大地の魔女と暴食R4
俺達にいつも食べ物を恵んでくれるものがいる。
その人物は魔女と名乗っていた。
大地の魔女といって、自由にたべものを作り出すことができるらしい。
毎年実りが少なくて飢えていた俺達にとっては、女神のような存在だ。
世間では魔女を悪いものだと語っているが、そうとは思えない。
俺達はよろこんで魔女の提案を受け入れた。
「私は人がおいしそうに食べ物をたべるのを、眺めることが好きなの」
大地の魔女は何も見返りを求めない。
とても素晴らしい存在だった。
そうして数年が経過したら、俺達はすっかり変わり果てていた。
暴飲暴食を繰り返した俺達は、健康をそこねて、自分で何かをする気にはなれなかったのだ。
これではまずい。
そう思って、まだ動けるわかものは魔女の庇護から離れようとした。
だが、できない。
「どうして私のものとからにげるの?」
魔女は追い付き。
俺達の言葉を聞かず、力を使い続ける。
恐怖で言葉が出ない、逆らえなかった者達はその場から逃げ出すことができなかった。
「さあ、ごはんのじかんですよ」
どうしようもなく弱い人間を愛し、微笑みながら、口に食べものを詰め込んでいった。