十話『宴会で騒ぐのは常識』
@萩異視点@
いやいや、良い景色だねぇ♪
現在私達は、宴会をする為に合宿で行った島に船で向かってるよ。
何でかって?
ふふふぅ〜ん。なんと今日は、混合部が出来た日なのだぁー♪
だから記念に宴会をしちゃうのだよ。記紀弥さん達が是非寺でどうぞって言ってたからね。
えっ、何で私視点なのか?その理由はズバリ、クゥ君が読者の皆とお話できないから!
ちなみに少し前から雑魚ベーさんと雨双ちゃんとアミュリーちゃんが、遊びに来てたからついでに連れてきてるんだよ。
着くまでのんびりしてる人は、私とクゥ君意外におらず船で暴れまわってるよ。あっ、佐和君が海に落とされた。
とりあえずクゥ君が隣に居るから私も此処を動く気は、全然ないんだよね♪
「お前は、遊んでこなくて良いのか?」
おっ、クゥ君から話し掛けてくるなんて珍しいね。
「クゥ君が此処に居るから行かないよ♪」
「…じゃあ俺は、眠いから寝てくる。だから着くまでに俺の部屋に入るな。」
ありゃ、行っちゃったねぇ。
それにしてもクゥ君の反応が冷たい…冬の水道の水と同じくらい冷たすぎるぅぅぅぅっ!
「私に足りないのは、色気や誘惑の魅力かぁぁぁぁっ!?」
「アホかお前はあぁああああっ!」
[バゴオォォッ!]
いったぁ…か、神異!
「どうして此処に?ってか痛いんだけど。」
「あっ、悪い。さっきクゥが居なくなったから話でもしようと来たら、急に頭を抱え込んで立ち上がるから、心配してどうしたのか聞いたら急に色気や魅力がどうとか言うからつい、とび蹴りをしてしまったぜ。」
「いやぁ…つい興奮しちゃって♪」
それでも立ち上がるのは、普通じゃないか。
「で、何で意味不明な事を叫んだんだ?もしかして船酔いでも酔っ払うのか?」
それじゃあ船乗りが酔払い運転になっちゃうよ。
「クゥ君が振り向かなくてねぇ。魅力不足のせいかなぁー、と思ってたんだよ。」
「そういえばお前達って前は、それなりに仲が良かったよな。」
神異の言う通り前は、結構仲が良くてクゥ君の方から遊びに誘ってくれる事が有ったんだよ。
「ハハハ、嫌われるような事でもしたんじゃないか?」
「記憶にないけどなぁー。」
もしかして裏で誰かが仕組んでたり…それはないよね。
「原因的な事に心当たりは、無いのか?」
「最近私は、ツッコミが上手になったけど。」
「それだぁっ!クゥは、どっちかと言えばツッコミ体質だろ?お前がボケてやらないと調子が狂うんだ!」
そうか!私がボケないからクゥ君がツッコミ不足になったんだ!
「流石は、神異!私の同級だけの事はあるよ!」
「ふっふふ〜ん、褒めても何も出ないぜ。」
偉そうなオーラが出てるけどね。
[あー、あーあー、もうすぐ船が到着しますので降りる準備をしてください。]
放送が聞こえてくる。そういえばクゥ君を起こしにいかなきゃ!
「クゥ君を起こしてくるね♪」
「ボケる事を忘れるなよ!」
忘れる事は、無いんだけど。どんなボケにしようかなぁ?
私の事をアピールしながらのボケが良いよね。
「あっ、クゥ君♪」
「あれ、萩異じゃないか。何でこんな所に居るんだ?」
いやいや、クゥ君が着いたら来ても良いって言ったんだけど。ってかクゥ君、まだ眠そうだねぇ。
さて、クゥ君との好感度を上げる為のボケをやろう!
「私が此処に来れたのは、神の導きのおかげなんだよ♪そう…私は、神様に選ばれたんだよ!」
「アミュリーに?」
盛り上がりがぶち壊しだよクゥくぅぅぅぅん!いや、確かにこの星では、職業になってるけどもっと神聖な神様の方だよぉ…
「ゴメン、何でもないから行こう!」
「ん?あぁ。」
不思議そうな顔をしてるクゥ君。次は、私の良いところをアピールしよう!
