二話『夏といえば海、海といえば海水浴』
@クゥ視点@
「海水浴?」
現在は七月の後半、簡単に言えば暑さに苦しむ人が多く出る季節だ。
そんな中で海に行こうというアイディアが俺の所属する混合部で出たのだ。
「八月にしないか?」
「やだ!」
「それに八月だとシーズンで人が多いよ〜。」
と、まぁこんな具合に行くか行かないか決まらないわけだ。それに一応、七月でも人多いぞ。
「多数決で海に行くに決定〜。」
「わーい!」
「いや、でもなぁ…」
「問答無用だよ〜。日にちは明日にするからそれまでに準備をしといてね〜。」
強制的に決まってしまった。海に行くと女子をカメラで写真を取ってく奴がいるからなぁ。でも妹は小学生だし魅異なら絶対気付くだろうから大丈夫か。
〜そして〜
「さて、それで海に来たわけだが。」
見事に誰も居ないな。
「いや〜、混んでなくてよかったね〜。」
「そりゃー、朝の四時から海水浴に来るアホは俺達くらいだろ。」
妹は眠かったようだが海に着いた途端に目が覚めた様で…
「クゥちゃーん!クラゲが居るよ!」
と、元気に叫んで‥ってクラゲ?
俺の足元にはクラゲの大群‥さっきまで居なかったよな?何で居るんだ?
「それー!クラゲアタァーック!」
妹の仕業かよ‥って、早く逃げないと。
実は俺はクラゲって大嫌いなんだ。過去に刺された事があってさ‥その時は姉さんが原因だったけど。
「おい、そんな危険なものを持つんじゃない。人に投げるのも駄目だ。」
「えーっ。」
まったく、俺に当たったらどうするつもりだ。
「それにしても朝なのにやけに熱いな。」
「それは私が一時間くらい前から三十度に調節してるからだよ〜。」
「お前が原因か…」
前から気になってたんだが魅異の特殊能力ってなんだ?本人は予測不明八十パーセントと言ってたが実際に使ってる所は見た事ないぞ。
「どうでも良いか。そろそろ泳…」
「可愛い女の子発見ですよおぉぉぉぉっ!!」
「きゃあっ!」
うぉっ、何かが横を高速で通ったかと思えば妹の悲鳴が。
誰かが妹を抱いたまま転がっている。新手の拉致犯か?
とりあえずさっきの声からして男だな。長髪で青髪だ。
「奥義・イメージアイス・ニュークリアウェポン。」
「特技・反発磁力と特技・磁力包囲だってばー。」
[ビュュン!ッドカカカカカッキィィィィン!!]
おぉ、綺麗だな。だが花火にしてはまだ早いと思うが。
「まったく、少し目を離せばすぐ他人に迷惑をかける。本気でこの世から消してやりたいよ。」
「でも消すのは可哀相なんだってばー。それに本当はそんな事思ってないんだっけ?」
「いちいち余計な事は気にしなくて良い。」
何か小学生が二人来た。片方は髪の色がレモン色で語尾が変わった喋り方の子でもう片方は黄土色の髪で呆れたような喋り方だ。
さっきの飛んでった人の知り合いっぽい。って事は拉致された人質か?その割には強すぎるな。
「あ、大丈夫だったんだっけー?」
「えっ…あぁ、俺は大丈夫だ。」
「それなら良いが雑魚ベーにターゲットにされた方は何処に?」
「それならアタシが反発磁力で雑魚ベーと引き離したんだってば。」
ターゲットってのは妹か。雑魚ベーってのは恐らく拉致犯的なあの男であろう。
「クゥちゃーん、あの凍った変な人がクラゲに教われてたよ!」
「…とまぁ、お前達の知り合いはそんな状況だって。」
「そう。じゃあ放っておいて泳ぐ?」
「雑魚ベーなら放っておいて大丈夫だってば。だから今は泳ぐんだってば。」
そういえば何でこんな時間に泳ぎに来てるんだ?
