夜はそちらへ移ると言った。

「そんなもん、俺が居ない時に使え!」

 言い出したら聞かないと十分承知していたので、武市もそれ以上断りを入れなかった。

 湯呑みを持って戻って来た和奈は、最後に座敷の端に座る新兵衛に茶を渡した。

「で、そっちの旦那は誰だ?」

 正座したままり新兵衛は、両手をつくと頭を下げ名を名乗った。

「小松邸に迎えに来てくれた時から、新撰組との一件まで一緒だった」

「ほう。で、なんでここに来たんだ?」

 武市に視線を戻し、手配書の件を話す。

「中村さんの他にも、人斬りを抱えてたとはな」

「同行は断ったのだが。大久保さんが許可を出したのだ、後は高杉くん達の采配に任せるしかないと、連れて来た」

「いいんじゃないか? 手練れが増えるのは構わん。だが、薩州者という事は伏せておくぞ」

「異存あるまい。密約と言っても、幹部同士の話しだ。いらぬ噂は立てぬ方がいい」

 じっと武市を見る。

「・・・何か?」

「段々と桂に似てきやがったな、と思っただけだ」

「あ、それ、解ります」

 和奈の同意を得た高杉は、桂の字が付く人間はもう増やさんと腕を組んだ。

「字が一つ同じなだけじゃないですか」

「それが問題だと言ってるんだ!」

 和奈の首根っこを抱え、頭に拳を当てるとぐりぐりと回す。

「だから! それいい加減に止めて下さいってば!」

「騒がしいと思ったら・・・」

 呆れ顔の井上多聞が、廊下で腕組をしていた。

「お騒がせしています」

 そう言い、顔を向けた武市の顔を見て、井上は声もなく佇んでしまった。

「なに突っ立てるんだ。座れ座れ」

「立ってる・・て、え? 武市さん!? どうして貴方がここに居るんですか!」

 和奈一人がこれに慌てた。

「ひ、人間違いです!」

 それを言うのが精一杯だった。次の瞬間、高杉は大笑いを始め、当の本人は慌てるでもなく、井上に、ご無沙汰をしていた、と頭下げた。

 武市の横へと座った井上は、こいつが桂木という男だ、と高杉から聞かされる。

「石川から、腕の立つ男が来たと聞いてはいたが、まさか貴方だったとは。これで得心が行った」


 桂や、天王山にて自害した真木和泉らは、西本願寺の別邸である翠紅館によく集まり、他藩の志士達と会合を行っていた。文久三年一月二十七日。京に久坂玄瑞と入った井上は、翠紅館を訪れた際、会合の席で武市と顔を合わせていた。


