5・子供誘拐編①
入学式の翌日の朝、鷹人から冬弥に電話がかかってきた。
「もしもし、どうした?こんな朝っぱらから」
「俺の食料の買い出し付き合ってくれないか?ほら、俺も一人暮らしだしさ」
「分かった。その代わりジュース奢れよ!んで何時にどこに行けばいい?」
「分かった、奢ってやるよ!円月中央公園の噴水前に十時でどう、来れるか?」
「こっから電車の駅数も離れてないしね、行けるぞ!今八時だしな」
(そういえば、円月中央公園の噴水前か子供の誘拐あったとこだよな俺が捕まえた犯人どうなったんだろ…)
「おう!あとな、冬弥お前に言わないといけないことあるから、とりあえず会った時に話すわ。んじゃまた後でな〜」
「あーい」
電話が終わると、冬弥は服を着替え、歯を磨き、洗顔をして、朝食をとった後、九時三十分頃に家を出た。
<円月中央鉄道>円月市の中央を走る円月市最大の鉄道である。
<円月中央鉄道/円月南駅>冬弥の家の最寄り駅だ。駅に着くと改札を抜け、ホームの椅子に座って電車を待った。
数分後、駅のアナウンスが流れる。
「まもなく、二番線に到着の電車は各駅停車、円月市役所行きです。途中の停車駅は円月市役所までの各駅です。危ないですから黄色の点字ブロックまでお下がりください!」
冬弥は椅子から立ち上がり、点字ブロックの前に立った。するとすぐ電車が来て電車に乗り込んだ。
ドアが閉まる。電車が走り出すと車内アナウンスが流れた。
「今日も円月中央鉄道をご利用いただきありがとうございます。次は円月南西駅〜円月南西駅〜」
まもなくすると次の駅に着き開いたそれをこの後2回繰り返し、
「次は中央公園前〜中央公園前〜円月中央公園前です」
この駅で降りて待ち合わせの噴水前まで行く。噴水前に着くと鷹人はもう着いていて、「こっち、こっち〜」と言わんばかりに冬弥に手を振っていた。
作者の都合により1日投稿日がズレたことをお詫び申し上げます。次回は12月18日土曜日の21時に更新します。