寺に着くと人間化した記紀弥さんが出迎えてくれた。今日は、私達が来るからほとんどの幽霊を休暇にしてるみたいだね。
「……ようこそ。今日は、楽しんでいって下さいね。」
「えぇ、お言葉に甘えて楽しませていただきます。」
校長が代表して挨拶をする。騒ぎすぎて物とか壊しそうだけどね。
「………では、こちらへどうぞ。」
案内された場所は、とても広い部屋だった。でも寺だし宴会場じゃないと思うよ。
「……宴会開始は、夜ですのでそれまでお待ちください。」
夜に宴会とは、セオリー通りで良いねぇ♪
「よっしゃ!それじゃあ待ってる間に枕投げをしようぜ!」
「おっ、私もやらせてくれ!」
「私も参加させてもらうわよ!」
元気な佐和君と神異と姫魅ちゃんが枕投げをするようだね。でも…何で寺で枕投げ?
私は、クゥ君にアピールでもしてこようかなぁ。
[ベシィッ!]
「よっしゃ、萩異にヒットだぜ!」
…やっぱり枕投げにしよう。今当てたのは、神異だよね。
「私も参加するよ!ひっさぁーつ・流れる枕の川!」
神異の方に大量の枕を川のように投げつける。姫魅ちゃんと佐和君を巻き込んで一気に倒せちゃったね♪
「よくもやったわグフェッ!」
「油断しすぎだぜ!」
佐和君と姫魅ちゃんが再び投げ合いを開始。とりあえずこっちへの被害は、無いと考えて大丈夫そうだね。後は…
「そおりゃあぁぁっ!」
「見切ったよ♪」
いつの間にか上空から神異が枕で乱れ撃ち。でも私は、それを全て相殺する。
今頃だけど何で寺にこんなに枕が有るのかなぁ?
「ひっさぁーつ・十方枕閉じ!」
上空に居る神異を囲むように十方向から枕を投げつける。
「私の能力を忘れたか?衝技・無衝撃!」
枕は、全部直撃するけど平気そうな神異。
神異の能力って何だったっけ?自己紹介の時に言ってくれないから忘れちゃったよ。
@クゥ視点@
「いやぁー、枕投げで凄まじい戦いが続いているなぁ。」
「……えぇ、楽しそうですね。」
「そうですか?僕は、参加したくないですねぇ。」
現在俺は、記紀弥さんと三無と枕投げの観戦中である。
神異の能力は、恐らく衝撃を操れる能力だな。自分への衝撃を無効化できるみたいだし打撃戦では、かなり有利になるな。
「それにしてもお茶が上手い。」
「そりゃあこの寺のお茶は、作るのに結構手間が掛かりますからね。」
「………この寺の茶葉は、全て神酒と三無が作ってるの。」
「他の幽霊の方々より詳しいから任されてるんです。」
二人だけって大変そうだなぁ。
「……三無は、働き者だから有休を使わないの。」
「どうせ使ってもキールさんに雑用を頼まれますからね。それにキールさんの休んでる分は、僕が休みを削らないと。」
本当に頑張りやだなオイ。それに比べてあの下っ端は…何やってんだか。
〜寺の屋根の上〜
〔あれ、誰かに下っ端って思われたような気がするわ!何処の誰だか知らないけど下っ端じゃなぁーい!さて、漫画の続きを読もう。〕
〜再び寺の中〜
「記紀弥さんって何歳なんだ?」
何となく気になったので聞いてみた。いや、失礼覚悟でだけどさ。
「…………十歳です。」
「「嘘ぅ!?」」
「………本当です。飛び級して大学生扱いですけど。」
久々に大声で驚いた。確かに見かけは、その位かなぁ…と思ってたけど本当にそうなのかよ。
「……ちなみに神酒は、飛び級して中学生ですけど年齢は、私と同じなんです。キールがこの寺で一番年上で二十歳です。三無は高校一年の十五歳でしたよね。」
「記紀弥様…自分の年齢を知られたからって僕達の年齢は、言わないで下さいよー。」
「……ふふっ、ごめんなさい。つい、言っちゃったわ。」
話し方が十歳と思えないな。十歳なら妹の同級だし…って小学生って事は。
「記紀弥さぁぁぁああああああん!小学生なら貴方も大好きですよぉおおおっ!!」
「……えいっ。」
[ズガボガシャァーン!]
