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幕末奇譚 『志士 狂桜の宴』  作者: 夏月左桜
奇譚三幕 驚浪雷奔
12/89

其之三 予兆

 道を登りきった奥手に古びた寺が見えた。

 境内は長い間手入れもされていないようで、枯木や落葉で境内は散散っばらな状態になっている。

「さて、ここはやはり堂々と正面から行こうか」

 度胸があるのか無謀なのか、和奈には桂の行動は読み切れるものではない。

「僕の後ろから離れないように。剣を入れた袋の紐は解いて、少し鞘を出しておいてくれ」

 桂から預かった剣を、ぎりっと握り締める。

 ゆったりとした歩調で賽銭箱の前へ立った桂は、深く一礼する。その姿からは剣豪の二文字など浮かんでこない。

 桂の太刀筋は、桂木の演舞で見る居合いとは全く異なっていた。

 機敏な動き、隙の無い立ち姿、漂わせる剣気。どれを比べても違う。人斬りと言われる以蔵も、稽古をつけてくれる武市にしても並みの剣客ではないと、和奈にも解った。

 生と死がいつも背中合わせである時代と、武術として剣術を修めるだけを目的とした平和な世では、質が違ってしまうのは必然のように思えた。

 賽銭箱の横を通って、桂は本堂へ登る階段へと足を掛けた。

「待て!」

 本堂の扉が開くと、中から男が出て来た。

「何用か知らんが、早々にここから立ち去れ」

 男の半着に紋はない。身に付けている着物の整え方、立ち振る舞いからして浪人でないと桂は判断する。

「朽ちたとは言え、ここは寺院でございましょう? お参りをするのに許可がいるのですか?」

 にっこりと笑った桂に、男が剣の柄掴んで腰から少し出して見せた。斬るぞと無言の威嚇をされたのだ。

「私を斬ると?」

 男の後ろ側、本堂の暗闇にも数人の気配を伺える。

「ぞろぞろとむさ苦しい男が集まり、なんの悪巧みをしているのやら」

「貴様、何者だ!?」

 男の声で、本堂の中に居た他の男達が戸口へと顔を出した。

「! 後ろの男は薩摩藩邸にいた奴だ!」

 一番奥から顔を出した男が叫んだ瞬間、桂の肩が後ろへ下り和奈の顔の横を剣閃が走った。

「お・・まえ・・・」

 相手に反撃する間も与えず、桂の抜いた刀が男の懐へ入っていた。

 剣に付いた血を振り払いながら、階段を上って行く桂に合わせて男達が中へと後ず去る。

「話しを伺いたい」

 暗闇へと入って行く桂を見た和奈は、腰に差してある刀を抜きつつ戸口に倒れている男を飛び越えた。

 堂内に、刀を手にした三人の男と、その前に立つ桂がいる。右手奥にも、柄に手を添え身構えている藩士の姿が見える。

「貴様、大久保の手の者か!?」

「答えて上げる義理はないね」

 桂の剣気に圧された三人の男が容易に動く事ができないと見た和奈は、抜いた剣の切っ先下に向けて藩士の方へ一歩を踏み出した。

「なにゆえ、我らを売る」

 斜に構え、刃を上に返した和奈は問いかけた。

「なに、坂本の首は高く売れる、とだけ教えといてやる」

 ざわっりと気が揺れるのを感じた。刹那、床を蹴った和奈の剣が振り上げられる。

「和太郎!?」

 振り上げ太刀はかわされたが、間合いを保ったまま腕を後ろに引き、和奈は躊躇もせず目の前の男へ突き出した。

「がっ・・・」

 男の体から力が抜け落ち、刀を引き抜いて振り返った和奈を、桂は驚愕の眼差しで見つめ返した。面持ちで見ていた桂の方へと和奈が体を向けた。

「なんだと言うんだ」

 和奈の目には、刀を持つ男が移っている。桂か間者かという判断は今の和奈にはできなかった。

「こいつ!」

 桂が注意を殺いだ事で、剣気の呪縛から解かれた男が和奈へと走り出した男は、自分の腕に感じた熱さに気付き、足を止め自分の腕を見下ろした。

「があぁぁぁ!」

 在るべき位置に、在るべき腕が無かった。

「僕が行かせると思うか」

 桂がもう一人の男の間合いに入ってその喉元に刀を刺すと、引き抜き様に横に居た男の首へ刃を払う。

「!」

 殺気を背後に感じて桂の体が横へ飛び退く。

「おまえ・・・」

 太刀を構えている姿に息を飲んだと同時に、和奈の刀が向かってくる。

 覗き込んだ眼に勝機の色はない。

「我を・・・忘れているのか」

 打ち合わされる剣戟の音が本堂内に反響して行く。

「くっ・・・いい加減に・・・目を覚まさんか!」

 剣を押し出した桂は刀を逆刃に返し、峰で和奈の手首を打ち下ろした。

「痛っ!」

 手から刀がすべり落ち、手首を押さえて膝を付いたところで和奈は我を取り戻した。

「あ・・・」

 顔を上げると目の前に刃先が見えた。そのまま刃を辿って行った先には、憤怒の形相で見下ろす桂の姿が在った。

「桂・・・さん?」

(一体なんとしたことだ、これは)

