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インバディメント・オブ・デウス  作者: 名古屋市役所前
前章 〜神へ〜
6/10

天帝(ゼウス)



 アポロンにゼウスに取り次いでもらうことにしたんだが、この人凄いしゃべる。

 いや、この神か。



 「自分、ずっと丸腰なん?」


 「…え?」


 「お前のことや、レオ。

  アテーナがおるからええけど、普通の人間が武器も持たんとウロウロしててみ?

  魔物の格好の餌やんか。」


 「そう言われても、ここに来た時から何も持ってなかったし。」


 「死ぬで。」


 「え゛?」



 しょうがないだろ、どうしろって言うんだ。

 剣道の心得は…微塵もないけど、

 いや、どっちにしろ武器がなくっちゃどうにもならん。



 「でも、アプロディーテも武器持ってなかったように見えたけど。」


 「当たり前や、自分は人間、あれは神やで!

  ましてや美の神やねんから、あの神に手出そうもんならゼウスが許さへんで。

  ………

  てか、いつアプロディーテに会ったんや?」


 「へぇー。予知の神がそんな事聞くの?」



 アテーナが煽る。



 「さすがの俺にも分かるもんと分からんもんがあるんやて。無茶なこと言うなや。」


 「まぁ、丸腰は危険ちゅうこっちゃ。

  せやから、アテーナ、なんかあげたれや。」


 「アポロンのそれをあげればいいんじゃないの?」


 「これはアカン‼︎ 弓は俺の専売特許や!」


 「へぇー。それ、アルテミスに言っちゃおうかなぁー。」


 「や、やめろ!それは冗談抜きにアカンって。」



 いや、俺、弓とか急に渡されても無理よ…。

 弓道部の勧誘で、持たされたことあったけど。

 あれは少し練習しただけでどうにかなるもんじゃない。



 「ほら、レオ。

  ボーッとしてるんじゃ無いわよ。」


 「これは?」


 「見ての通り真剣よ。

  この盾は危険すぎて渡せないけど、剣ならまだあるし、自由に使って。

  それでも一応ヘパイストスが打ったものだからそこら辺の武器とは違うわよ。」


 「それ、ほんまか!?

  俺めっちゃ欲しいわ。」


 「あなたにはその銀の矢があるでしょう?」


 「せやけど、アルテミスの金の矢と並べるとなーんか見劣りしてる気がすんねや。」


 「あら、妬み?」


 「ヘパイストスが直々に打った武具なんて誰だって羨ましがるやろ。」

 


 初めて持った真剣。

 重い。

 これを振り回すのは厳しいかもしれない。

 感覚的に5kg くらいある感じだ。

 アテーナはこれに加えて、盾と鎧で完全武装しながら軽々動いている。

 さすが武神と言うべきだろうか。



 「そろそろ着くで。覚g…準備はええか?」


 「…今、覚悟って…」


 「冗談やって。」



 こいつ、絶対覚悟って言おうとしてたよな。

 何、俺殺されるの?

 やだ、まだ死にたくない。



 「アポロン、アンタ予知能力があるんだったら、ゼウスがどういう対応するか分からないの?」


 「ゼウスの心はちょっと読まれへんわ。相手が悪すぎる。

  まぁ、ゼウスがレオのことを気にかけてはるのは確かなんやけど…。」



 見えてきた。どでかい建造物。

 ここに来てから一番まともな建物だわ。

 まぁ今まで建物らしいものはほとんどなかったが…。

 それにしてもこの太い柱。

 白一色の石建造物。

 いかにも神殿って感じ。


 高さは…10m はありそうだ。

 周りに何もないだけに圧倒されそうな大きさ。

 ここにかの有名なゼウスが。


 

 「ほら、着いたで。ここや。

  ここの奥に居てるのがゼウスや。

  …ほんじゃ、行くで。」



 ヤバい。緊張してきた。腹が痛い。






 「父上‼︎ ただ今戻りました!」


 「アポロンか…、

  で、頼んでいたものは…。」


 「連れて参りました。」


 

 なんとも威厳のある声だが、姿が見えない。

 布で部屋が仕切られ、向こうにゼウスがいるらしい。



 「そうか、まぁ話は後で聞こう。

  とりあえず、幽閉しろ。」

 

 

 


 



 

 


 


  

 

 



 



 

 





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