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俺の魔力と能力が噛み合いすぎてて無双ゲーが始まりました

俺……転生します!


俺の名前は鈴木指揮(すずきたくと)普通の高校生だ、いや正確には「だった」。


要は……ある日突然死んでしまったのだ。


とにかく死んでしまった俺だが、いわゆる死後の世界的な場所が目の前には広がっていた。


「おいおい、これって例のパターン来るのか??」


これは、あれだ、いわゆる転生できるパターンなのではと、期待で胸が膨らむ。すると、うしろから透き通るような声が聞こえた。


「あなたが鈴木指揮様ですね」


キターーーーーー


「はい!はい!そうです私めが鈴木指揮でございます」


くるりと振り返ると、そこには腰まである青い髪、目は空のように澄んだ藍色の超絶美少女が立っていた。


「申し遅れました私は、神の柱の一人ディアナ。死後の世界の管理などを行っています、お話がありますのでとりあえずお座りください」


ディアナと名乗る女神は言い終わると手を仰いだ、するとどこからともなく椅子が現れる。


「この度はお亡くなりになられたこと、心からお悔やみ申し上げます」


深々と頭をさげる女神様、なんだか携帯会社の人っぽいな……


「あの~女神様?俺、死んだんだよね?」


「はい、左様です」


「え~と、死因は?」


「少々お待ちを……」


そう言うとおもむろに空中を指でなぞる、しぐさが某タブレットっぽくてますます携帯会社の人のようだ。


「指揮様は通学中、植物を育てる容器が頭部に直撃したことが死因のようですね」


「俺の死因ダッサ―――!」


思わずツッコミをいれてしまう、自分が死んだ瞬間の記憶など当然ないが、これはあまりにもひどすぎる。


「えぇ……ですので私からご提案なのですが」


ややひきつった笑みを浮かべながらディアナは続けた。


「今後、指揮様は別世界の転生が確約されていますが、その際にこちらからオプションを追加させていただこうと考えております」


オプションって……もうこれは携帯会社ならぬ転生会社なのか?


「え~とそれって例えばなんかすごい才能が手に入るとかっすか?」


「簡単に言うとそのような感じでございます」


「ちなみにどんなものが?」


「はい!こちらになります」


ディアナは慣れた手つきで指を動かすと、空中にパソコンのウインドウの様なものが現れた。


「いくつかのプランがございますが、どれに致しますか?」


提示されたプランは転生の仕方や転生後の能力などが細かく設定されていた。とはいえ、細かすぎて読むのが億劫になってきた。


「あの~すみません、ちょっとわからなくなってきたんで、お任せでいいっすか」


「お任せですか?よろしいのですか?」


驚いた顔で尋ねるディアナに、俺はこう伝えた。


「一番いいのを頼む」


一度は言ってみたかった台詞。伝えた相手も神様だし完璧なタイミングだろう。


「い、一番でございますね……でしたらこのプランなどはいかがでしょうか?」


目の前にウインドウが現れる。


「どれどれ……」





目を開けると俺は草原のど真ん中に立っていた。どうやら転生は無事終わったようだ。


「えーとたしか最初にこれを見るんだよな」


懐から冊子を取り出す、ディアナに渡されたそれは「初めての転生ガイド」である。とりあえず目を通しておこう。


情報をまとめると

   ・現在の俺は年齢も記憶もそのまま引き継がれる「前世保存プラン」であること。

   ・追加のオプションは二点、一点目はステータスの内、一種が最大値になっていること。

   ・もう一点は特殊な能力「タレント」が二つ付与されること。

   ・またサービスとして言語はすでに習得済みになっていること。


「なるほどね~とりあえずステータスを確認してみるか」


ガイドに従って自分のステータスを確認すべく手順を踏む。すると、自分の視界にディアナが出していたようなウインドウが表示された。


そこには名前の他に身体的な情報、そして数値化された能力が表示されていた。生命力や筋力などの項目の数値を確認していく。


「う~ん軒並みなんか普通っぽいぞ、大丈夫か……」


不安になりながら目を通していくと、

            【魔力】999


「よっし!」

思わずガッツポーズを取る。これでこの世界に魔法があることも証明されたのだ。それに魔力なんてきっと有用に違いない。


「続いてタレント、タレントっと」


指でなぞるとタレント欄が表れた。

    【タレント】・術式加算(スペルブースト)             

           行使した魔術を自身の魔力依存で性能を加算できる。

          ・術式模倣(スペルコピー)

           自身の目視した魔術を即座に使用できるようになる。


「これ強くね!!」


完璧じゃないか!さっきの魔力999ともシナジーあるしこれは至れりつくせりだ!


