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148:奪われた初代魔王の核

 【シャンジュモン洞窟】の入口は複数ある。

 無論どこから入ろうとも、《初代魔王の核》の力により侵入者を惑わせる迷路が実現しているのだが、その一つ、崩壊したはずの入口の隙間から微かな足音が聞こえてくた。

 そこはクゼルが出て来た場所ではない別のところ。その場所近くには一人の黒衣を身に纏った人物が滞在していた。まるで誰かを待っているかのようだ。


 足音を聞き、その人物はジッと入口の方に視線を向けている。その音は徐々に大きくなり、しばらくしてピタリと止まった。

 そしてドゴォッという破壊音とともに入口を塞いでいた岩々が吹き飛ばされる。中からは小さな光とともに何者かが姿を現した。


「やあイシュカ、待ったかい?」


 そう言って出て来たのは先代魔王アヴォロスだった。その不敵な笑顔はいつも通りだったのだが、次の瞬間ガクッと彼は膝をついた。

 よく見れば彼の体はボロボロで血塗れだった。常人ならここまで歩いて来れなかっただろう。

 慌てた様子でイシュカと呼ばれた黒衣の人物は近づく。そして彼の体を労わるようにそっと手を彼の肩に添える。


「……無理し過ぎです」


 まるで口にマスクでもしているのか、くぐもった声が静寂を包むその場に響いた。


「アハハ……さすがにコレを解放したからね。覚悟はしてたよ」


 アヴォロスは左手に持っている剣を指差して苦笑を浮かべる。その小さな口から放たれる言葉は普段のような軽口ではなく、痛みを我慢しているような吐息が混じっていた。

 そしてふぅ~っと大きく溜め息を吐くと、その場に座り込んだ。しかしその右手に持っている小さな光は決して手放さないといった意思が伝わってくる。


「それが……?」

「うん、コレが《初代魔王の核》だよ」

「陛下がそのようなお姿になってまで手に入れるほどの価値あるものなのですか?」

「そうだねぇ、本当なら《サクリファイス》は使いたくなかったんだけどね。今のこの身体じゃ、逆に喰われる恐れもあったし……」

「陛下……」

「でも、どうしてもコレは必要なんだよ。余の望みを叶えるためにはね」


 その青白い光を放つ小さな火のようなものをアヴォロスは悦を込めた瞳で見つめる。


「しかし何故私をこの場に残されたのですか? 私がお傍に控えていればそのような傷を受けずとも済んだかと」

「ん~あの場に居ちゃ君も巻き込まれたからねぇ。今の余じゃ、コレを完全に制御するのは難しいし。だからここに待機してもらったんだよ」

「……そうでしたか」


 イシュカがそう言葉にした時、アヴォロスの瞼がゆっくり下がっていく。

 そしてアヴォロスは大きく息を吐き、額から滲み出ている大粒の汗を手で拭おうとするが、その手が震えているのをイシュカも確認する。


「それに……必要でしょ? 余を城へと……届ける人……材が……」

「……?」


 すると突然《核》がアヴォロスの持つ剣に吸い込まれるようにして消失し、次の瞬間アヴォロスは目を閉じたまま頭を垂れた。まるでスイッチの切れた玩具のように動かなくなった。


「陛下っ!?」


 イシュカは彼をそっと支えると、その小さな身体を抱える。そして地面に落ちてしまっている剣を掴もうとした瞬間、


「オイテメエ、俺様ニ触ルンジャネエ!」


 剣から確かに聞こえてきた不気味な怒声に反射的に退くイシュカ。


「アァ? 何ダヨオイ、ソノガキクタバッチマッタノカ? ゲギャギャギャギャ!」

「……そうか、お前が《サクリファイス》の意思か」

「アァ? ナニ気安ク名前呼ンデンダコラ!」

「……陛下は生きている。お前は陛下の剣。一緒に来てもらう」

「ホホウ、マア生キテンナライイゼ。ソレニ美味エモン喰ワセテクレタ礼ダ。モウ少シダケ付キ合ッテヤルゼ! ゲギャギャギャギャ!」


 イシュカは静かに警戒しながら剣に近づき手に取る。


「シッカシ、俺様ヲアソコマデ使エルトハ驚イタガ、ソノガキニ言ットケ」

「……?」

「アンナンジャ、マダマダダッテナ。ゲギャギャギャギャ!」


 頷きもせずにイシュカは二つの存在を抱えると、


「――アクエリアスゲート」


 小さく呟いた瞬間、イシュカの足元に大きな水溜りが広がっていく。


「ホホウ、水ノ転移魔法カ? 久シブリニ見タゼ」


 感心するように言う《サクリファイス》の言葉には何の反応も示さず、そのまま水の中へとイシュカは彼らを抱えたまま沈んでいく。


 翌日、見回りをしていた【魔国・ハーオス】の兵士たちが【シャンジュモン洞窟】崩壊を確認するが、その報告を聞いた魔王イヴェアムとアクウィナスに衝撃が走ることになった。



