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3-2 下船と宿決め

二日酔いツライ……(´Д⊂ヽ

「ぅぅ……ぅぅぅぅ……――」


 ぐったりと(そら)に釣られながら、ライカが亡霊のように(うめ)いている。


「オィオィ、大丈夫かよー。

 その顔色は、さすがに死ぬんじゃねえかぁ?

 ――なぁ、ヘティトに診させようぜ??」


 軽口と悪態に優しさが一滴混ざっている声音である。

 だがアーネストはきっぱり断る。


「ああ、大丈夫です。

 今回の危険度はレベル2なので、薬と水と睡眠で治りますよ」


 アーネストが、ライカを魔術で吊りながら、税関へと向かう。


「とりあえず、上陸税払って宿を決めましょう。

 ライカ様を寝かせて、仕事のお話ってことで」


「……………」


 ――――セルケトは、初めてアーネストのブレの無さに戦慄を覚えた。


「……姉さま、まだ連れ歩く気でございますか?」


「おうヘティト、おめぇは反対かよ??」


 皮肉に笑って、セルケトが質問で返す。

 その応答に、ヘティトの(ほほ)がぷくりと(ふく)れた。


「超反対でございます」


「そーかぁ? この4人って結構バランスよくて、良いと思うだけどなー」


「超反対でございます」


「明確に攻撃力は増えるし、ライカも犬ッコロも見てると意外と面白いぞ??」


 こっくり深く(うなづ)いて、ヘティトが言った。


「超反対でございます」


「オーマイ、ヘティ!! あっはっは、頑固だなぁ!!」


 呵々(かか)と笑ってセルケトが歩き出す。


「姉さま」


「超反対は分かったよ。

 とりあえず宿ってとこまでは良いだろ?


 早く飯()おーぜ? 腹減っちまったよ」


 朝のオスター港の賑わいは、王国一と(うた)われるが、今日も新鮮な魚介料理の臭いが、桟橋にまで漂ってきている。


「……っもう、姉さま」


 ヘティトは(ほほ)(ふく)らませたが、自身も空腹を覚え、後に続いた。


「――牡蠣(かき)食べたいな…………」


★☆★☆★☆★☆★☆★☆


「ぅぅ……ァーニィ……ムグッ!!


 ゼエ、ハア……。

 私はぁ……勝ったのだ…ぁ…」


 宿のベッドに寝転げながら、ヒョロヒョロと右拳を上げるライカ。


「代償は大きゅうございましたね」


 完全に自業自得なので、アーネストが冷たく突き放す。

 だが同時に従者としてのムーブは完璧で、薬や水や濡れナプキン、吐き戻した時用の準備など余念がない。


「お、おぉ…ぉおきな……勝利だ……」


「おめでとうございます。

 ライカ様。それはそうとセルケト様から仕事の打診が来ています。


 食事がてら、聞いてみようかと思うのですが、如何なさいますか?」


「…………あたまいたい」


「わかりました。しばらくお休みください。僕が代わりに聞いてまいります」

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