愛の夢
掲載日:2010/11/04
ーー暗い。何も見えない暗闇。
でも、心は暖かい…。大好きな、大切な人のココロがあるから。
貴方が私を呼ぶ声はキコエナイけれど、触れた指先から、ちゃんと伝わっているよ。
『愛してる』ーーーって。
泣かないで、愛しい人。
私は、とても幸せだったの。
貴方が泣いていると、私も悲しい…。
あぁ。
最後に貴方に伝えたい。
私もーーー
「優夜、…私も、愛して、る…」
言えた、伝えることが、できた。
大切な貴方に…。
貴方の声、聞きたかったな、最後に…。
あ…。
貴方が私を抱きしめてくれている。
私も、その大きな背中を、抱きしめれたらいいのに。
そんな力すら、今の私には無いんだ…。
未練は、残したくないな。
このまま逝けれなかったら、貴方が悲しむ。
それは、私もイヤだな…。
貴方は、優しい人だから。
最後まで、ありがとう。
私を大切にしてくれて…。
私がいなくても、悲しまないで。
ココロは、貴方と一緒だから。
「紗夜花…?」
はらはらと空から堕ちてくる雪が、彼女のような気がして、そっと名前を呼ぶ。
『ありがとう』
まるで、そう言っているかのように、綺麗で暖かい雪だった。
ある冬の、愛の夢ーーー…