 殺気を放ち別人の如く人を斬った行動は熟練した剣士に近い。中途半端な剣術だと思ったから、武市に剣術指南をと頼んだ。しかし数ヶ月も経たずしてここまで上達するとは思えない。

「桂さん」

 現実は否定できない。原因を探るよりも、まずは和奈が道を逸らさぬよう考える必要がある。

「敵味方の区別もつけれず刀を振るうは剣士として最低の愚行。いや、剣士と呼ぶに値すらせぬ!」

 確認するまでもなく、桂に斬りかかったのだ。

 戸口に倒れている男の元へ歩いて言った桂は、男の襟首を持って中へと引き摺り込むと入口を指差した。

「出て行け」

 和奈の足が動くと同時に、外で大きな音が起こった。

「まだ居たのか!?」

 走り出て行く桂の後を追って寺の右側へと回る。そこには四つん這いで腰を摩っている男の姿があった。

「おまえも仲間か!?」

 男が桂の声で顔を上げ、

「赤井くん!?」

 和奈の声で桂が振り返った。

「知り合い、なのかい?」

 そう問いかける桂は、自分の良く知る優しい人だった。

「えっと、その、はい・・・」

「まさかとは思うが?」

「その、まさか、です」

 厄介事ができたばかりだと言うのに、また一つ増えたるのかと額を押さえた桂は艱苦するしかない。

「とりあえずこの場はおまえに任せる。私は中で話しを聞いてくるから、絶対に来ないように。いいね?」

「はい」

 桂が角を曲がるのを待ってから、和奈は赤井へと向き直った。

「何がどうなってる?」

「赤井くんも来ちゃったんだ」

「はっ? 何訳の解んない事を言ってるんだよ。てか、ここ何処なんだ? なんで太陽が出てんだ?」

「詳しい事は後で説明するから」

 刀を振り血を払い、懐の懐紙で刃を拭った和奈は、腰の鞘へと納めた。

 赤井は土を見やった。

 そには黒い染みが点々と付いている。

 今飛び散ったのは血だ。こいつは持ってた刀で人を斬ったのか?

「おまえ・・・なにやってんだよ!」

「説明は後だと言った。それと、ここでの私の名前は村木和太郎だから忘れないで。あと・・・女ではなく男になってるから、それも忘れないでね」

「はっ?」

「忘れないでね!」

「解ったから怒鳴るな!」

「で、どうして赤井くんはここに居るの?」

 見る限り、赤井の姿はあの夜と同じ袴姿た。傍らには木太刀も落ちている。その二つ以って出せる答えは一つ。自分がこの幕末へやって来たあの夜、一緒に居た赤井も時間を越えてしまったのだ。