「とりあえずここにいても仕方ないし、人のいるところへ向かわなきゃな」


あたりを見回すと少し離れた場所に町らしきものが見える。距離はあるだろうが今後の計画も考えなければならないしちょうどいいか。

歩きながら考える。とりあえずこの高い魔力とインチキタレントを使った魔法職が妥当だろう。異世界ラノベよろしく冒険者ギルドなんてものがあればいいんだけど。


そうこうしている間に町の入り口についた、近づくまでは分からなかったがこの町かなり大きいようだ。とりあえず情報がわからない以上動けないので町の人に聞いてみる。


「あのすみません、この町に冒険者が集まる場所はありますか?」


手近な露天商の店主に尋ねる。恰幅のよい店主は訝しげに答える。


「あんた、ずいぶん変な格好をしてるな……」


言われて初めて気が付いたのだが、俺は高校の制服のままだった、確かにファンタジーな世界には合わないよな。


「冒険者が集まるなら、国営の冒険者組合の本部が中心地にあるよ。ここをまっすぐ進んだところさ」

店主は開けた道を指さす。しかし気になった点はそこではない。

「国営……?ここは国なのか?」

町にしては大きいとは思ったが、まさか国だったとは……

「あんた、そんなことも知らないのかい?とんだ田舎もんだな!」

「悪かったな……で、何て名前なんだ、この国」

「モーテリス国だよ、平和でいい国さ!ところであんた冒険者になるってんならかなり腕に自信があるんだな?」

「そうだよ、魔法職としては人一倍働けるつもりだぜ!」

すごんではみたが、俺の術式模倣はまだ使っていない。つまり俺はまだ魔法を一度も見ていないのだ。よって俺はまだ魔法を一つも持っていない。


「えらい自信だな。だったらここ行ってみたらどうだ?」

店主は壁に貼ってあるチラシを指さす。日本語ではないがオプションの効果で読める文面にはこうあった


『王国の専属魔導士募集!君の魔法を王国は必要としている!まずは君の力を見せてくれ!』


そこには求人情報のような募集が書かれていた。試験場所や時間などもある。しかも今日だった。

これは好都合だ。ここに行けばいろいろな魔法が見れるに違いない。


「おっさん、ありがと!俺行ってくるよ!」




人に道を聞きながら所定の会場に着くと、ちょうど始まるところだった。


「すみません!まだ間に合います?」

「なんだ貴様、志願者か?」

「はい!鈴木指揮です!お願いします!」

「ふん、遅刻とはいい度胸だ。まぁいい、入れ!」


受付に悪態をつかれながらも番号の書かれた札を受け取り会場に入る。人数はざっと20名ほどだろうか。


「ではこれから君たちにはいくつかの魔法使ってもらう、まず初めに火弾《ファイアボール》だ」


試験官はそう言いながら手を案山子に向けた。ぶつぶつ何かをつぶやくと手からバレーボール大の火球が現れ、射出された火球は瞬く間に案山子を炎上させた。

その瞬間だった、明らかに体に何かが走る。ステータス画面を覗くと空だったスキル欄に「火弾」と記されていた。これが術式模倣の力か……


「では、一番のものから、あの案山子めがけて魔法を使いたまえ!」


こうして試験がスタートした。受験者が続々と魔法で案山子を炎上させていく。やはり個人個人で「火弾」の威力にはばらつきがあるようだ。


「次!23番」

「はい」


自分の番だ、手を案山子に向け意識を集中させる。頭の中には詠唱呪文が既知のものとして浮かび上がる。そしてここでもう一つの術式加算も使う。意識の中のダイヤルのようなものを最大に合わせ、そうして俺は詠唱を始めた。

すると自分の身長の優に二倍もある巨大な火球が現れた。俺はこのままではまずいと狙いをそらす。直感でわかる、これは()()()()()()()()()()()()()()()()だ。視線を上に向けるとカラスが飛んでいた。カラスくんには申し訳ないが空ならば!

火球を放つ、凄まじい速度で射出されたそれは一瞬で見えなくなった。同時に反動で俺の体も吹っ飛ぶ。


「痛って~~!!」


強かに腰を打った。右腕も小刻みに震えている。威力の調節は課題かもしれない。明らかに強すぎる。


「に、23番。い、今のは何だ……?」


試験官は明らかに動揺していた。他の受験者も一様に動揺しているようだった。ここは長らく使いたかったあの台詞の出番が来たようだ。俺は万感の思いを込めてこう言い放った。


「あの~俺、何かしちゃいましたか?」


決まった。なろう系と言えばこれだ。無論俺自身もこんな威力が出るとは思ってなかったけど、とりあえず言ったもの勝ちだ。


「私は、「火弾」を唱えろといったのだ!お前のそれは「火砲(ファイアキャノン)」だ!」


試験官の叱責が飛んできた。火砲がなんだか知らんが、どうやら上位の魔法か何かと勘違いしているらしい。


「いや、俺は「火砲」は使えません!今のは俺の「火弾」です!」

「そんな馬鹿なことがあるか!歴戦の魔導士といえどあんな「火弾」は撃てんぞ!」


まずい。なんだか嘘つきのレッテルを張られているようだ。証明のしようもないぞ。


「其方、それは本当かねぇ」

「お、王女!視察にいらしていたのですか!?」


試験官は突如として現れた王女に罰の悪そうな顔を浮かべ押し黙る。俺もその王女とやらに目を向けた。

そこに立っていたのは肩にかかる銀髪をたなびかせ、偉そうに仁王立ちするちんまりとした少女だった。え?ほんとに王女??


「其方、どうした、呆けた顔をして。質問に答えよ」


どうやら俺に聞いているらしい。


「本当です。嘘はついてません!」

「ふむ、なるほど……其方、我が王国の魔導士にならんか?」


不意の提案だった。魔導士?しかも国の?断る道理はなさそうだ。


「いいよ。やろう!」

「貴様、王女に向かって何という口の利き方だ!」

「よい、ますます気に入ったわ」


王女が近衛兵をなだめ、近づいてくる。


「名を聞かせてもらおうか」

「鈴木指揮だ」

「スズキ……変な名だな、タクトでよいか?」

「いいよ王女様、そういえば名前は」

「我が名を知らぬのか!?我が名はシアン・モーテリス。この国の姫じゃ!」

「シアン様??とりあえず魔導士やらせてください!」

「シアンでよい。我が見込んだ才能必ず役立てよ」


こうして俺はモーテリス王国の専属魔導士になりました。お父さん、お母さん。俺、とりあえず魔導士になりました。



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