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りく君は、魔物に恋する

俺は、シャワーから出ると、りんが居ない事に気がつく。


あれ、おっかしいなぁ、何処行ったんだろ?


俺は、サッサっとタオルで髪の毛を拭きながら、


すっと部屋の奥をみると


テーブルの上には、手紙が山のように置いてある。


ウゲェー、とちょっと引き気味の俺。


その手紙の中には、とても汚い字で「さ、よ、う、な、ら」とそう書かれていた。


りん!!!


慌てる俺は、ゴミ箱を倒し、壁にぶつかりながらも、


玄関の扉を、ガチャと勢いよく開ける。


すると、ドキッ、


上目遣いの、りんが目の前に立っている。


りんは、目から涙をスっーと流して、泣いている。


俺は、りんの、その泣き顔、美しさに思わず、


ドキッ、


りんは泣きながら、


りく君、実は、私が人間界に居られるのは、今日の夜中12時までなの。


なーんてね。


そう言ったら、ど、う、す、る?


しかし、暗い表情のままのりん。


俺は、真剣にりんを観る。


するとりんは、また泣き出す。


俺は、とても、とてもくしゃくしゃの汚い泣き顔で、


俺、りんと離れたくないよぉー!!


そう本音が思わず出る。


すると、りんがゆっくり、優しく俺に、抱きつく。


まるで赤ん坊を抱っこするみたいに。


そして背中をポンポン、頭を撫でてくれる、りん。


すると、一言。


私達、結婚、す、る、ん、でしょう?


俺は、溢れでる涙が止まらない。


俺は、りんと最後を共にする。


夜中の11時55分、りんと初めて出会った場所。


りんの姿が薄くなっている。


りく君、最後にKissしてくれるよね?


うん。


りんは、スっーと背伸びをして、俺に最初で最後のKissをする。


Kissが終わると。

りんは、上目遣いで恥ずかしそうに俺の顔をずっと見続ける。


りん!!

俺、また、りんのもとへ、


必ず、必ず、会いに行くからね、


きっときっと行くからね。


きっときっと、会いに行くからね。


すると、りんの姿がスっと消えてゆく。


りんは、最後に笑みを残して、消えてしまった。


つづく


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