第37話 トオマスの恩返し
装甲バスにクルチアたちが乗る順番が来た。 でも6人乗りのバスに既に3人が乗っていて、クルチアたち4人が一緒に乗れない。 だから、次のバスに乗ることにした。
すぐに次のバスが来て、クルチアたちは乗り込んだ。 トオマスとクギナの武具が1人分の座席を占めるので、残りの席はあと1つ。
ところが都合が悪いことに、クルチアらの次は乗客は2人組。 男性2人は、このバスにあと2人乗れると主張する。
「その男の子は小さいから半人ぶんのスペースで済むだろう? ちょいと詰めてくれりゃいい」
ミツキはゆったりスペースを好むので、半人分のスペースに押し込められるなど真っ平。 しかし、車内は2人組の要求を受け入れる方向へ進む。
「あと2人乗るなら、その子と武具とで1人ぶんの運賃でいいよ」
運転手の言葉にクルチアは目を輝かせる。
「そうさせてもらおっか、ミツキ」
「えー」
ミツキは声と視線でクルチアに抗議するが、クルチアは心を変える兆しを見せない。 装甲バスの運賃は決して安くないのだ。
◇◆◇
結局、ミツキは座席を武具とシェアすることになった。 武具とクルチアの間の狭いスペースに押し込められ、ミツキは憤懣やるかたない。 そんな彼に同情を禁じえず、トオマスが申し出る。
「ミツキくん、よかったら僕の膝の上に来るかい?」 君に命を救われた恩を今こそ返そう。
ポンポンと自分の膝を叩くトオマスに、ミツキは小さな声で返答した。
「いいです」