「雑魚ベーが飛んでいったと思ったらやっぱり雨双とアミュリーだったんだね〜。」
「えっ!あの有名な二人なの!?」
「あー、盛り上がってるとこに悪いが状況説明を求める。」
説明によるとこの二人と飛んでった人は魅異と深い関係があるらしい。
レモン色の髪の子がアミュリーで黄土色の髪の子が雨双で飛んでった人が雑魚ベーさんというらしい。
雑魚ベーさんはかなりのロリコンで小学生以下の可愛い少女には飛び掛ることも少なくはなく、俺の妹がストライクゾーンに入ってたので飛び掛ったとの事だ。他にも自分の考えを長時間話し続けるスケベープログラムを使えるそうだ。
ちなみにアミュリーは多重人格で特殊能力もいくつか使えるらしいがメインは物を増やす事ができる事。そして人格が変われば語尾や特殊能力も変わるらしい。そして神様の職業もやってるらしい。今は瞳がレモン色の状態で頭が悪く尾語にだってばーがつくらしい。(疑問文の時はだっけ?とつくらしい。)
雨双は小学生にして特星中を旅した事があるらしい。使える特殊能力は氷を操る事で夏はカキ氷を作らされることがあるらしい。多少魅異にいじられる事があるとかないとか。頭は結構良い方で最近よく喋るようになったらしい。
立場上は雑魚ベーさんが一番弱く、二人が同じくらいの立場らしい。
「じゃあ今からレースバトルゲームを始めようか〜。」
「レースバトルゲーム?」
「ルールは簡単、今からこの海の五十キロ先にある島に一番に着いたら勝ちのゲームだよ〜。」
五十キロ…まず不可能だと思うが。
「でも時間とかはどうするんですか?」
「私達以外の時間は止めておくから大丈夫〜。でも海上や海中の時間は動かすよ〜。ちなみに途中で相手を沈めても良いし船を借りてきても良いよ〜。食料は各自で用意ね〜。」
雨双の質問に普通に答える魅異。何でこんな目に…
「フッフッフッ、その勝負、私も参加させてもらいますよぉっ!」
と、空中から現れたのは雑魚ベーさんだ。
「無事だったんだっけー?」
「当然無事に決まっているでしょう!それでは早速、レースを開始してください!」
「わかったよ〜。ヨーイドン〜!ちなみに私は審判ね〜。」
というがいきなりスタートしたのは雑魚ベーさんだけ。食料とか探さないのかあの人は…?
「って、時間が止まってるんなら食料なんか取れないぞ。」
「この海岸を歩いて行った所にジャングルを作ったからそこでいろいろ取ってね〜。」
それじゃあサバイバルじゃないか。
@雑魚ベー視点@
「アッハッハッハッハッ!皆さん私の泳ぎについてこれないようですねぇ!」
このまま行けば私が一番になる事、間違いなしですよぉっ!
[ゴオォォォォォッ!]
「優勝したら何かもらえるんですかねぇ〜。もしかして可愛い女の子とか!?」
そうだったら三人暮らしが四人暮らしになりますねぇ♪
[ゴオォォォォォッ!]
「って…あれ?」
何かさっきから流されてるような気がしますねぇ。なんか…こう…グルグルと回転するような…
「って!大渦に巻き込まれてましたぁっ!のあぁぁぁぁぁぁぁっ!」
@クゥ視点@
【って感じに特星全体にイベントを仕掛けたから注意してね〜。ちなみに気絶したら元の状態でスタート地点に戻されるよ〜♪】
現在はジャングルの中に何故かあるテレビを見ていたんだが…此処も恐らく危険だろう。
「俺が拾ったキノコや木の実も安全とは言い切れないな。」
よし、こういう時は加熱すれば何とかなる。多分大丈夫だ。
〜そして〜
「火をつける準備は完了。後は木を回して火をつけるだけだな。」
木を回してみるがなかなか火がつかない。だがまだだ。
「あっ、食料だってばー。もらうんだってば。」
おっ、もう少しで火がつきそうだ。
@雨双視点@
「あぁもう、食料が有りそうなのにまったくない。」
もうとっくに誰かが収集したとか?