「ここ?」

 赤井は辺りを見回す。

「ここって、何処なんだよ。朔月さんは? 俺、錬兵館に居たよな?」

「それはそうなんだけど、ややこしい事になってるんだよ私達」

「ややこしこと?」

「時代は幕末、ここは元治元年の大津です」

 和奈の言った言葉の意味を直ぐには理解できなかった。

「幕末? 元治元年? ってそりゃあおまえ冗談きつい」

 赤井の事より本堂の方が気になり、気配を探ろうと意識を集中させるが、桂の気配は感じ取れなかった。

 稽古を重ね、幾分かは気配で人の動きが判るようになって来た。とは言え、桂や武市の気を探るにはまだまだ修行不足らしい。

「幕末って、坂本龍馬とか西郷隆盛とか新撰組の居る、あの幕末って事か?」

「うん」

「俺をおちょくって楽しいか?」

「だったら、ざまあみろって笑えるんだけどね」

「本当に、まじで話しをしてるのか?」

「大真面目です」

 赤井は後ろに付いていた手を胡坐の上で組み、じっと和奈を見る。

「なんで赤井くんまで来ちゃったんだろう」

「なんでって言われてもなあ。俺はおまえが倒れかけたから慌てて手を出しだだけだ。そしたら尻餅ついてた」

 尻餅をついた音で桂が飛び出し、和奈がやって来た。

「巻き添えになったって事か」

 時を超えようとしていた和奈に手を伸ばした事で、赤井も巻き込まれたとしか考えれない。ただ、同時に飛ばされたにも関わらず、二人の到着には時間の差ができている。

「僕がここへ来たのは二ヶ月前なんだ」

「一緒に着いたんじゃないって事は、おまえを見れば解るよ」

 赤井は疲れたように顔を抑えた。

 足音が聞こえたので、和奈は後ろを振り返った。

「桂さん!」

 心配そうに駆け寄ってきた和奈の額を、険しい顔のまま小突いた。

「おまえの事は後で武市くんに聞くとして、そこに座って居る御仁はお仲間なんだね?」

「残念ながら・・・」

 ふぅっと長い息を吐く。

「ここに長居は無用だ。皆も心配しているだろうから、さっさと屋敷へ戻ろう」

 道を戻りながら、和奈はここが何処で何時なのか話したと桂に伝えた。

「君はどう思いました?」

「どうって聞かれても、簡単に納得なんかできませんよ」

「道理だね。君の事は後ほど皆と相談させて頂こう。屋敷についても、自分からいらぬ事は口にしないでもらいたい」

 言葉は柔らかいが、声色に拒めない気迫を感じた赤井は、はいと答えた。


「時間が掛かり過ぎる」

 武市はそう言って刀を手にした。

「落ち着つきいや武市。出したがはおんしだとゆうがやき、もうちっくと待てないがか」

 中岡はずっと姿勢を崩さない以蔵の傍に膝で這っていく。

「こんな武市さん初めて見る」

「あの馬鹿のせいだ。帰ってきたら、奴の頭を一発でも殴らんと気がすまん」

 散散武市に当り散らされた以蔵は、帰ってきた和奈を本当に殴りそうだった。

「武市さん、やっぱりそっちの志向なのかな?」

 拳を握り締めている武市が目の前に居ては、そうとしか中岡には考えられなかった。

「気色の悪い想像をするな!」

 二人やり取りが聞こえた武市は、以蔵と中岡を睨む。

「はや当り散らすのはやめておけ」

「っ!」

「賑やかだね」

 桂の声が廊下から響いて来ると、武市と龍馬が慌てて障子を開け放った。

「ただ今戻りました」

 桂の後ろから頭を下げた和奈は返り血を浴びている。人を斬ったのは間違いないと、龍馬の顔が曇る。

「怪我はないか?」

 切り傷はないかと、和奈の肩や腕、背中を触っていく武市。

「やっぱりそうなんだ」

 中岡の言葉に姿勢を正した武市は、握った拳を見せた。

「心配いらないよ、どこにも怪我はしていない」

「そうですか」

 くすくす笑う桂が横を通り過ぎ、その背中を恨めしげに睨んだ後、部屋の脇に座る以蔵と中岡とを見た。

「すまないが、寺の片づけを頼みたい」

「俺が行ってきます!」

 これ以上、武市の不機嫌の解消道具になりたくなかった以蔵は、急いで部屋から出て行った。

「あ、俺も行って来ます!」

 同じく矛先を向けられてはと、中岡も飛ぶようにして出て行ってしまった。

「坂本くん、晋作。ちょっと来てくれないか?」

 武市に一瞥を投げかけた桂は、二人を伴って部屋を後にした。結果、二人きりとなってしまった和奈は困った。

 武市が怒っているのがひしひしと伝わってくる。

「おまえを桂さんから預かっているとは言え、俺の弟子に違いはない」

 和奈は背筋を伸ばし姿勢を正した。

「今回出したのは、止むを得なかった事だと言うのを忘れるな」

「はい」

 険しい顔をしているが、無事な姿に内心ほっと胸を撫で下ろしていた。京を離れた後、これまで感じた事のない喪失感を覚えた武市は、その理由が和奈の存在によるものだと気づきいた。それから弟子として和奈を見れなくなっている。だからと、態度を変えるような男ではない。

