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変な星で平凡生活!?  作者: 神離人
呪われたカードの最終章
16/16

〇話『呪われたカードの脅威! ~女体化した佐和』 

 クゥが混合部に入部してから

 10年の月日が経過した。


 この日クゥは、佐和や萩異と共に

 部活設立10年目の記念パーティを行い、

 部員3人で大いに盛り上がった。


 パーティは盛り上がり、

 中学生の萩異は夕方頃に女子寮に帰ったが、

 クゥと佐和はしばらく部室で遊んでいた。


 そして時刻は深夜帯になり、

 パーティは終わりを迎えた。

 クゥと佐和の2人は、

 部室の後片づけを行っている。


「やーっと終わったぜ!

 おいクゥ!そっちはどうだ?」


「漫画は棚にしまい終わったよ。

 後はゴミ捨てだけだな」


 10年間で、混合部を取り巻く環境は

 大きく変化していた。

 学校が半永久的な夏休みになったことで、

 今では、高校を訪れるのは部活生ばかりであった。


 夏休みの影響は混合部にも及んだ。

 10年間で部員の出入りが幾度も行われ、

 結果的にクゥ、佐和、萩異の

 部員3名だけが混合部に残ったのだ。


 高校生2人に中学生1人。

 部活の体を保ってはいるものの、

 大きな活動などを行う事は

 難しい部員数であった。


 混合部を主導するクゥも

 今のままで大丈夫なのかと

 部の先行きに不安を感じていた。

 

「暗い顔だなクゥ!

 悩みがあるなら

 あそこの占い行こうぜ!」


 佐和の指さす先には

 光が漏れている路地裏があった。

 光の正体は、光り輝く台座。

 カードの束が複数置かれた台座である。


 台座の奥では、ローブ姿の人物が

 表通りを見つめている。

 料金表や看板の類は見当たらず、

 ローブの人物が占い師であることを

 保証するものはない。


「占い2回頼むぜ!

 俺とあっちのやつな!」


 佐和は返事を待つことなく、

 占い師に駆け寄っていく。

 クゥは不安を感じていたが、

 佐和の気遣いを無下にはできず、

 佐和の後を追うのであった。


「ふっふっふ。占いとは命知らずな。

 どうぞカードを引いてください。

 引いたカードがあなた方に適した転機を

 引き寄せるでしょう」


 ……引きましたね?

 呪われし闇の呪物を!

 天がもたらす呪いに

 怯えるがいいっ!」


「「なにっ!」」


 2人の引いたカードが

 強烈な光を放った。

 唐突な閃光を受けたことで

 3人は地面にうずくまる。


「一体何が……。

 ってお前は?」


「め、目がやられたぁ。

 さすがは闇の呪物。

 これほどの力を持つとは」


 クゥの目の前で、

 女子が涙を拭いながら

 膝をついていた。

 転倒でフードが脱げてしまった

 ローブの人物である。


「子供……小学生……

 いや中学生か?

 これは、一体何の真似だ」


「はっ!……ふふふふ。

 転機が訪れたようですね。

 隣の女を見てみなさい!」


「隣の女だと?んなにぃ!?

 さ、佐和かっ!?

 お前、その姿は一体……!?」


「そ、そうなんだよクゥ!

 俺の体、女になっちまったようだ!」


 クゥの隣では、佐和が女になっていた。

 佐和は、占い台の明かりに照らされており、

 衣服は胸の部分だけが

 ぎちぎちに張っているのであった。


「で、でかい……」


「だろだろ!もっと見ろよー!

 このでっかい胸すごくねーっ!?」


 クゥと佐和の注目は

 佐和の胸ばかりに集中していた。

 しかしカードの呪いを受けたのは

 佐和だけではない。

 クゥにもカードの力は及んでいた。


 ローブの少女は2人を観察し、

 カードの力について説明する。


「カードの結果が出たようですね。

 女性を引き寄せる"繁栄"に、

 好みの女性像を手に入れる"一体化"。

 ふふふ、転機を手にした気分は?」


「……戻せっ」


「クゥと言いましたね。

 あなたはハーレムをいずれ手にします。

 嬉しくないんですか?」


「嬉しいものか……!

