聖女だという証拠は無い。ならば作ってしまえ
短いです
「私は聖女です」
神殿に、聖女を名乗る女がやってきた。
「ほら、ここに、聖女の印があります」
女の右手の甲に謎の模様が描かれていた。
火傷の痕のような、入れ墨のような。
誰も見た事が無いので、神殿の者達は、話し合った。
どうしよう?
本当に聖女なのか?
聖女の力があるのか?
ひとまず、聖女の力を見せてもらおう。
「聖女の力を見せてください」
神殿長が言った。
「では、そこの人」
女が指差す方には、平民の女がいた。
「ごほっごほっ…」
平民の女が咳をした。
「可哀想に…」
聖女を名乗る女が近付き、平民の女に手を翳すと
「あっ!苦しいのが無くなりました!ありがとうございます!ありがとうございます!」
平民の女が感動で涙した。
「「おぉ〜!」」
本当に聖女だったのだと思い、神殿長は、応接室へ連れていき、今後を話し合う事にした。
紅茶とお菓子が用意された。
そこへ、聖女がやってきた。
「どうしました?」
「聖女様!新しい聖女様が現れました」
「新しい聖女?」
「こちらの方です」
神殿長が振り向く。
「聖女の印をお持ちだとか」
「聖女の印?」
「はい、これが聖女の証拠です」
聖女を名乗る女が、手の甲を見せた。
「それは偽物です」
聖女が言った。
「「「は!?」」」
「本当の聖女の証拠は、何でも吸い込むことです」
聖女が冷静に言った。
「え?」
皆が戸惑う。
…何でも吸い込む…とは?
「どうぞ。証拠を見せてください」
聖女は女に向かって言った。
「え?いや…」
女が戸惑っている。
「聖女なんでしょ?」
「そうだけど、そんなのが聖女の証拠なわけない!」
女が反論した。
「残念ですが、本当です。余りにも恥ずかしいから、歴代の聖女は、何も言わなかったのです。だから、今まで聖女の証拠が分からなかったのです」
「ならあんたは?」
「勿論」
聖女は、目の前のティーセットを吸い込んだ。
紅茶が入ったカップと受け皿を同時に。
ついでに、皿に乗ったお菓子も皿ごと吸い込んだ。
周りの人々は、呆然としている。
「ほら、貴女も本物の聖女なら、やってみて」
平然と言い放つ聖女。
「えっ…」
「聖女の力を使うと、お腹がすくのよね…絶えずそこら辺にある物を吸い込まないと、動けないのよ」
言いながら、テーブルを吸い込んだ。
「だから、部屋にお菓子が山盛りにあるのよ」
側仕えが、ちょうど大量のお菓子を持ってきたので、一気に吸い込んだ。
メイドが、追加の皿を出す。
それも吸い込んだ。
「それで?」
聖女が、聖女を名乗る女に言った。
「誰が聖女だって?」
女は怯えて
「すみませんでした…勘違いでした…」
「聖女を名乗ったんだから、牢行きよ」
聖女の護衛騎士が、女を拘束した。
「で…ですが、先ほど平民の女を治癒しました」
神殿長が目を丸くした。
「あれは…お金を渡して演技してもらったのよ…」
「では、聖女の印は?」
「入れ墨よ!聖女っぽいでしょ!」
逃げようと藻掻く、聖女を名乗る女。
「聖女と偽った罪で投獄ですね」
「いや〜!!」
女は投獄された。
聖女はカー◯ィだった
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