4・創部編
「私の名前は笹垣涼香このクラスの担任だ!これから一年間よろしく!」
担任が自己紹介をすると出席確認、諸連絡が終わりHRが終わりかけた時鷹人が冬弥に話しかける。
「なぁ残るのだるいんだけど、逃げていいと思う?早く帰りーてーし。あとなんでお前は何も言われねーんだよ!」
と嘆いていた。
「逃げても笹垣に捕まりそうだけどなあ。あと怒られたのはお前が悪い、俺は大声で笑ってないしね」
「なるほど、まあ大丈夫でしょ!俺は逃げ切ってやるぜ!」
「まあそこまで言うなら頑張ってみろよ!」
「以上でHRを終わる。なにか質問のあるやつは残れ!これにて解散!」
HRが終わった。同時に鷹人は全力疾走で教室の出入口に向かおうと走る。しかし次の瞬間、鷹人は出入口付近で吹き飛ばされていた。
「グハッ///」
冬弥は吹き飛ばされていた鷹人に急いで駆け寄る。
「おい、しっかりしろ鷹人何があったんだ!」
「なんか出入口の前まで来て『あ、これは逃亡成功だぜ!』と思ったんだよ!そしたら横から肉塊みたいなのが来てそいつにぶっ飛ばされた!くそーー!」
「肉塊ってもうあいつしかいないじゃん!さっき言ってたデブ女」
「そうだ多分そいつだ!頼む冬弥あいつを追ってくれ!で俺の前まで連れてきてくれ!」
「おう!分かった!」
「頼んだぞぉー」
そう言い残すと鷹人は制服の襟を笹垣掴まれ教壇前に引っ張られて言った。
冬弥は急いで教室を出て探すしたが、鷹人を突き飛ばした奴は左右見渡してもいない。
「はぁはぁ…」
その後も学園中探しまくったが、見つからない。そして
「あのデブ足速すぎだろ!」
と1人で叫んだ。
(これからどうしよう、とりあいず教室戻るか)
そう思い教室の前まで来ると
「誰かー下ろしてくれーー!」
大声で鷹人が叫んでいた。冬弥は急いで教室に入ったが鷹人の姿がない。
「おーい鷹人どこだーー?」
「上だ上!天井を見てくれ!冬弥〜」
冬弥が教室の天井を見上げるとなんと鷹人が教室の天井にへばりつけられて居た。
(んーどおしたらいいんだろ助けようにも場所が高すぎるしな〜)
と思った次の瞬間教室の端にある掃除用具入れの上から女の声がした。
「おい、青野遅かったなどこ行ってた?まあいいとりあいずお前も…へばりつけられとくか!」
冬弥が女の顔を覗くとイタズラをする子供のような笑顔をしていた。どうやら女は状況を楽しでいるようだ。
(あの顔どこかで…)
「うぁーー〜ー!なんで俺までー!」
しかし、考える暇もなく鷹人と仲良く天井にへばりつけられた。
「おい、なんでお前まで笹垣にへばりつけられてんだよ!」
「え?あれやっぱ笹垣だよな。てかなんでお前はへばりつけられてんだよ!あと助けに来たやつにその態度はないだろ!」
「それはだな青野君の友達壱田くんは何度もあの後逃げようとしたんだよ!だからくっつけて置いた。で君は彼の友達なので同罪だ」
「理不尽だ!」
笹垣はとても楽しそうに話していた。
「まあ聞け不良生徒諸君別に君たちは今日から私を手伝え!」
「えーだるくない冬弥?こんなおばさんのために俺らの青春を犠牲にしないといけないんだぞ!」
「そーだよな、こんなおばさんの手伝いとかめんどくさいよな、てかなんで手伝いなのに上から目線?頭湧いてんのって感じだよな!無関係な俺までへばりつけるしいぃぃぃぃ……」
「どうした冬弥ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛…」
二人をへばりつける。力がますます強くなっていく。
「「イタイタイタイ、や、やめてください…」」
口を揃えて言った。
「おお、ほんとか良かった、良かった。断ってたら殺してたわ!あと訂正しておくが私は二十五歳だ!もう一度言うぞ二十五歳な!」
ここで冬弥と鷹人の幼なじみテレパシー発動。
(ねぇねぇ鷹人さん二十五歳っておばさんだと思わない?)
(んー意外と若い方じゃない世間的にはね、けど笹垣顔はいいと思うけどさ性格きつそう〜だから俺はおばさんだと思うね)
なんという意味不明な理屈だろうか。
(それよりさ、あいつも能力者なんだな)
(いや、それな。びっくりしたぜ)
「じゃあー下ろすぞお前ら〜」
二人は床に叩きつけられた。
「イタ///もう少し丁寧に下ろしてくれないですかね…」
「おい、笹垣痛てーんだよ…」
「文句あるのか青野?」
「い、いいえー」
「文句あるのか、壱田?あとお前呼び捨てとはいい身分だなー」
「い、いやー空耳じゃないですかー」
焦って答える。
「そうか、空耳かー空耳だといいなー」
「ハハ…」
冬弥が鷹人を見ると険しい顔で苦笑いをしていた。
その後、二人は半ば強引に笹垣の手伝いを強引にやらされることが決められ帰路についた。
「「アアアア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!」」
水分の無くなった葉っぱのようになっていた。
「まあ、やるしかないか天井の貼り付けは怖いし!」
「ダナ」
返事をした鷹人はとても疲れているような声だった。
冬弥と鷹人は家の方向が違うため、
学園前の駅の下で別れた。
「またな、まあ色々頑張ろ!」
「ああ!仕方ない」
「そういや笹垣の野郎さ『私がいつでもお前らを動かせれるように部活にする!私が顧問だ!部活の名前は適当に私が考える!』なんてこと言ってたな!」
「なにあいつマジでだるいじゃん!」
2人はそれぞれ階段を上り駅のホームに着いた。反対側から鷹人が手を振っていた。冬弥も気づいて振り返す。そのあとすぐに、駅のアナウンスが鳴り、鷹人側のホームに先に電車が停車し、発車して行った。
数分後、冬弥の方にも電車が来た。それに乗り冬弥も家に帰った。
家に着き風呂に入りながら、冬弥は考えていた。
(入学の初日から面倒なことに巻き込まれたなぁ…)
風呂から出ると、今日は散々で疲れていたため晩御飯も食べす寝た。
次回は12月12日21時に投稿します。