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ノオオオオム!  作者: 岩ゴロー
5/8

・・・5話

 魔法を使いぃの。

 魔力切れでやすみぃの。

 またまた魔法を使いぃの。

 そんな感じでようやく完成っと。


 ただ壁、床、天井を石にレンガしただけだけど……

 うん、意外と良い感じじゃないか?

 やっぱゴツゴツしてるだけの岩じゃ見栄えがな。

 まぁまだ家具とかは椅子とテーブルしかないから質素だけど。

 ああでも、家具といっても何を置けば……。

 基本的に前世で必要だった物はいらない。

 冷蔵庫も、洗濯機とかも。

 何せこの服、全く匂ってこないんだもん。

 特殊な素材で出来てるのか?

 あ、いや待てよ。

 そういえばゴブリンを倒した時も匂いを感じなかったな。

 てことは問題は俺にあるのか!

 匂いを感じないとか………。



「まあ良いか。それよりやる事も終わったから、また探索にでもいくかな?」



 他に美味しい石でも見つけられるかもだし。

 ……っと、お?



「おっとっと。ここの床、石レンガにするの忘れてた……あ」



 しまった。

 間違えて違うところに魔法使っちゃった。

 ここだけ無駄にボコってなってる。

 さっさと直して………待てよ。

 ……これってもしかして。



「ええっと。石を掘るから………出来た! ツルハシ……! ほいっ!」



 うん、やっぱり。

 魔法を使って石を削るより、物理で破壊した方が楽。

 筋力とかが上がってるからか?

 やはり筋肉! 筋肉は全てを解決する!

 それに魔力を節約できるから次からはこうしよう。


 それじゃあこれで完璧。

 同じみ石の盾と、気に入ったからハンマー。

 考えてみればハンマーって高性能だよな。

 剣と違って研ぎ直す必要がない。

 適当にぶん回せばいい。

 投げても良いときた。

 もしかしてハンマーが全ての武器の頂点に立っているのか?



「あ、でもストレングスが高くないと難しいか。だから俺と相性がいいのかも?」



 ま、考え事はここまでにして。

 いざ、出発!



 その後俺は2度目の洞窟探索をした。

 結果としては、俺の脳内地図が広がっただけだった。

 歩けど歩けどずっと同じ景色。

 モンスターとエンカウントする事もなく平和。

 言ってしまえば退屈だった。

 ワクワクドキドキの冒険はどこへやら。

 というか、あのゴブリンたちはどこから来たんだ?

 住処はどこにも無かったけど。



「だぁぁ。これなら拠点拡張でもすれば良かった……」



 あんまり意味のない時間だったな。

 でも疲れてないから良いか。

 本当、体力無限だなこの体。

 そこはありがたい。

 魔法使うとすぐバテるけどな。



「…………うんんん」



 やっぱり、何かおかしいな。

 昨日、いやその前から感じてたけど……。

 違和感。

 嫌な感じじゃないんだけどね。

 でも正体不明だとモヤモヤが……。

 近くに何かいる気がするんだよね。


 ………………。


 でも万が一危険があったら危ない。

 そう、危険は危ないからな。

 ここは間違いであっても言わねばなるまい!



「スゥゥゥ………ノノーム・ノ・ノムタニアがギ○スの力を持って命じる! 姿を現せ!」



 ノノーム………もうちょっと違うのにすれば良かった。

 それに誰も出てこないし………。

 や、やめろ!

 正気に戻るな俺!

 ふぅ……危ない危ない。

 もう少しで聖なる光、()()()()()()()に焼き貫かれるところだった。



「き、気のせいだった……………か」



 え、なんかいる。

 ちっこい岩が、動いてる。



「………ふ、フハハハ! やはりな! いると思ったんだ………」



 どこから見らていた!

 このまま演技し続けるか?

 いやいやそれだと俺の心……もとい()()()()()()が耐えられない。



「こほん………それにしても何だこいつは?」



 本当にちっこいな。

 俺の手のひらサイズ。

 それにやっぱり、石で出来てる。

 ゴーレムっぽい?

 いやゴーレムはこんな小さくないだろ。

 もっとこう、遺跡の番人!

 みたいな感じで……。



「……ツンツン」



 あ、ちょっと嫌がってる。


 むぅぅ、これはファンタジー。

 種族はゴーレム(仮)としておいて。

 こいつは何でここに?

 気配からしてずっと俺を見てたよな?

 まさかストーカー。

 異世界にもいるのか。

 しかも石の………。

 まあ良いか。

 害は無さそうだし、放っておいても。



「そういえばこいつ何処に隠れてたんだ? ちっこいから見逃してたのか?」



 それかそういう魔法でもあるのか。

 いずれにせよいなくなったら探すの面倒だ。



「ほら、お前はこっちにいろ」



 テーブルの上なら見失わないだろ。

 こいつがじっとしてるとは限らないけどさ。


 ………腹減ってきたな。

 石ころ食うか。

 はぁ、美味しいは美味しいけど、もっと食卓に彩が欲しい。



「パクパク………うん、どうした?」



 こいつ、俺の方をじっと見てる。

 ………あ、そうか!

 もしかしてこいつも。



「ほら、これ食うか?」



 お、取った取った。

 こいつもお腹が空いて……あれ?

 今なんか手の力が抜けて……。

 ま、まさかこいつ、俺の魔力を吸ったのか?



「………渡した石は食べない」



 えぇ、魔力を食うのかよ。

 めんどくさいな。

 体感は微々たるものだけど、あんまり吸われたくは……。



「……でも何か、可愛く思えてきたな」



 ちっこいからか、それとも仲良くしてるからか。

 まぁ何かペットみたいだしな。

 ……………。



「ぃよし! お前を俺のペットに……いや、使い魔にしよう! その身とその力を持って我の助けとなるがいい………そうだな名前は……………英語の石でロック、いやいやいや」



 ううむ。

 どうしようか。

 石、石、石。

 あ、そうだ。



「お前の名前はラピス。ラピスだ………! ラテン語で石って意味だから、まあ適当だけど……」

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