あれ、あそこに居るのはクゥ?何してるんだろ?
「おーい、何してんのー?」
「よっしゃついたぁ!…っと、なんだ雨双か。見ての通り火をつけてたんだ。」
「何の為に?」
「実は木の実とかキノコを見つけたんだが安全かどうか分からなくてな。」
だから此処周辺には木の実とかがなかったのか。
んっ…よく考えればこれはチャンスだ。食料を奪い取れば探す手間が省ける。
「そう。それで木の実やキノコは何処に?」
「そこに置いて…ない!?」
私の横を指差すが置いてないな。
「奪われたとかじゃないのか?」
「そうかもな。」
そういってジーっと私を見るクゥ。もしかして…私が犯人だと疑ってるのか?
「い、言っとくが私は犯人じゃない!」
…動揺しまくりな喋り方になってしまった。いや、確かに食料を持ってたら奪おうと思ったよ…うん。でもまだ未遂だ。
「怪しすぎるぞ雨双。さぁ覚悟しろ。」
あー、しょうがないな。怪しまれたからには強行突破しかないな。
「イメージアイス・レイン!」
[ズガガガガガガガ]
「お、覚えてろ…」
[ヒュン]
消えた…気絶してスタート地点に戻ったのか。
「まぁ他人を疑うのは良くないという事だ。」
[ボオォォォォォ]
何の音?後ろから聞こえたような…
「山火事!?というより森火事!」
さっきの火が燃え広がったのか!私の技で何とか…
[バキィ!ズゴオォォォォン!]
[ヒュン]
@雑魚ベー視点@
「フゥ、危うく大渦で気絶する所でしたよ。」
おや、スタート地点の近くから煙が出ていますねぇ。火事でしょうか?
「それにしてもお腹が空きましたねぇ。」
恐らく気絶したら空腹なども直るはずですが…私はこのままゴールしないといけないのですよぉっ!
@魅異視点@
「良い勝負になってるね〜。」
今のトップは雑魚ベーだけど本命は磁力で移動できるアミュリーだねぇ。
「今後の行動とイベントの発生次第だね〜。」
@アミュリー視点@
やっぱり磁力移動があると便利なんだってば。
「食料って全部食べても大丈夫だっけー?」
覚えてないんだってば。確か綺麗なキノコは美味しいんだってば。
あれ…雑魚べーだってば。
「おーいだってば!」
「おぉぉっ!アミュリーさんではありませんか!ようやく私に追いついたのですねぇ!すみませんが食料か何かありませんか?」
本当は真剣勝負だから渡すのは駄目だけど、可哀相だから美味しそうなのを分けてあげるんだってば。この黄色いキノコや赤いキノコが美味しそうだってば。
「はいだってばー。あたしの持ってるやつで一番美味しそうなキノコだってば。」
「ありがとうございますねぇ!この雑魚ベー、残さず食べますよぉっ!」
お裾分けもしたし、先を急ぐんだってば。
「う〜んデリシャスですねぇ!…あれ、頭が痛くなって…」
[ヒュン]
@雨双視点@
「あれ、此処は…スタート地点か。」
確か森火事になって木が倒れてきて下敷きになったのか。特星じゃなかったら死ぬな。
「クゥも居るが起こすと追いかけられそうだな。」
[ヒュン]
「うわっはぁぁぁん!」
「って、泣きながらいきなり出てくるな。」
「アミュリーさんにキノコを貰ったのに味を覚えてませぇぇぇん!!」
キノコを食べて気絶したのか?というか雑魚ベーを追い抜かしたならアミュリーが一番か?