「狙撃隊の振り分けに忙しいと断ったのに、どうしてもと呼ばれた訳が解った。以蔵くんも無事でなによりだ」

 以蔵は無言で会釈した。

「表向きは斬首された人間だ、心得てくれ井上さん」

「承知している。名などは関係あるまい、目の前に両足の付いた男が居るのだからな」

 和奈の心配はあっさり片付いた様だった。

 それより、と井上は、幕府の全権大使が芸州に入った事を告げた。

「随行で新撰組も芸州入りしている」

 新撰組づくしだなと、高杉は愉快と言わんばかりの笑顔を浮かべて言った。

「軽く言うな。総勢百八十名の隊士が同行しているんだ。このまま幕府が進軍を開始すれば、新撰組も芸州で暴れ捲くる事になるんだぞ」

「因縁とは奇妙な物、と言う事だ」

 武市も心なしか嬉しそうである。

「・・・あんた達の気が知れん」

 京で立ち回った四人が此処に集まっており、新撰組が芸州へと入っている。武市の言うように、因縁としか思えなかった。

「来ちまったもんは仕方が無い。俺は明日、伊藤と薩摩へ行く。後の事は小五郎に聞いてくれ」

「薩摩へ?」

 井上は何事だと聞く。

「ああ。ちょっと買い物をしにな」

 にかっと歯を見せた高杉は、次の瞬間、手をついて顔を伏せた。

「高杉さん?」

 肩が震え出し、何かを我慢している様に拳が握られる。

「高杉さん!?」

 様子が変と、和奈は高杉の前に座り顔を覗き込んだ。

「ゴホッ!」

「えっ・・・」

 顔と、膝の上に落ちた赤くドロッとした液体に、和奈は動きを止めた。

「ゲホッ、ゲホッ!」

 止まらない咳と共に吐き出される血。

 口を押さえながら、手を付いていた腕が折れ、体が前屈みに倒れ込む。

「高杉!!!」

 井上が体を起こしに掛かる。

「あ・・・・・」

 吐血で口の周りが赤く染まり、畳に血の固まりが落ちている。

「おまえ、まさか!」

「し・・・んぱい・・・・・いら・・・・ん」

 そのまま高杉は意識を失った。


 次の日の夜、報せを受けた桂が、山縣を伴って山口から慌てて戻って来た。

「晋作!」

 襖を開け放って飛び込んで来た桂は、布団の中から自分を見上げている友の側に座った。

「報せるなと言ったのに」

「馬鹿か! そんな事を言ってる場合じゃないだろう!」

「大した事はない。おまえも仕事放り出して戻って来るんじゃない」

 上半身を起こし、手を合わせて背伸びをする。

「大丈夫なのか?」

 山縣は、青白い顔で笑っている高杉の顔を覗き込んだ。

「ああ、心配はいらん。薬を飲み忘れただけだ」

 ほっ、と一息を吐くと、桂は後ろを振り返った。

 そこには心配そうにしている和奈と、武市が座って居る。

「着いたばかりだと言うのに、迷惑をかけたね」

「井上さんがお医者様を呼んでくれました。二三日は安静にしてるようにと・・・」

「大袈裟なんだ、あのやぶ医者」

「晋作!」

 大丈夫だと、高杉は布団を跳ねのけて胡坐を組み、庭へと視線を向けた。

 普賢象桜が白い花を咲かせている。

「・・・春だな」

 唐突な言葉に、その場に居た全員が首を傾げる。

「倒れた時に頭でも打ったのかい?」

 桂は高杉の肩に羽織を被せた。

「満開となれば、やがて花は落ちる。太陽は南中すれば、やがて陰りはじめる。人間も年をとって、やがては老いて行くもんだ」

 桂の悲壮な顔が、その言葉の意味を語っていた。

 和奈の手が、膝の上で震えているのに気付いた武市は、その手に自分の手を重ねた。

 高杉の言葉と、桂の表情から悟ったのだろう、目の前に座る男の寿命が、限り在るものだと言う事を。

「だから俺は、必死で己がやるべき事をする。ゆったりと寛いでる暇などないんだ」

「狂え・・・か」

 山縣も顔を庭に向ける。

「思想を維持する精神は、狂気でなければならない」


 りぃーーん。


 和奈の耳元でまたあの鈴の音が響いた。

 なに? この感じは・・・私は・・・?

「松陰先生は言われたな」

 桂が懐かしそうに呟いた。

「乱世を迎えるであろう我々に、狂喜の本質たるものは、純真に変革に望もうとする精神でなければならぬ。故に、諸君、狂いたまえ、と」

 ガタガタと震え出した和奈に、手を重ねていた武市が驚く。

「和太郎?」

 武市の声に桂が振り向き、高杉も山縣も視線を向けた。

「あ・・・」

 顔面に大粒の汗を浮かべ、両目を見開いて唇を震わせている。

「和太郎!?」

 和奈に駆け寄り、両腕を抱えて覗き込む桂の耳に小さな声が届いた。

「・・・たびも・・・生きかへりつつ・・・・こころ吾れ忘れめや」

「!!」

 そして和奈は桂の腕へと堕ちた。

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