「で、どうなった?」

 赤井の事がある。寺での事を話すのは、桂が戻るのを待った方がいいと和奈は考えた。

「話しを聞いたのは桂さんなんです」

 呼ばれたのは龍馬と高杉だけと言うのが腑に落ちない。寺での出来事を話すなら場所を移す必要ない。

「何かあったな?」

 困った顔で俯いてはみたが、それで誤魔化せる相手ではないと和奈は承知している。

「僕、桂さんに斬りかかったみたいなんです」

 武市の表情が青くなる。

 稽古の時と同じ事が起こったのかと聞くまでもなかった。行かせるべきではなかったのではと後悔の念に襲われたが、今更悔いても仕方がない。

「分かった。話しは桂さんから聞くとしよう。ともあれ、無事で良かった」

 武市の暖かい手が頬添えられ、和奈は動けなくなってしまった。

「まったく。おまえも龍馬も、どれだけ俺に心配を掛けたら気がすむのか聞きたいものだ」

 笑った武市の顔から、和奈は視線を外せなかった。


 赤井をここへ連れて来た理由を語った桂の横で、高杉が真剣な眼差しを部屋に入った所に座す赤井に向けている。

 和奈について困惑の冷め切らないうちに、未来から来たと言う人間が増えたのだ。高杉が楽天家だと言っても笑っていられるものではない。

「けんど、なんでこがーに人がほいほいここへ来るんじゃ」

「それが判ったら、気苦労しなくてすむんだけどね」

 赤井といえば、目の前に座す三人を観察することに余念がない。

(坂本龍馬に桂小五郎だって? 高杉晋作って、確か奇兵隊を作った人だよな。てか、なんで村木が歴史に名を残してる偉人と一緒に居るんだ?)

 時を超えたと言われても信じられないのは当然だが、だからと言って、精密な舞台を作り上げ大勢で自分をからかう理由などないはずだ。

(だとしたら、やっぱり本物かよ)

「和太郎はいいとして」

「何がいいものか!」

 その気迫に龍馬は苦笑いのまま肩を窄める。

「僕の知らぬ間に何があったのかちゃんと聞かせて頂く」

「それは後だ小五郎。まずこいつの処遇をどうするかが先だろう」

 そうだったと、桂は赤井を思い出した。

「君は、僕達の事を知っているのかな?」

 そう笑みを浮かべる桂はどう見ても女性でしかない。ついさっき名前を聞くまで、本当に女性だと思っていた。

「あ、はい」

「では、これから何が起きて、どうなるかという事も詳しく?」

 表情では笑っているが、その眼は笑っていない。誤魔化しも嘘も桂には通用しないと赤井は見た。

「一応。歴史は得意でしたから」

 そうですかと桂が言った途端、高杉が脇に置いていた鞘を手に立ち上がった。

「斬る」

 止めなければ本当に斬ると慌てた龍馬が高杉の前に立つ。

「ちっくと待っとうせ高杉くん!」

「面倒だろうが、斬った方が早い」

 事の展開に慌てたのは赤井も同じだった。

「おんしゃあ、男となると容赦ないがか」

「無論だ!」

 高杉がじりっと足を畳みに滑らせた。

「どうしていつも、おまえは物事を短絡的に解決しようとするんだ」

 桂が高杉の腕を引っ張り下ろす。

「じゃあ、こいつも置くのか?」

 赤井が決めることだと言う桂の手を振り払い、仕方なく腰を落ち着けた高杉が鞘を置いた。

「坂本さん、こいつの方が俺よりたちが悪いぞ」

 高杉に言われるまでもなく、龍馬も桂の気質はよく理解していると笑う。

「和太郎は我が長州藩の者という事になっている」

「はあ」

「私の甥として皆に紹介している。この二つを違えず、君が持ち得ている事を口外しないと約束できるなら、君の処遇も僕が預かろう」

「有利となる情報、だったとしてもですか?」

「有利不利は関係ない。口外するか否かだね」

 桂を纏う空気一変し、背筋に冷たいものを感じた赤井は思わず背筋を伸ばした。

「もし、万が一漏らしたら?」

 鞘を手にすっと立ち上がった桂が刀を抜き放った。

「この僕がおまえを斬る」

「やっぱり斬るんじゃないか」

 龍馬は困ったと言わんばかりの顔で赤井を見る。

「和太郎はここで生きると決めちゅう。おまさんにそれを勧めるつもりは毛頭ないが、いぬるまで桂さんとの約束を守ってはくれんか」

(帰らない? なんでそんな事になってるんだ?)