「方角は?」
「こっちですけど…」
磁力での移動だからかなり遠くのはず…勘でいくしかない!
「氷壁!」
この技は氷の壁を作り出す技だ。本気でやったから結構大きな壁になったはず。
@アミュリー視点@
「だいぶ進んだんだってば。そろそろゴールなんだってば。」
あれ、前方に氷の壁がいつの間にか出来たんだってば…
[ズコォォォォォン!]
[ヒュン]
@雨双視点@
[ヒュン]
よし、成功だ。
「雑魚ベー、アミュリーの看病を頼む。あと可哀相だから起こさないであげてほしい。」
「分かりましたよぉっ!」
引っ掛かるとは完璧な大バカヤロウだ。これで雑魚ベーはしばらく此処に居るだろうしアミュリーも起きない。クゥも放置されている。
なかなか良い作戦だ。
「さて、特技・アイススイート!」
この技は前方に様々なものを凍らせる巨大な冷凍光線のようなものを撃つ技だ。結構お気に入り。
この技によって前方に氷の道が出来た。
後は靴を凍らせて…
「これでスケートのように行けるというわけだ。」
凍った波でこけそうになるがバランスを取ればオッケーだ。
@雑魚ベー視点@
アミュリーさんをこのまま寝かせておくのも気が引けますねぇ。服が汚れますし。
大きな敷物を持ってるのでそれを敷きましょう。
「そしてパラソルを取り付けて〜♪これで完成ですよぉっ!」
これぞ夏のパーフェクトな休息セット!そしてアミュリーさんをお姫様抱っこで…ムフフフ♪
「よいしょっと。」
あぁ…もう最高ですよぉっ!
「雨双さんも此処に居ればお姫様抱っこをしてあげたんですけどねぇ。」
ハッ!もしかして雨双さんは、私達の仲を壊さない為にわざわざ先に!?
「私は…私はどっちも大好きなんですよぉぉぉっ!!」
よし、アミュリーさんと一緒に雨双さんを追いかけて和解しますよぉっ!
@雨双視点@
「んっ、何か寒気がする気が…気のせいか?」
滑り続けて時間的に三日分は経ってるのに氷が溶けないとは…恐らく気絶をして、最初に戻っても五日は寝てるんだろうな。
「言い換えれば相手を気絶させれば五日分余裕ができるという事か。」
しかし空腹の速さが普通より遅いのも予想外だ。まぁ私は氷を食料にしているが。
しかも氷を食べてもトイレに行きたくならないのがまた不思議だ。魅異さんならそういう設定は変えずに見て楽しむと思う。
「そうだ、念のために妨害トラップでも仕掛けるか。氷波!氷壁!」
氷波で氷の波を来た道に放っておき、氷壁で壁を作っておく。
「これで追ってこれないだろう。優勝は私がもらった!」
@クゥ視点@
あちゃ〜、随分と気絶していたようだ。
氷の道が有るって事は雨双が先に行ったのであろう。
「これは…キャンプセットか?」
敷物にパラソルがいつの間にかある。たいした情報にはならないな。
「確か此処…あった。」
ジャングルに何故かあるテレビ。これがあれば相手の場所が分かる。
「一位は雨双か。食料を奪っておいて一位になるとは。二位は雑魚ベーとアミュリーが一緒に居るな。」
今から俺が向かってもまず間に合わない。こうなったら俺の本気を見せてやるか。
@雑魚ベー@
「おや、前方から大きな氷の波が来ましたねぇ。」
雨双さんの事ですからもう二人の仲を壊したくない。私の事は忘れてくれ。とか思っているんしょうけど私は忘れませんよぉっ!!
「必殺・ジャンピングキィィィック!!」
[ドコォッ!]
キックの勢いでこっちに向かってた波が逆方向に向かいましたねぇ!
