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生産性のない、  作者: ao
1/1

✳︎1



寒いと


人が恋しくなりませんか。


隣に誰かいて欲しいとか

手を繋いで欲しいとか


でも現実は

友達関係とか気にしたりただ単に勇気がなかったり


本当に、

もう自分もやめればいいのにと


呆れるばかり。

人をかき分けて渋谷駅の改札を抜けると、そこは


見知らぬ街。


寧ろ知ろうと思ったこともない、私には全く関わりがないだろうと思っていた、街。


制服のスカートをめちゃくちゃに短くして汚い脚をさらけ出し、似合わない化粧をしてガハガハと笑う女子高生やら、手を繋いで無駄に道幅をとってバカみたいな会話をしながら歩くバカップルやら、どっからその声は出てくるんだと、思わず真似したくなってしまうような声で接客するアパレル店員やらに嫌悪を抱きながら、センター街をひたすらに歩く。歩く。

だけど何故か胸がワクワクもしていて、不思議な感じがする。それはその街に可愛いものが溢れていて、活気に満ちていて、輝いていてキラキラしているから、というわけでは決してなくて。


歩いて歩いて歩いてとある店に入ると素敵なことが待っているのだと、何故か私は知っていた。


知らない街。


通ったこともない道、来ようと思ったこともないところなのに、何故か足が勝手にその場所に向かって動く。

センター街から少しそれて、小道に入ってしばらくまた歩くと、こじんまりとした、でも黒く塗られた壁に照らされた黄色い暖かな光が何ともお洒落なお店があった。


こんな店、私が知るはずもないのに。


だけどそんなこと、今の私にはどうでもよくて、とにかく、その扉を開けたくて、ただ開けたくて、


私は扉を開けた。

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