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クイックリングちゃんドロップキック!  作者: 好きな言葉はタナボタ
第七章

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第83話 屈辱のクギナ

クギナが怒鳴った相手は4人の男性。 天心ハンター事業所の所長ミダイドコロ・カケルと、同事業所で5本の指に入るトップクラスのハンター3名だ。 クギナの叔父ゼンメイ・オニーロの指示に基づきクギナを捕らえに来たが、クギナに同行を断られたのでクギナの腕を掴んだ。 その手をクギナは振り払い、4人組を怒鳴りつけた。


手を振り払われた男が、怒りに顔を赤く染める。


「優しくしてりゃ調子に乗りやがって」


3人はコンテストの審査員として、今日この場に来ていた。 審査員の仕事だけでも面倒なのにクギナ捕獲の仕事にまで駆り出され、彼らは機嫌が悪い。


ミダイドコロ所長は心配顔。


「優しく扱え。 怪我をさせちゃいかんぞ」


別の男が手に持つカバンのジッパーを開く。 ジーッ


「コイツの出番だな」


彼がカバンからロープを取り出した。


           ◇◆◇


男が手にするロープを目にしてミツキの表情が硬くなる。 軍による拉致未遂(らちみすい)(おり)にロープで縛られかけた出来事は、未だ彼の記憶に生々しい。


「ミツキくん...」


ミツキの表情の変化を見てアリスは悟った。 ミツキが契約書にサインする気分じゃないことを。


           ◇◆◇


トップクラスのハンター3名は容易にクギナを取り押さえた。 クギナの両腕が後ろに回され、両手首にロープが回る。 そのとき―


「やめるんだ!」


トオマスだ。 トオマスは男たちに飛びかかりロープを奪おうとする。 しかしガツン。 鮮やかなカウンター・パンチを顎に食らい、トオマスは一撃で気絶した。 ナイトリングとはいえ(いま)だ若輩。 トップクラスのハンターの前では赤子扱いだ。


            ◇


「離せっ!」


クギナは両腕を後ろに回されながらも、オーク混じりの怪力で最後の抵抗。 しかし〈気〉で筋力を増した達人ハンター3人に通じるはずもなく、手首にロープが回された。 クギナが目をしばたたかせると、目に滲む涙がポロリとこぼれ落ちる。 ウゥッ。 屈辱の涙だ。


意思に反して連れ去られようとするクラスメートを為す術もなく見守るクルチア。 その背後から、男性の厳しい声がクギナ捕獲チームに投げかけられる。


「お前たち、何をしている?」


クルチアが振り向くと、そこにはサホウの姿。 サクラも一緒。 彼女の足元には水使いの水たまり。 先ほどからの騒動が暴力沙汰の様相を帯びるに及び、看過できなくなった。


           ◇◆◇


サホウの登場に、クギナ捕獲チームは顔色を変える。 チィッ、厄介な奴が。 水使いまで一緒とは。 コミカグラ・サホウとサクラノヒメの顔を知らぬ者はハンター業界に無く、その強さには達人ハンター3人も及ばない。 なにしろサホウは予選を勝ち抜き本戦に出場する戦士だ。 参考までに、天心ハンター事業所に所属する最強のハンターは予選の6回戦で敗退済み。


ミダイドコロ所長が進み出て、サホウと対峙(たいじ)する。


「コミカグラくん、邪魔をしないでもらおう。 我々は彼女の保護者の指示で動いている」


ミダイドコロはサホウと面識がある。『天心ハンター事業所』も大手事業所であり、ミツキ獲得に関する紳士協定に参加している。 もっとも代表選手が6回戦で敗退したので、『天心ハンター事業所』がミツキを獲得する可能性は既に(つい)えている。


"保護者" と聞き、サホウの表情の厳しさが和らぐ。


「どういうことです?」


「こちらのオウリン・クギナさんの叔父ゼンメイ・オニーロ殿が、彼女を家に連れ戻したがっているのだ」

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