3-2 下船と宿決め
二日酔いツライ……(´Д⊂ヽ
「ぅぅ……ぅぅぅぅ……――」
ぐったりと宙に釣られながら、ライカが亡霊のように呻いている。
「オィオィ、大丈夫かよー。
その顔色は、さすがに死ぬんじゃねえかぁ?
――なぁ、ヘティトに診させようぜ??」
軽口と悪態に優しさが一滴混ざっている声音である。
だがアーネストはきっぱり断る。
「ああ、大丈夫です。
今回の危険度はレベル2なので、薬と水と睡眠で治りますよ」
アーネストが、ライカを魔術で吊りながら、税関へと向かう。
「とりあえず、上陸税払って宿を決めましょう。
ライカ様を寝かせて、仕事のお話ってことで」
「……………」
――――セルケトは、初めてアーネストのブレの無さに戦慄を覚えた。
「……姉さま、まだ連れ歩く気でございますか?」
「おうヘティト、おめぇは反対かよ??」
皮肉に笑って、セルケトが質問で返す。
その応答に、ヘティトの頬がぷくりと膨れた。
「超反対でございます」
「そーかぁ? この4人って結構バランスよくて、良いと思うだけどなー」
「超反対でございます」
「明確に攻撃力は増えるし、ライカも犬ッコロも見てると意外と面白いぞ??」
こっくり深く頷いて、ヘティトが言った。
「超反対でございます」
「オーマイ、ヘティ!! あっはっは、頑固だなぁ!!」
呵々と笑ってセルケトが歩き出す。
「姉さま」
「超反対は分かったよ。
とりあえず宿ってとこまでは良いだろ?
早く飯食おーぜ? 腹減っちまったよ」
朝のオスター港の賑わいは、王国一と謳われるが、今日も新鮮な魚介料理の臭いが、桟橋にまで漂ってきている。
「……っもう、姉さま」
ヘティトは頬を膨らませたが、自身も空腹を覚え、後に続いた。
「――牡蠣食べたいな…………」
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「ぅぅ……ァーニィ……ムグッ!!
ゼエ、ハア……。
私はぁ……勝ったのだ…ぁ…」
宿のベッドに寝転げながら、ヒョロヒョロと右拳を上げるライカ。
「代償は大きゅうございましたね」
完全に自業自得なので、アーネストが冷たく突き放す。
だが同時に従者としてのムーブは完璧で、薬や水や濡れナプキン、吐き戻した時用の準備など余念がない。
「お、おぉ…ぉおきな……勝利だ……」
「おめでとうございます。
ライカ様。それはそうとセルケト様から仕事の打診が来ています。
食事がてら、聞いてみようかと思うのですが、如何なさいますか?」
「…………あたまいたい」
「わかりました。しばらくお休みください。僕が代わりに聞いてまいります」