雑魚ベーさんが抱きつきにいくが、記紀弥さんが幽霊化したのですり抜けて壁に直撃。
「コイツと付き合っても小学校を卒業したら、確実に別れる事になるな。」
「よく分からないけど期間限定なんだってばー。」
そこへ呆れた様子の雨双とよく分かってなさそうなアミュリーが登場。
「ところでアミュリーって職業で神様やってるよな?」
「そうだってば。」
「給料とか貰えるのか?」
気になったので聞いてみる。俺って相手を見て疑問を思い出す性格の様子。
「基本的には、貰えないんだってば。でも神社を作ってお賽銭を集める事は、やっても良い事になってるんだってば。」
「前に雑魚ベーがそれを聞いて資金を集めてるんだ。土地と材料があれば自分で最高級の神社を作れるとか言ってたな。」
「凄いな雑魚ベーさん…そこまでやるか?」
恐るべき少女愛だなオイ。近い内に新しい神社が出来ると予想しておこう。
〔……雑魚ベーさんは、どうしましょう?〕
「放っておいて大丈夫だ。」
「いつもの事なんだってば。」
雑魚ベーさんに対する扱いが酷いなぁ。というか記紀弥さんは、いつまで幽霊化してるんだ?
「とりあえず周りに迷惑だから引き抜きに行くぞ。」
「分かったんだってば。」
あっ、やっぱりそれなりに優しいか。
「そういえば三無は、一体何処に行ったんだ?」
〔………宴会料理を作る手伝いに行ったのでしょう。〕
「大変そうだなぁ。人手不足なら俺も手伝いに行った方がいいかな?」
〔……いえ、客人に手伝って貰う訳にはいきませんから。それに貴方が行くと此方が確実に不利になるみたいですので。〕
俺が行くと不利になる?あぁ、そういえば俺って料理が出来なかったな。
「それも特殊能力で分かったのか?」
〔…………はい。〕
「有利不利を操る能力だっけ?それって戦闘時には、どの位の実力を発揮するんだ?」
〔………どの効果が現れるか分かりませんが、相手の不利を操った場合は、相手が急に体調不良になったり、車に轢かれたり、全員から恨まれたり、死にたくなったりします。〕
結構強力な能力だな。
〔……味方の有利を操る場合は、風向きがよくなったり、やる気が出たり、良い作戦を思いついたり、相手に急用ができたり、自分の会社の経済状況が良くなったりします。〕
「経済状況まで操れるのか?」
〔……操れるのは、有利不利だけです。その効果が経済状況だったりするだけです。まぁ会社の有利不利なども操れますが。〕
今まで大した事無い能力だと思ってたけど凄いな。
〔………そういえば貴方の能力は、何なんですか?〕
「俺の能力?俺の能力は、そんな凄いものじゃないと思うんだけどなぁ。」
〔……思う?〕
「実は、名前同様に特殊能力も分からないんだ。特星に入った時に練習したけど使えなかったからな。」
〔………そうですか。案外凄い能力かもしれませんよ。〕
俺に限ってそれは、無いような気がするけどなぁ。
〔……そうだ、専門の人に聞いたらどうですか?〕
「前に一度だけ瞑宰京の小学生に見てもらったんだが、非質系の能力とだけ言われたんだ。」
非質系が何か分からないけどな。
〔……非質系ですか?それならやはり強力な能力ですね。〕
「あの、非質系ってなんだ?」
〔………氷や炎や土や時間や重力や衝撃や波動や霊のような事に関する能力は、質系と言うんです。運勢や感情や有利不利や危険安全や雰囲気のような事に関する能力は、非質系と言うんです。詳しい事は、分かりませんが。あと能力補助などは、助質系と言います。〕
なんとなぁ〜く分かったような、分からないような。でも前に萩異に似たような事を聞いた事が有るな。
「質系の能力がやけに多いな。」
〔……えぇ。特星の住人は、質系がほとんどで非質系と助質系は、滅多に居ないと言われています。ちなみに一部を除いて質系や助質系では、非質系に敵わないらしいです。〕
一部って…確かに羽双がセーナさんに勝ったりしてたな。しかも時止とか言う技で一撃だったし。
「それじゃあ記紀弥さんもかなり強いのか?」
〔………さぁ?勝負してみますか?同じ非質系の特殊能力使いですし。〕
「止めとく。俺は、平和主義者だし特殊能力が分からないからな。」
[ベシィッ!]