「これぞ氷の波乗りですよぉっ!」
@雨双視点@
「ふぅ、ちょっと休憩するか。」
全体的に私が一番有利のようだ。だが油断は出来ない。まだイベントが残ってる。
だが多少のイベント位は何とかクリアすれば良い。第一、特星の時間は止まってるから無茶なイベントは起こらないはず。
[ババババババババ]
早速来たか。ってヘリ!?
【スミマセン、私はこの軍用ヘリの操縦者なんですけど。】
「私に何か用か?」
絶えず冷静を装えば諦めるだろう。
【くしゃみが出そうなんですけど良いですか?】
[ズルッ!]
「くしゃみ程度で話しかけるな!勝手にしてれば良い!」
【でも私がくしゃみをしたら恐らく、手が滑ってミサイル発射ボタンを押しますよ?】
「わざわざ宣言してるしワザとじゃないか!?それ以前に特星の時間が止まってるのに何で動けるの!?」
【余計な事を言うとくしゃみをしますよ?】
「ちょっと待て!分かったから!どうすればくしゃみが出そうなのが収まる?」
ってか私に対して脅しを掛けてないか?
【そうですね。今年で一番恥ずかしかった台詞を言ってください。】
「何で私がお前なんかにそんな事を…」
【くしゃみが出そうになってきましたよ。】
「分かったからストップ!」
こうなったら適当に信じそうな嘘でも言って…
【嘘を言ってもお見通しです。】
心を読まれた?
【その通りです。それではサービスで心に浮かべるだけで良い事にしましょう。】
他の皆には秘密だぞ。今年で一番恥ずかしかった事は…雑魚ベーにいろんな衣装を着せられた事だ。
【着せられた?】
そう。お風呂から出てパンツとシャツを着てズボンを穿こうとしてた時に来てほぼ無理矢理…アミュリーは楽しそうだったが…
【服の詳細は?】
あー、え…っと…ふ…ふぅぇ〜…
[ヒュン]
【あ、気絶させてしまいましたか。しかし、面白い情報発見ですね。】
[ピピピ]
【ハイもしもし?】
[凡骨〜、私の許可なしに勝手にゲームに参加するな〜。]
【凡骨ではなく几骨です。漢字が違いますよ社長。】
[とりあえず乱入者は見てるだけだよ〜。」
【了解しました。】
@アミュリー視点@
「あれ?此処は何処だっけ?」
「おぉぉっ!目が覚めましたかアミュリーさん!」
確か氷の壁にぶつかって気絶してたんだってばー。
「一回氷の壁にぶつかったから前方に氷の壁があるように見えるんだってばー。」
「あぁ、実際にありますよ。」
[ズガァァァァァァァン!]
[ヒュン]
[ヒュン]
@クゥ視点@
さて、俺は長い時間を掛けて他の相手に追いつく道具を完成させた。
「これが完成品、葉鳥翼君一号だ。」
これは主に木と葉っぱで作ってあり、鳥の翼の形になっている。
腕に装備して腕を鳥のように上下に振る事により、空を飛ぶことが出来るのだ。
しかも材料が天然物でエコロジーな商品だ。
そして俺はジャングルの木の上にいる。
「追い風が来た時がチャンスだな。」
〜二時間後〜
追い風…来ないな。
「これじゃー、作戦開始は無理か?」
〜更に八時間後〜
さっき収穫してきた森の木の実もなくなってきた。
[ビュウウゥゥゥゥ]
おっ、追い風だ。今が飛ぶチャンスだな。
「そりゃっ。」
[ヒュゥゥ〜。]
あ、やっぱ無理だ。
[バキ、バキキ、ズゴォォォォン!]