「どうなんです?」

「俺に選択権はありませんよね、この状況だと」

 ええ、と桂は笑う。

 問答無用の駆け引きに赤井の勝ち目はない。

「解りました。その約束、守ります」

「守らなくていいものを」

 高杉は頭に拳を落とされ、桂は頭を抱えて転げまわる高杉をそのままに、刀を鞘へと納めると赤井の前に腰を下ろした。

「本気で殴るか!?」

「僕はいつも本気だ。では、君の名を教えてもらおう」

「赤井修吾と言います」

「宜しい。そうだな、今後は赤井修吾郎で通しなさい。それから、君は僕達と一緒に来て、別の部屋で待っていた。そう言う事にしておこう。いいな、晋作」

「はいはい」

「念を押すが、くれぐれも和太郎の名前を間違えないように、いいね?」

「わかりました」

「初めて和太郎と会った日の様だのう」

 龍馬は嬉しくて仕方がないようだったが、高杉は不機嫌な顔でそっぽを向いている。

「さて、皆の所へ戻ろう。次は和太郎の事を聞かねばならないからね」


 頬に手を添えられたまま顔を見つめられている和奈は、何をどうすればいいのか解らず、動きたくとも動けずに居た。

「あの・・・武市さん」

 漸く声を出せた和奈に笑みを見せた武市は、頬に添えた手を下した。

「俺はおまえが-」

 女子だと知って居るのだと言いかけた武市は、近づく足音に気づいて和奈から少し距離をとって座りなおした。

 龍馬達が部屋に入って安堵したのもつかの間、桂の視線を受けた和奈は再び緊張の糸を張りなおし、姿勢を正した。

「話があるんだが、いいかな、武市くん」

 尖った言葉をかけられた武市は、膝を揃えると頭を下げた。

「僕が聞きたい事を解っているようだね」

「申し訳ありません。和太郎の事をすぐに伝ておくべきだったと、己の浅はかさを痛感しております」

 龍馬の後ろに座った赤井と目が合ったが、どういう顔をすればいいのか解らず、和奈は視線を背けた。

「わしからも、和太郎の事は桂さんに詫びないといかん」

「詫びる前に説明して頂きたい。あれは一体何なんだ?」

 二人に頭を上げるように言い、桂は寺での一件を伝えた。

 武市が思った通り、和奈は我を忘れて刀を振るった。

「あの抜刀には躊躇いが一切なかった。ただ人を殺める、その一点のみで振るった剣だ」

 桂は眉間に皺を寄せたまま武市を見た後、驚いている和奈に視線を移した。

「それがわしにも武市によお解らんき」

「稽古をつけていたのは武市くんだ。解らないというのは解せないな」

「私は抜刀術などこれに教えてはいない。私が居ぬ間の稽古は以蔵につけさせていたが、その以蔵も抜刀術など修得しておらん」

「ならばなぜ!」

 こんな短期間にあれほどの刀捌きができるようになったのか。その答えを武市も知りたかった。

「大久保さんもわからんゆうとった」

「君は、和太郎の事を話したのか!?」

「いや。ここへ来た経緯について何も語っちゃーせん。稽古は藩邸でやっちょったが、大久保さんが見に来る機会もあるき」

 桂の驚愕が怒りへと変わる。

「そう怒らんでいとおせ。桂さんの甥だとはゆうたち大久保さんにとって和太郎はただの居候でしかながで。深い関係でもない相手に、大久保さんかとやかく口を挟む事はないと桂さんもよお知っちゅうがやないかね」

「確かに、君の言う通りだが」

「ああ。だから、大久保さんはあんな事を言ったんだ」

「おまえに何と言ったんだ!?」

【己を制し力を己の物と成せ。成せぬなら、おまえは人斬りで生涯を終えることになるぞ】

「何も知らずに語るか!」

 意に反して事態が進んで行く。道理を考え、最善を選んで策を練る桂にとっては好ましい展開ではない。

「それで、おまえはどう受取ったんだ?」

「我を忘れて刀を使ってるんですよね? それって、ここに居る皆に刃を向けてしまうかもしれない、そう言う事ですよね?」

「そうだな」

「なら、大久保さんの言う通り、僕は僕の太刀をしらなくてはいけない」

 誰も、桂さえも何も言わなかった。

「覚悟は・・・初めて人を斬った後にしました。だから、誰かを殺すための技ではなく、守る技にしたい」

 桂が刺すような視線を和奈に放った。

「どう綺麗に言葉を飾ったとしても、剣を振るう以上は人を斬るという事! それに変わりはない! 剣は盾ではなく人を殺める凶器! それが解っているのか!?」

 桂の怒声に高杉が目を大きく開く。

「はい」

 自分を見上げる眼は意志を固めた者の眼だ。

「桂さん」

 二人の間に、武市が片手を付いて進み出た。

「人を斬ることになったのは、師として私が至らなかった結果と思って居る。だからと言うのではないが・・・これからの道を決めた和太郎と共に歩んで行く所存とお伝えしておく」

