13・新メンバー編⑤
ハシゴをつけ終わると優奈が戻ってきた。
「では、本題に入るね。君を呼んだのには理由がある」
「なんだ?」
「一緒に私とこの円月市の闇をあばかないかい?」
「そんなに軽く言われても…」
「いや、これは本気だよ!」
「なるほど」
「で、協力してくれる?」
「いいけどさ、闇って何かあるの?」
「君、誘拐事件にたくさん遭遇してたのになぜそんなことが言えるの?」
「あれも含めて繋がりがあるのか…面白そう!」
(そういや、田中さんも言ってたな…)
今になって大事なことを思い出した。
「だけどこれはとても危険なの、死ぬかもしれないし、大怪我をするかもしれない!」
「いいよ、俺は地域問題解決部の部員だぞ!やろう」
「良かった、この誘い断ってたら君、退部させられてたと思うよ」
「え?なんで?」
「多分私の読みが正しければそのために作られた部だからだよ!」
「なるほど…」
「あともうひとつ、地域問題解決部はもうひとつある!」
「どこ?」
「月ノ丘学園」
「あー、あの月ノ丘の頂上にあるところか!」
「そこも私たちと同じ能力者が今、徐々に集められてるらしい」
「そんなにでかい問題になってたのか!」
(ただ、疑問が残る。なぜ優奈はそれを知ってて、命の危険があると言うんだろう…)
冬弥は聞いてみることにした。
「なあ、なんで危険があるって言えるんだ?」
「うーんとね…」
優奈は表情を少し曇らせた。
「私の親は二人とも警察官だったの、けどその闇を追ってる途中に殺された。しかし他殺なのにメディアはどこも報じずに事故として片付けられた。今は当時うちの母親の親友生活費とかは笹垣がくれてる」
「なるほど…」
「つまり関わると殺されるかもしれないの!そしてねその事件を追ってて残っている人はあと四人しか居ない!」
「待って、元は何人いたの?」
「元は七人。で、現在残っているのが私たちの担任兼異能力課の副課長をしてる笹垣、そしてあとは田中さんっていう笹垣の同期の警察官とその後輩の山萩って警察官。それから、異能力課の課長さん。たしか、名前は大堂って名前だった気がする」
「田中さんと山萩さんは面識あるなぁ。異能力課の課長さんは存在しか知らないなぁ。あと笹垣が副課長とかいうの初めて聞いたぞ!」
「死んだのが、たしか田中さんの先輩だったけな、そしてうちの両親」
「で、闇の内容はなんなの?」
「私が調べたところによると…」
優奈は紙束を持ってきた。どうやら事件の資料らしい。
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