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第6話 未来を告げる予言


ユージンの研究室で、千絵美は彼が用意した報告書を読み込んでいた。それは、彼の予知能力が捉えた、この国に今後起こりうる災厄の記録だった。


「……信じられない。こんなことが本当に起こるの?」


報告書には、過去に起きた小さな火災事故から、数ヶ月後に発生するであろう大地震、そして、未来の国王暗殺計画まで、信じられないほど詳細な情報が記されていた。


「私の予知は、時系列と出来事の因果関係を視覚化する魔法だ。だが、過去を変えようとすれば、未来はさらに悪い方向へと歪んでしまう」


ユージンは静かにそう語った。彼の言葉には、過去の失敗による深い後悔が滲み出ている。


「だから、君が必要なんだ。君は『未来』に囚われていない。君の自由な発想と、現代の知識こそが、この世界を救う鍵となる」

「私の知識が、この世界の未来を変えられる?」

「ああ。例えば、この報告書にある『大地震』は、この地の地脈の乱れが原因だと予知している。だが、君の知識があれば、地脈の乱れがどのような地質学的変化を引き起こすか、もっと具体的な手がかりを得られるはずだ」


ユージンの言葉に、千絵美の探偵としての心がざわめいた。それは、単なる事件の謎解きではない。世界の未来をかけた、壮大なスケールの謎解きだった。



─────


二人の最初の任務は、報告書にある「過去に起きた火災事故」の再調査だった。


ユージンは魔法で当時の現場の様子を再現し、千絵美は現代の科学捜査の知識を使って原因を突き止める。


「ユージン。この火災は、ただの事故じゃないわ。引火性の高い特定の薬品が使われてる。そして、この薬品の成分……」


千絵美は、ユージンが魔法で再現した現場の匂いを嗅ぎ、推理を重ねる。その薬品は、ユージンの予知では確認されていないものだった。


「その薬品は、この国では流通していない。…どこから入手した?」

「おそらく、別の国から密輸されたものよ。この事件は、もっと大きな陰謀の一部に違いない」


千絵美の推理は、ユージンの予知をも超えるものだった。彼の予知は、あくまで「起こりうる事実」を映し出すだけ。しかし、千絵美は「なぜそれが起きたのか」という原因に迫ることができた。

ユージンは、彼女の鋭い推理に、初めて心の底から驚いているようだった。


「ユージン、予知にある次の災厄は何?」


千絵美の問いに、ユージンは静かに告げた。

「次の災厄は、『王宮に仕える高官の毒殺』だ」

その言葉を聞いた千絵美の胸に、新たな使命感が燃え上がった。


探偵JKは今、単なるスパイではなく、この世界の未来を救うための「未来予言探偵」として、新たな物語を歩み始める。



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