「君・・・まさか?」

 武市の言葉は意外だった。それだけでなく、冷静沈着な武市が人の目も憚らず己を曝け出すなど予想もしていなかった。

「あの、桂さん」

「なんだ」

「僕は皆さんに迷惑をかけるつもりはないんです。だから、長州へ帰る方がいいのなら、そうしますから、どうか武市さん達を怒らないで下さい、お願いします」

「・・・・・」

「これはこれは。武市くん、どうやら君の選んだ道は険しいようだよ」

「もとより承知している」

「虚礼ではないようだね」

 桂に纏わり付いていた殺気が消えた。

「和太郎」

「はい」

「もう一つ確認したいんだが、刀を捨てる、という選択肢はないのかい?」

「え? 刀を?」

「なにも、無理して武士であろうとする必要はないのではないかと。ねえ、武市くん」

「和太郎がその選択をするならば、私に異存はない」

「えっと、刀を捨てるって?」

「女子として生きていく術もあるだろう?」

「あ・・・考えもしなかったです。その、今のままでは駄目でしょうか?」

 大きなため息を吐いた桂が和奈の頭をコツンと叩いた。

「解った。おまえが決めた道だ。もうとやかくは言うまい。だが、先にも言った通り、敵味方無く刃を向ける者は剣士にあらず。緊褌一番、それを肝に銘じておきなさい」

「きんこんいちばん・・・」 

 桂はやれやれと、優しい笑みを浮かべた。

「気持ちを今一度引き締め、覚悟を決めてかかると言う意味だ。語学の勉強も必要のようだな、これは」

「心しておきます」

「いい心がけだ」

 穏やかな表情で笑う桂とは反対に、高杉が疲れた表情を見せた。

「おい、いい加減に朝飯くらい食わせろ!」

 元気がなく苛々していたのは腹の虫が騒いでいたからかと龍馬が大笑する。

 高杉と龍馬がやいのやいのやっている所へ、片付けを終えた中岡と以蔵が泥まみれで帰って来た。

「二人ともご苦労だったね。では、食事を運んでくれるよう伝えて来るから、岡田くんと中岡くんは着替えてきなさい」

 僕もついでに着替えて来ると桂が出て行くと、

「桂さんの女装にゃたまけだ」

 龍馬は膝を崩した。

「女装しちゅう桂さんも見ごたえがあったがやけど」

「はっ!」

 親指の爪を噛んでいた高杉が、腹立たしそうな声をあげた。

「今、小五郎が京でなんて呼ばれているか教えてやる。逃げの小五郎。それが今のあいつの異名だ」

「逃げの小五郎?」

「京に居たにも関わらず、池田屋の時も禁門の時もその場に居らず、逃げたと思われて居る。それがあって、身内からも卑怯者呼ばわりされる始末だ」

「そんな! 池田屋の時は僕が迷惑をかけたから行けなかっただけで、逃げたわけじゃありませんよ! 御所への進発だって、桂さんは皆を止めようと駆け回ったって武市さんから聞きました!」

「狭い部屋で怒鳴るな!」

「納得行きません!」

「納得もなにも、それが他人ってもんだ。誰も小五郎の考えがどうかなんぞ知ろうとせん。

だが、小五郎がいじけていないのは、おまえ達が居るからだ。あいつが大事と思う人間が知っていれば、他人かどうのこうの言うがあいつにとっては大したことじゃない」

「高杉くんはしょうまっこと、桂さんのことをよお解っておる」

「そうか、桂さんのこと、大好きなんだ高杉さん」

「はぁっ!? おい、まてこら、気色の悪い言い方をするな!」

「話しの流れからすると、そうとしか思えません」

 この餓鬼がと、和奈の首根っこを押さえ込む。

「じゃれ合うのはその位にして、さっきから居心地悪そうに座っているそこの者を紹介してはくれまいか?」

 武市のその言葉手、和奈も龍馬も赤いの存在をすっかり忘れていたことに気がついた。

「消化するほどの男じゃないが、武市さんが言うなら仕方ない。こいつは和太郎の達でな。付いて来るなと言ったのに、無理矢理俺達に付いてきやがった阿呆だ」

「阿呆って・・・赤井修吾郎といいます」

 両手を前で揃えた赤井は、稽古を思い出しながら静かに頭を下た。

(ゃっぱり赤井くんって大したもんだ)

 周囲の状況を見て、その場その場でどう対応すればいいのかちゃんと判断できている。儀礼については道場で嫌と言うほど桂木から教わったが、和奈は十の内半分も覚えてはいなかった。