 佐和は俺の友達なんだよ。

 悩んでいた俺を気遣って、

 気分転換に占いをしたんだ。


 そんな仲間の体が改造されて

 ……喜べると思うのか!」


「く、クゥ!」


「ふふふふ。どうやら呪いのカードが

 お気に召さなかったようだ。


 ですが手遅れです。

 呪いは永久的にカードに記された

 転機を呼び続けます。


 ハーレムと理想の女体を手放すことは

 既に不可能なのです!」


「く!一体なぜこんなことを。

 お前は一体何者だ!」


「私の名はアフター。闇のカード組織

 "ぱっ孤&ゲージ連合"の副幹事長。

 組織の命令で、カード占いの恐るべき力を

 世に知らしめています」


「カード占いだと?

 こんな人間を作り替える力が

 占いであるものかっ」


「そうだそうだ!

 下も無くなっちまったのに

 胸で見えねーし!


 いや待てよ……。

 スマホのカメラ機能を使えば……。

 …………悪いクゥ、

 この場は任せた!」


「佐和?どこへ行く気だ!」


「寮の部屋に戻ってるぜー!

 あとでいいもの送るから

 楽しみに待ってろよ!」


 佐和は路地から走り去っていく。

 クゥは、佐和の顔が

 紅潮していることに気が付いた。


「俺を気遣ったばかりに……。

 すまない佐和。

 お前の体は取り返す。

 必ず、元に戻してやる!」


 ショックで泣いているのだと考え、

 佐和の身を案じるクゥ。


 クゥは心に決めた。

 佐和の気遣いに報いるためにも、

 呪いを解くべきだと考えた。

「私には彼女が

 喜んでいるように思えましたが」


「覚悟しろアフター。

 俺は能力なしの凡人未満だが。

 敵をぶん殴ることはできる!」


「ふふふふ。組織に盾突く気ですか。

 カードは占いだけに

 使うものではありません。


 幹部級のカード捌き!

 今、お見せしましょう!」


 アフターがカードの束を掲げた瞬間、

 強烈な突風が吹き荒れた。

 下から上に突き抜ける風は、

 アフターのローブと、カード全てを、

 空高くへと連れ去ってしまった。


「「あっ」」


 アフターはローブの下に

 下着だけを身に着けていた。

 アフターは風でローブを失い、

 下着姿で立ち尽くしていた。


「な、何だお前。

 変態なのか?」


「あ……ああああぁーっ!

 私の全財産をつぎ込んだ

 カードがーーーっ!」


「えっ。全財産?」


 叫びながら膝をつくアフター。

 その下着姿は、占い台の光に

 照らされている。

 クゥは、アフターの下着姿を前に

 ドン引きしていた。


「こいつやべーな……」


「はっ!?なっ何か誤解を

 していませんか。


 ローブの下に下着は

 組織で定められた正装……!

 決して好き好んで

 緊張感に胸を躍らせていたわけでは

 ありません……!




 本当です」


「……互いのためにも

 日を改めよう。


 明日の早朝、

 この路地裏で話そう。


 それまで人質として、

 この光る台は預かっておく」


「だ、ダメですそれは!

 借り物なんです!」


「騒がない方がいい。

 真夜中とはいえ、この発光だ。

 お前の下着姿は

 鮮明に映るだろうぜ。


 騒いだり追ったりすれば、

 恥をかくのはお前だ、アフター」


「くっ。随分とまあ

 卑怯な男ですね」


「明日の早朝、この場所だ。

 呪いの手掛かりが得られなければ、

 光る台の命はないからな


 今日は闇夜に紛れて

 女子寮にでも帰ることだな」


 光る台を抱えて、

 クゥは自宅へと向かう。

 一方のアフターは、後を追うことなく、

 その場に座り込んでしまった。


 そしてもう一人。

 すぐ傍の住宅の屋根上で、

 2人を見下ろす影があった。


「くくく。これでもう一度

 カードを売りつければ大儲けじゃ」


 屋根上の人物は姿を消した。

 その手には、風で飛ばされた

 カードとローブが握られているのであった。

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