[ヒュン]
@雨双視点@
さて、目が覚めたらまたスタート地点だ。
いい加減、一番を争ってたらいつまでもゴールできない気がする。
「という訳で、全員で協力してゴールしようと思う。」
「しかしどうやってですか?これだけの人数だと食料が足りないと思いますけどねぇ。」
「それにクゥがまだ寝てるんだってば。」
まぁ、そういう問題も全て解決する。
「私が氷で全員の胴体を氷でつなげて固める。そしてアミュリーの磁力で移動する。」
「確かに磁力での移動なら今日中に着くんだってば。」
「なかなかナイスな方法ですねぇ!それでは早速実行しましょう!」
@魅異視点@
「おぉ〜、無駄な一位争いを止めたみたいだね〜。」
流石に争ってたらクリア不可能と見たか。まぁ、待ってればそのうち飛んで…
[ズガァァァァァン!]
飛んできたね。噂をすれば何とやらってところかな?
まぁ、全て分かってたけどね。
「な、なんだ一体?」
クゥは、いま起きたところみたいで状況が理解できてないらしい。
可哀相だね〜。全然そう思ってないけどさ。
この調子でこの先、この主人公はこんな生活に耐えられるのかな?
「おはよ〜。此処はゴール地点でそこの皆は同着だよ〜。」
私は疲れた様子の皆を指差す。
@クゥ視点@
同着か。俺は別に何位でも良いけどな。
それにしても…何で葉鳥翼君一号で空を飛べなかったんだ?重量オーバーだったのか?
物理学的に無理とか?流石にそれはないか。
「いやいや〜、それだよそれ〜。それは十分にありえるよ〜。」(小声)
「んっ?何か言ったか魅異?」
「多分気のせいだと思うよ〜。それより一応、優勝者を言っとくよ〜。」
皆で優勝したから全員とか?
「優勝は〜………」
緊張が全体に…って全体じゃないな。雨双と雑魚ベーとアミュリーはカキ氷を食ってる。俺も雨双から貰って食べ始める。
「クゥの妹だよ〜!」
「「「おぶふぅっ」」」
皆が優勝だと決め付けてた、俺・雨双・雑魚ベーの三人がカキ氷を噴き出す。アミュリーは拍手をしているが。
と、いうより妹も居たっけ?確かに一緒に来たような気もするな。
「あっ、皆カキ氷を食べてズルーイ!」
その(アミュリーを除く)皆は食べてたカキ氷を噴き出したけどな。
「それより本当にあの距離を泳いだのか?」
雨双がカキ氷を渡しながら妹に尋ねる。確か姉さんの血を引いている妹だが泳いで渡れる距離ではない。あと数年すれば泳いで渡れるだろうが。
「確か、途中でヘリコプターに乗ったお姉さんに運んでもらったんだよ!」
「ヘリコプター…」
「どうした、雨双?顔色が悪いぞ。」
「いや…別に。」
その割には震えてるぞー?今回の勝負中に何かあったのか?
「それじゃあ〜、今日はお開きにするよ〜。」
「時間は戻しとけよ。」
「分かってるって〜。」
「そういえば雑魚ベーさんはいつ頃まで滞在するんですか?」
確か旅行で来てたんだよな。
「私達は明日頃に帰るつもりですよぉっ!でも安心してください!貴方の妹さんの為ならいつでも来れますからねぇ!それに出来る限り多く来るようにしますよぉっ!!」
「そ、そう…ですか?別に気を使わなくても…」
「いえ、次に来るまでに貴方をお兄さんと呼べる器になれるように努力しますよぉっ!!」
この人なら本当に来ると思う。いや絶対にいつか来る。
「それじゃ〜、この後は部室でクゥの妹と雑魚ベーの恋愛祝いをしよう〜!」
「やめろ。」
勝手に話を進める魅異に、冷静に全力でツッコミを入れる俺であった。
@クゥ視点@
「いやー、今日は大変だったらしいなクゥ?」
「本気で大変だぞ。第一、部活で海水浴っておかしいだろ?絶対おかしい。」
「まぁまぁ、今回は遊びみたいなものだからさぁ。」
「何でお前にそれが分かるんだ?」
「言っても信じないだろうけど教えて欲しいか?」
「いや…結構だ。」
「それでは皆さん次回もお楽しみに!」