「私は武市半平太と申す。君の後ろに居る弟子の岡田以蔵。その横のでちっこいのが中岡慎太郎と言う」

「ちょっと武市さん!  ちっこいは余計ですよ!」

「今更何を言うか」

「確かに中岡はこんまいが、ほりゃあ言うたらいかんぜよ」

「皆が人並み外れてるだけです!」

 いつもの如く、ぎゃあぎゃあと言い合いを始めてしまった三人をそのままに、赤井が和奈の横へとやって来た。

「後でちゃんと説明しろよ」

「うん、上手く説明できるか判らないけど」

 膳を運んできたお京が入って来る。

「あ、僕も手伝います」

「じゃ、俺も行く」

 赤井が和奈を追いかけるように出て行くと、龍馬が武市の側へとやって来た。

「ほがな怖い顔はやめとうせ」

「なにがだ」

 低く抑えた声色で武市は言う。

「師弟関係と同じく、一度出来た絆はそうそう壊れてしもうたりはしやーせんき」

 ごつんと鈍い音に驚いた中岡が横を向くと、頭を抱えて転がっている龍馬の姿があった。

「なにやってるんですか・・・」

「武市が本気で殴ったがやか」

「また何か余計なことでも言ったんでしょう」

「本気で殴られるような事をゆうてやーせん!」

「いや、拳はいつも本気で出すもんだ。坂本さんも殴り返してやれ!」

 高杉が嗾けて龍馬と武市が言い合いを加熱させ、中岡は相手にせずと自分の膳を抱えて部屋の隅に避難し、以蔵は他人のふりを決め込んでしまった。

 もちろん、着替えて戻って来た桂に、三人が叱責され、並べられた膳に手を付けれたのは半刻のことだった。

 食事を終えた桂達は、これからの事を相談すると部屋を変えた。

 和奈は静かになった部屋を背にして、縁側で赤井と並べ庭を眺めている。

「なんでそんな事になってんだよ」

「知らない」

 説明しろと急かされた和奈は、以蔵との稽古や、人を斬った事は伏せ、桂に助けられて龍馬達の世話になるまでの経緯(いきさつ)を簡単にまとめて話した。

「戻る術が見つかったら、赤井くんは戻った方がいい」

「おまえも戻れよ」

「僕は残る」

 断言した和奈の顔に迷いを見出せず、赤井は黙った。

 たった二ヶ月で桂や龍馬、武市の信頼をどうやって得たのか気になるが、それ以上に残ると決めた理由が一番気になることだ。

「なんで残るって決めたんだ? おまえの世界はここじゃないだろう」

「うん。それは自分一番よく解ってる。でも、僕はもう元の世界には戻れない。戻っちゃいけないんだ」

「なんか隠してるだろう」

「別に、なにも隠してない」

「・・・やっぱり俺にはおまえが解かんねえ」

 そっぽを向いた赤井をそのままに、

「桂さんたちとの話しだけど、どうなったの?」

 それとなく聞いてみた。

「どうもこうも。俺の身柄を預かってくれるかわりに、言われたことを守れと言われた。あの人あいてに太刀打ちなんかできないし、別に無理難題を押し付けられたわけじゃないから、約束すると答えた」

「そうか」

「まだ斬られて死にたくないしな」

「なにそれ!」

 桂から、約束を守らなければ斬り捨てると言われたと赤井は苦笑した。

「斬られなくても約束した事は守るさ」

「どんな約束?」

「おまえの事と、あの人達がどうなるのかを喋るなって」

「どうなるの?」

「おまえ、歴史苦手だろ」

「う・・・うん」

「語らないと約束したんだし、おまえも知らない方が気が楽だろ」

「そうなのかな」

「そうなの。どうしても知りたきゃ、戻ってから歴史を勉強しなおせ」

「ひどっ・・・」

 しかし、赤井の今後を心配する必要がなくなったことで、和奈の危惧は一つ消えた。

 あと一つ、消さなくてはならない問題が残っている。

 道場でも、タケチからも教わらなかった抜刀術。その技を大久保は使いこなしてみろと言った。簡単に言われても出来るわけがない。形をなさないものを己の物とするために、なにをすればいいのか全く検討が付かない。

 今自分にできること。

「毎日剣と向き合う事。心を剣に通わせる事・・・まずそれからか」

「大変良く出来ました」

 桂の声に振り返ると、にこにこと笑っている桂がいつの間にか背後に立っていた。

(うへっやべっ。この人、気配がまったくねぇよ)

 剣豪と謳われるだけあって、気配を消すことに長けているだけでなく、足音を立てずに近寄る術も身につけている。

 果たして同じことが自分にもできるだろうか。

 赤井は無理だなと肩を落とした。

「基本はちゃんと解っているじゃないか」

「基本、なんだ」

 剣術を習っていたのなら基本を知っていても不思議ではないのに、和奈はそれと知らずに覚えているらしい。なぜあの太刀捌きができたのかと、桂の疑念は一層大きくなる。

「これをおまえにと思ったのは、何か予感するところがあったのかも知れないな」

 桂は手にしていた鞘を和奈に差し出した。

「刀、ですか?」

「うん。おまえの背格好に丁度会うなと持って来たんだが、まさか、新しい人生の門出祝いになるとは思いもしていなかったよ」

 受取った刀は、大久保から貰った刀より幾分軽い。

「刀工源清麿殿が渾身を込めて打った最後の刀、【萩源清麿綾鷹】だ。帽子から伸びる刃文、互の目丁子の焼頭の揃いも申し分ない。平地の銀筋もまた典雅といえる刀だ。萩に来た折に数本作刀され、この一本だけは持ち主が決まらぬまま、桂家の蔵に置き忘れられていた。蔵の掃除をした時に見つけたんだが、錆びれもせず刃毀も、錆の一つなかったので持って来た」

