第一宙 第六夢 夢の宇宙アクセサリー
貓をなでなでしている祁翔は、橫をちらっと見たとき、橫に置かれている宇宙の歴という本が以前とはちょっと違うことに気づきました。
以前は細部には絵が描かれていましたが、他の部分は白色でした。
しかし、今目の前にある宇宙の歴の表紙は紫色の銀河が輝いており、さらに精巧な五芒星の立體図まであり、祁翔は思わず手に取って見入ってしまいました。
「偽物がこんなに美しいなんて？認証後はこんな感じなのか、素晴らしい！」と祁翔はつい感嘆しました。
宇宙の歴は本當に素晴らしい夢の書だと。
宇宙の歴を見入っていた祁翔は、耳にかすかな音が聞こえるように感じました。
誰かが彼を呼んでいるような気がして、祁翔は心の中で「まずい！もしかして目を覚ますことになるのか？」と思いました。
次回は同じような夢を見ることはできないかもしれないな、と祁翔は考えました。
あの楓葉、宇宙の歴はどうすればいいのだろう。
途方に暮れていた祁翔の手に、突然本が光り出し、話し始めました。
「夢見る者よ、宇宙の歴の本物のアイデンティティを認証し、宇宙の歴を現実化する効果を実施しますか。」
祁翔はその言葉を聞いて驚き、半信半疑のまま、以前と同じように宇宙の歴に手を觸れると、紫色の光を放ち、データを読み取っているようでした。
そして、宇宙の歴は一瞬で本のページを開き、さらに次のように言いました。
「內部ページで攜帯しやすい裝飾品のスタイルと位置を選択し、選択後に宇宙の武器の外観またはオリジナルの宇宙の歴の外観効果を選択できます。」
祁翔は多種多様な裝飾品スタイルを見て、イヤリング、リング、ネックレス、ブレスレット、アンクレットなどの裝飾品オプションがありましたが、彼は一目見てネックレスを選ぶことに決めました。
「選択完了、宇宙の歴現実化機能を起動、外観は原裝効果または宇宙武効果、選んでください。」
祇翔は宇宙武効果を選びました。
その瞬間、宇宙の歴から紫色の光が放たれ、目の前に紫色の銀河の輝く杖のネックレスのようなものが現れました。
祇翔は目の前のネックレスを見つめます。
満足しているが、これは派手すぎるかもしれないと考えます。
もし本當に実現されると莊洛に見られてからちょっとからかわれるかもしれない。「いや、いや。」と祇翔はつぶやき、楓葉は頭をかしげながら彼を見つめます。
「宇宙武の名前をつけてください。」祇翔は考えます。名前まで自分で決めなければならないの？
元の名前はないのか？
そう考えていると、宇宙の歴が突然言葉を発します。
「元の名前、『紫霊の杖』、この名前をあなた、夢宙者祇翔のための専屬宇宙武の名前として認定してもよいか。」
祇翔はかなり満足そうに聞こえ、頷きます。
「はい。」
「また、宇宙の歴のネックレスを元の効果に戻してください。」祇翔はだんだんと宇宙の歴の使い方を理解し始めました。
「了解、夢宙者のこの命令を受領しました。」
その瞬間、宇宙の歴は再び紫色の光を放ち、ネックレスは宇宙の歴の縮小版の姿に変わりましたが、かなり質感があります。祇翔はそのネックレスを受け取りながら、満足そうな笑顔で首にかけ、紫色の五芒星の模様が輝きます。
楓葉は一言も発せず、喜ぶ祇翔を見つめ、彼はまだ少しズレていると思いながらも、かなり可愛いと感じます。
「楓葉、またあなたに會えるかな？」祇翔は言葉づかいを惜しむように言います。
楓葉は疑問に満ちた表情で祇翔を見つめ、彼は何を言っているのか理解しておらず、すでに認定されたので、契約が完了したと認識しています。
「うん！」と考えながらも尻尾を振って祇翔に応えます。
祇翔の顔に笑顔が現れ、すぐに目を覚ました。
「お目覚めですか？」お晝ご飯を食べそこねるところで、荘洛が祇翔を見て言いました。
祇翔は橋の時計を見てみると、11時29分、自分が3時間も寢ていたことに気づきました。
「そうだ！」祇翔は自分の胸を觸ってみると、服越しに感じる觸感から、実際に何かがあることがわかりました。
胸元に冷たいネックレスの存在を感じ取りました。
「どうしたの？」荘洛は、何かが起こったかのような表情で祇翔を見つめます。
「何…何でもない。」
彼は心の中でそれは夢じゃないはずだろう？夢の中の出來事が実際に存在すると気づき、祇翔は考え込む途中で、荘洛が彼の変わっていることに気づきました。
「何だ、胸が痛いのか？心臓がバクバクするのか？」荘洛は意地悪そうに祇翔を見つめます。
「いや…大丈夫だよ！」祇翔は突然、良くない考えが頭をよぎります。
「心臓マッサージしてあげようか？私、プロなんだよ！」荘洛は言いながら心臓マッサージの動作をしますが、祇翔はその姿を見て笑いがこみ上げます。
「それとも、絶世のイケメンが人工呼吸をしてあげるか？」荘洛は口を突き出して祇翔に近づいてきます。
祇翔は荘洛を軽く押し返し、「いらないよ！マジで。」
「ひやかし。」荘洛は祇翔の恥ずかしそうな顔を見つめ、大笑いします。
「でも……。」荘洛が言い終わるとすぐに、祇翔の胸に手を伸ばします。
「やっぱり何かあるね、いつからそのネックレスつけ始めたの？見せて見せて。」荘洛は興味津々です。
祇翔は荘洛の追及には逃れられず、これ以上見せないと終わらないとわかっています。そこで胸元からネックレスを取り出します。
荘洛は祇翔の手に持たせたネックレスを見て、「かなり綺麗だね！紫色が高級感があって五芒星模様がいいね、どこで買ったの？なんで私を誘わなかったの？」と羨ましそうに言います。
「どこで買ったか、普通の商店街だよ、次…次は連れて行ってあげるよ！」祇翔は言いながらネックレスをしまい、よかった、宇宙武モードのネックレスを選ばなくてよかった、と心の中で思います。
その時、大きな音が聞こえてきました。
祇翔は荘洛を見て、荘洛がまたお腹がすいたのだと気付きました。グーグーとお腹が鳴り続けます。
荘洛はお腹をさすり、「またお腹がすいたよ、行こう、ご飯を食べに。」と言い、祇翔を引いて外に出かけます。
道を歩いている間、祇翔は心ここにあらずで、楓葉は元気かな？アイテム宇宙空間で元気に過ごしているか心配そうな表情を浮かべます。
荘洛は祇翔の表情がおかしいことに気付き、尋ねます。「何か忘れ物したのか？一緒に取りに帰ろうか。」
「いや、大丈夫だよ。」祇翔は笑顔を裝って言います。
「笑顔が硬いな、今日はいつもより変だね！」荘洛は歩きながら、まだ攜帯を見ながら周囲の美味しい料理店を探していて、しばらく歩いた後、やっとラーメン屋に決めます。
「こんにちは、いらっしゃいませ、今日は何にしますか？」店員が親切にサービスします。
祇翔と荘洛は注文して半分ほど食べ終わると、店內でニュースが流れ始めました。
