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小さな男の子が年上の幼なじみ(♀)に面倒を見てもらう話  作者: 好きな言葉はタナボタ
第八章
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第103話 スネイクリング②

20mほど駆けて、アリスは駆け足をやめた。 これだけ離れたら、もう引き止めに来ないでしょ。


「エヘ、うまくいったねミツキくん。 アタシたちだけで4匹を退治」


「オレたちだけで倒せるの?」


「じゃあ、この後の段取りを言うね。 まずミツキくんがラットリングの最後の波をKOするの。 で、スネイクリングに接近したら、ミツキくんは囮になって3匹を引き付けるの。 その間にアタシが残る1匹を倒す。 そんな感じで1匹ずつ倒しましょ」


「なんかさあ、オレの出番が多くない?」


アリスがミツキに与えた役割は、トップクラスのハンターでも2度や3度は死んでしまう過酷なもの。 並のハンターなら命が5つあっても足りない。


「気のせいでしょ」


気のせいではない。


「アリスは1匹ずつなら手斧で1人でスネイクリング倒せるの?」


「できると思う。 やったときないケド。 何かあったら助けてね」


           ◇❖◇


ほどなくしてアリスとミツキはラットリングの最後の(ウェーブ)と接触した。 数は50匹ほど。


「じゃあミツキくん、よろしくね」


キンモクセイの香りを残してミツキの姿が消え、ラットリングが全て倒れ、アリスの隣にミツキが戻ってきた。


「倒してきた」ハァハァ


ミツキは額にうっすらと汗をかいている。 数が多いので大変だった。


「ごくろーさま♡」


「スネイクリングいたよ。 アリス本当にあれを倒せるの?」


ミツキから見たスネイクリングは雲を衝くような巨体、硬さと弾力を兼ね備えていそうな黒い皮膚、強力な脚と尻尾は(みなぎ)るパワーにはち切れんばかり。 加えて剣と盾で武装。 ミツキには自分がスネイクリングを倒すイメージが思い浮かばない。 あれをアリスは倒すというのか?


ミツキの不安はアリスに伝染しない。


「なんとかなるっしょ」


          ◇❖◇❖◇


前方にスネイクリング4匹が姿を現した。 口からヘビの舌をチロチロと出し入れしながら、巨体が悠然と街道を進んで来る。 KOされて横たわる数多のラットリングが目に入っているのかいないのか? 爬虫類の無表情な顔からは判断がつかない。


アリスはミツキに指示を出す。


「右端のと戦うから、ミツキくんは左の3匹を引き付けて。 毒を吐くから気を付けてね」


「どうやって引き付けんの?」


「適当に近くをウロウロしてればいいよ。 もっと自分に自信を持とう?」


スネイクリングはラットリングを丸()みにする。 ラットリングと背丈が同じミツキは手頃なサイズだ。


ミツキは曖昧に頷く。


「わかった」


アリスの言葉の意味がイマイチ分からなかった。

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