 源清麿と説明されたところで、和奈にはぴんとこない。それを見越した桂は、

「源清麿殿は刀工で名高い方だ」

「へえ・・・゛も、そんな貴重な剣を頂くわけにはいきません。桂さんが持たれた方がいいですよ」

 余計な心配は不要と桂は笑う。

「人を斬るのは好まないが、僕にはこれがあれば十分だ」

 腰に差す【鶴丸】と脇差【左行秀】のを指差す。

 人を斬るのを好まない。その言葉に和奈の顔が曇る。

「いらぬ心配無用。好まない、と言うだけで、斬らない、とは言っていない。手渡す経緯は不本意極まりないが、遠慮せず受け取ってもらいたい」

 手にした鞘から刀を抜くと、光が刃に反射し輝いた。

 刃文とか言われてもさっぱりだったが、柄の装飾も丹念に作り上げられていて、刀の作りなどに興味のない和奈ですら見事だと思った。

「で、受取ってくれるのかな?」

「はい。大切に使います。ありがとうございました、桂さん」

「剣と心を通わせる。今おまえがするべき事はまずその一点。それに見合う剣を持って来て本当に良かったと思う」

 そう言い終わった桂は、まだ話しの続きがあるからと奥に戻って行った。

(どこでなにをしてこうなってんだか)

 たった二ヶ月の間に、和奈がどうやって桂の信頼を得るに至ったのかが気になった。

(まだ話してない事が絶対ある。こいつはそれを俺に隠してる)

 横に座る和奈は、手にした剣をじっと見つめている。

「なあ」

 返事はない。

「おい!」

 声に驚いてその存在を思い出した和奈は、怒り顔で自分を見ている赤井に両手を合わせて謝った。

「さっき話した内容だけじゃないよな? 二ヶ月の間に何があった?」

「・・・簡単に説明できるもんじゃないよ」

「あの桂小五郎だぞ? 怜悧冷徹と謂われた剣豪が、ぱっと現れた得たいの知れない奴を、こうも簡単に受け入れるか?」

「そんな事、僕に聞かれても知るものか」

 最初に会った時から感じていたが、和奈の雰囲気が少し変わっている。男の格好をしているとか、男っぽい口調だからではなく、内面的な性質が変わってしまっている様に感じる。

「とりあえず逗留は認めてもらえたんだ。考える時間も、話す時間もたっぷりあるじゃない」

「そうだけどさ」

 そこへ、赤井の使う部屋が用意出来たと、お京が知らせに来た。

「ごめん、今日はここまでて。本音を言うと、自分の事で精一杯なんだ」

「だろうな」

「お京さん、こいつを部屋に案内してやってくれないかな」

 腰を上げた赤井がお京の後に伴って縁側から消えると、和奈は改めて手にした刀に眼をやる。

「とりあえずは、刀と向き合う事からか」

 ずっしりとした刀の重さが、自分の悩みの重さの様に思えた。


 赤井のためにと用意され六畳ほどの広さの部屋には、行灯と小さな机が奥の窓辺に置かれいる質素なものだった。

(やっぱ、テレビなんてないよな)

 和奈が初めてこの時代の部屋を見て違和感を覚えた時と同じく、本来あるべき物のない部屋に赤井はため息を付いた。

「あ、お京さんだったかな。ありがとうな」

「いえ。私はこちらで女中をしておりますから、何かお困りの事がありましたら遠慮なくお申し付け下さい」

「じゃあ、ちょっと聞いていいかな」

 障子を閉めかけた手が止まる。

「和太郎の事はよく知ってるの?」

 お京は困った表情を見せた。

「和太郎さんとお会いしたのは京藩邸ですので、よくとは申せません」

「そっか。その時のあいつって、どんな感じだった?」

「えっ・・・どんなと申されましても、優しい方だとしか」

「優しいねぇ」

「はい。私を助け下さいましたし」

「お京さんを助けた? またどうして」

 長州藩邸に用事で出かけ、その途中で浪人に絡まれた事をお京は俯き加減のまま口にした。

 和奈が初めて人を手に掛けたのは、恐らくそれだろうと赤井は考えた。

「それでは、私はこれで」

 そっと障子を閉めたお京の足音が廊下の向こうに消えて行く。

「人を・・・斬った」

 振り払った刀から地面に飛び散った血を思い出した赤井は身震いを覚え、腕をさすった。

 ここは幕末。

 坂本龍馬や桂小五郎という著名人が、実写映画のように動き回っている世界。人と人が斬り合う動乱の時代。

 そんな所に残ると、和奈は言った。好んで動乱に巻き込まれようとしている気が知れなかった。

「馬鹿かあいつは」

 一人になった部屋で誰に気兼ねする事もないと、体を大の字に広げた赤井は、天井を見つめ今後の事を考え始めた。

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