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摩訶不思議食堂のほっこり飯

大塚一歩の遅すぎたほっこり飯

作者:修羅観音
最新エピソード掲載日:2026/03/07
バイク乗りの土方、大塚一歩(27歳)の日常は、夜の京都で突如として崩れ去った。爆走する燃える片輪の牛車「方輪車」と、凄まじい速度で改造ショッピングカートを駆る「ターボばあちゃん」という異形の存在に遭遇した一歩は、訳も分からぬまま彼女たちの「走り」に巻き込まれていく。その途上、賑やかで破天荒な少女「えらいこっちゃ嬢」に促されるまま、一歩は妖怪「小豆洗い」へと荷物を届けるという奇妙な任務を完遂した。

狂乱の爆走劇が一段落すると、夜の街は一転して静寂に包まれる。一行は緩やかな足取りで、闇の中に温かな提灯の光を放つ一軒の料理屋を目指した。そこに掲げられていたのは「摩訶不思議食堂」という看板。手入れの行き届いた美しい木造の建物へと、方輪車の牛車とターボばあちゃんのカートが、最新のスポーツカー顔負けの鮮やかなハンドル捌きでバック駐車を決めていく。その常識外れの光景に、「バックできるんかよ」と呆れ果てる一歩だったが、逃げ場のない流れの中で店の暖簾を潜ることになる。

店内では、ミドリ色の肌と尖った耳を持ち、割烹着を清廉に着こなす美しき女性・凜華が温かな笑顔で一行を迎え入れた。混乱が収まらないまま、吸い寄せられるようにカウンター席へ腰を下ろした一歩の前に、ぬうっと姿を現したのは、慈愛に満ちた笑顔を浮かべる巨大な石像――「地蔵店長」だった。店長が放つ不思議な威厳と穏やかな空気に押され、一歩は反射的に「大塚一歩」と自ら名乗ってしまう。

妖怪、地蔵、そして謎の美女。異形の者たちが集うこの奇妙な食堂で、一歩は自らの人生を根底から揺るがす「お値段鑑定」と、自身が犯し、そしてコロッと忘れ去っていた凄惨な過去の記憶に向き合うことになる。物語の舞台は、この「摩訶不思議食堂」へと移り、一歩の魂の価値を問う、長く切ない夜が深まっていく。
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