「あっ、ごめんクゥ君!」
萩異の投げた枕が顔面にヒット。枕って結構痛い物だな。
「気をつけろって…後ろで気絶してる姫魅は、何でそんなにボロボロなんだ?」
「姫魅ちゃんがレーナミちゃんに当てちゃったんだよ♪」
悲惨だな。
「皆さん、料理が出来ましたよ。」
「結構時間が掛かってしまったがな。」
三無と神酒によって全員の前に料理が置かれる。ってかなり豪華だなオイ…主に刺身がメインのようだ。
「ちなみに大人の方々には、お酒も用意して有るのでどうぞお飲みください。」
とは言っても大人は、校長と几骨さんと雑魚ベーさんくらいだぞ。
「あっ、私もワインを貰うね〜。」
「って、誰だよ。」
「いやいや魅異だよ〜。」
喋り方を除いて別人の魅異が目の前に居るんだが。しかも男性ですし。
「ちなみに二十歳のオリジナルの人に変身中なんだよ〜。だからお酒でも何でも飲めるの〜。別に元の姿で飲んでも良いけどね〜。」
確かにコイツなら特星の法律を破っても問題なさそうだけどな。
「って、俺の刺身が半分になってるし。」
「あっ、さっき間違えてお前の分を貰ったぜ!」
自分の分は、どうした…って食い終わってるし。
「じゃあクゥ君にこれだけあげるよ♪」
「おっ、良いのか?」
萩異は、これだけって言ってるけど全部に見える。
「別に良いよ。私には、神異の分が有るから♪」
「っていつの間に!?なら私は、姫魅の分を貰うぜ!」
いつの間にか刺身の取り合いに発展してるし…おっ、美味いなこの刺身。
「この時の為に皆働いてるみたいなものでしょ!」
いつの間にか下っ端が居るよ。今までずっとサボってたのか?
「よぉーし、もう一杯酒をもってこぉーい!」
[ドスッ!]
「サボってたくせに飲むな!」
神酒の鋭い鉄拳が下っ端に直撃。あれは痛い。
@ナレ君視点@
今からなんか言い合うらしいので登場したナレ君です。他の人には、見えてるでしょうけど無視されてます。
「一騒ぎした事だし今からは、不幸な出来事を言い合う会を始めるよ〜。じゃ、まず言いたい人はいる〜?」
「はい!」
まずは、姫魅さんが手を上げる。
「バレンタインにチョコをもらえませんでした。」
渡す方だよアンタは!
「はい。」
次は、クゥさんの番。
「葉鳥翼君で空を飛べません。」
飛べたら逆に凄いよ!
「はい!」
次は、萩異さん。
「クゥ君が冷たい気がします。」
気のせいでしょう。
「はい。」
次は、三無さん。
「キールさんが働きません。」
多分直りません。
………此処で一旦意見が止まる。僕も何かないかなぁ。
「はい!」
そして冷波さんが手を上げる。
「最近忘れられてる気がします。」
その予想は、当たっているでしょうね。
「はい。」
次は、クゥさん。
「前に姉さんに取られないようにパンを隠したら、腐ってた。」
買ったらすぐ食べましょう。
「はいだってば。」
次は、アミュリーさん。
「前話から雨双が何か隠してるんだってば。」
クゥさんの妹さんに聞きましょう。
ってか前話とか言って大丈夫かな?
「はい!」
次は、佐和さん。
「彼女が居ないぜ!」
当然です。
「はい。」
次は、冷波さん。
「まともな人があまり居ません。」
同意です。
「はい。」
次は、几骨さん。
「社長が死んでくれません。」
魅異さんですから。
「はい!」
次は、校長さん。
「黒猫のSCゲージが家出しました。」
そこら辺を探しましょう。
「はい。」
次は、萩異さん。
「前に部屋で黒猫が私の前を通りました。」
恐らくSCゲージです。
「はい。」
次は、雨双さん。
「眠いんだが。」
寝たら死にますよ!
「……はい。」
次は、記紀弥さん。
「………反応が遅いと言われます。」
事実です。
「はい〜。」
次は、魅異さん。
「特に無いよ〜。」
知ってますよ。
「はい!」
次は、クゥさんの妹さん。
「最近目立たない!」
私もです。
「はいっ!」
次は、雑魚ベーさん。
「女の子…」
はい、予想通りなのでカット!
「はい。」
次は、神酒さん。
「キールが言う事を聞きません。」
殴りましょう。
「はい!」
次は、キールさん。
「神異が攻撃してきます!」
働きましょう。
「はい。」
次は、クゥさん。
「そろそろ終わらないか?」
「そうだね〜。」
気まずい雰囲気になったところで終了。不幸な事と言えない事も有りましたけどね。
この後、気まずい雰囲気のまま宴会は、終了するのでした。