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この連載作品は未完結のまま約5年以上の間、更新されていません。
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望まぬ異世界転生は1000000人目を踏んで始まる

作者:大藤野原
想像してみても欲しい。

2年半後に世界が亡くなるなどといういわば抗いようの無い余命宣告を受けた瞬間を。

きっと誰もが絶望や焦燥、或いは無力感を覚えたり無気力となるだろう。
もしかすると現実味を帯びてなさすぎるあまり鼻で笑い飛ばす者もいるかもしれない。

しかしこれは事実。
現に2029年、この世界ではAIによって世界崩壊までの期限を突き付けられるのだ。

今貴方が手にしている、或いはすぐ身の側に置いているスマートフォンやパソコン、もしくはゲーム機、テレビなんかが貴方に指を差して言うのだ。

「貴方が今身を置くこの世界は、2年半弱後に亡くなってしまう」

2年半、というと多少年月に余裕がある様にも感じられるかもしれないが考えてみても欲しい。
中学校も高校も3年制。
それよりも短いのだ。
宣告があった瞬間に入学したとて卒業出来ないのだ(それだけきっちり期間の定められた余命宣告を受けて尚、悠長に生活に身を置く人間もそういないだろうが)

あまりに儚い。
2年半後のその時が来るまで何をしよう?
そんなことを悩んでいる間にも余命はじりじりと削れていくばかり。

どうにか世界の崩壊を止める術はないのか。
自分にも出来る、何か身近なことでもこの世界と自身を生き永らえさせる方法はないのか。
そんな答えの見当たるか分からない問いを延々思考するのに、文字通り貴重な時間を費やすお利口さんもいるかもしれない。



唯1人、彼は違った。

柊 自己(ひいらぎ みずき)、21歳。

東京に住む彼は、AIによる世界への余命宣告を受けて、まず笑った。

静かに笑った。

顔だけで笑った。

声を上げずに笑った。

それは、心の底から楽しい時に生まれる感情故の笑み。

彼だけは世界が亡くなるのを待ち望んだ。
彼にとってだけは、2年半という歳月は途方もなく長く感じられた。

それだけ自己は今いるこの世界に飽き飽きしていた。
いや、飽き飽きというのは唯の言い訳かもしれない。
憎んでいたのだ。

この世界の幸福は、不幸に支えられて成り立っている。
そんな万世不変の不条理が彼にはもう耐えられない。

「早くこんな世界、死んでしまえばいい」



しかし、世界の余命が迫るよりもっと早くに彼は死んでしまった。
世間の混乱に乗じた通り魔に刺されてしまった。

自己は望みもしない百万人目の異世界転生者となる。
プロローグ
#α-こんな筈じゃ
2019/12/18 19:10
第零章-1000000人目
#1-深淵に笑いかける
2019/12/19 19:00
#2-終焉に攫われる
2019/12/20 19:20
第一章-ピタゴラース
#5-ギルド
2019/12/24 19:05
#6-任務
2019/12/26 18:00
#7-緊張
2019/12/27 18:00
#8-異変
2019/12/28 18:00
#9-手掛かり
2019/12/29 18:00
#10-空を切る
2019/12/30 18:00
#11-現れる脅威
2019/12/31 18:00
#12-対峙
2020/01/01 18:00
#13-考えがある
2020/01/02 18:00
#15-登場
2020/01/05 18:00
#17-最強と最弱
2020/01/07 18:00
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