     ※



 夜遅く城に侵入するのは問題が起きたらまずいと判断したクゼルは、翌日朝を迎えてからすぐにリリィンのもとへと走った。

 クゼルの訪問は事前にイヴェアムも報告を受けていたので、その旨を知らせておいた兵士もクゼル本人だと確認した後、城の中へと案内した。


 リリィンたちは彼の訪問を知って、ようやく来たかと思い彼を迎え入れたが、血相を変えている彼の表情を見て何かあったことを悟り、その事情を聞いたのである。


「何だとっ!? 《核》が奪われたっ!?」


 リリィンはイヴェアムから与えられている客室全体に響くような叫び声を上げる。


「馬鹿な!? 幾ら先代魔王でもアレを捕獲することなどできるはずがないわっ!」


 自身をも騙す幻術力を持つ《初代魔王の核》。

 それが幾ら魔王と名乗ったことのある者でも入手できないとリリィンは踏んでいた。それだけアレの存在は異質であり、誰かがそう簡単に手に入れられるものではないと思っていた。


「そう、確かにアレほどのものは簡単には手にできないはずです」

「ならば!」

「ですが、簡単でない方法をとったのだとしたら……どうですか?」

「…………どういうことだ?」


 クゼルの言葉で幾分か冷静さを取り戻したリリィンは、鋭く細められた目をクゼルへと向ける。


「先代魔王は…………《サクリファイス》という剣を使いました」


 重々しい雰囲気で彼はそう言うが、その場にいたリリィン含めてシウバ、ニッキ、ミカヅキ、シャモエはその存在を知らないのか首を傾けている。


「……何だそれは?」

「……私が生み出し……あ、いえ、ほとんど事故のようなものでしたが、その誕生を目にし、その存在の邪悪さを感じてある場所に封印したはずの剣です」

「……貴様がそれほど言うとは、一体どのような剣なのだ?」


 クゼルが次の言葉を紡ごうとした時、部屋の扉にノック音が響く。


「すまないリリィン殿、性急に相談したいことがあるのだが」


 そこに現れたのは魔王城の主であるイヴェアムだ。彼女の顔もまたとんでもない案件を抱えているかのように難しい顔つきをしていた。


「……もしかして【シャンジュモン】のことか?」

「……知っていたのか?」


 恐らく洞窟が崩壊した情報は今朝届いたのだろう。それなのにリリィンがすでに把握していることが驚きのようだ。


「ああ、ここにいるクゼルはそこに住んでいた。それを教えに来た」

「す、住んでいた!?」


 クゼルの所在地を言っていなかったので、イヴェアムは驚愕の色を表情に表している。


「ク、クゼル殿があそこに……あ、いや、そうか……ヒイロなら何か発見できるかもしれないと思いリリィン殿に彼との連絡方法を聞きに来たが、【シャンジュモン】に起こったことをクゼル殿が御存知なら、是非教えてはくれないか?」


 どうやら何故【シャンジュモン洞窟】が崩壊したかは分かっていないらしい。だから解析や鑑定もできる日色を呼び戻す方法を知っていそうなリリィンを訪ねて来たということだ。

 しかし当事者であるクゼルがいるのなら、彼から話を聞きたいと彼女は言っている。

 リリィンもまた、どういう過程で《初代魔王の核》が奪われたのか知りたかったので早速クゼルに話を促した。

 ただその前に一つ確認しておくことがある。


「おい魔王、あそこに何が安置されていたか……知っているのか?」

「…………承知している。これでも魔王だからな」

「なら問題は無いな」


 それだけ聞くと、下手に説明しなくても良いと思って息を吐く。


「魔王、あとで質問するが答えてもらうぞ?」


 聞きたいのは、何故あそこに《初代魔王の核》が保管されていたか……だ。


「え、あ、こ、答えられるものなら構わない。し、しかしここでは誰が聞いているか分からない。会議室に案内するから来てくれないか?」


 その提案に、リリィンは移動の面倒さを感じていたが、ここは彼女の顔を立てて仕方無く応じることにした。しかし条件としてシウバを同行させることを許可させた。

 ニッキやミカヅキ、そしてシャモエは良く分かっていない表情をしていたので、理解力のあるシウバを連れて行くことにした。


 




 そこは魔王イヴェアムと《魔王直属護衛隊(クルーエル)》が魔国会議を行う部屋であり、部屋の中心には長卓が存在している。

 そして今、イヴェアム他、アクウィナスとマリオネ、リリィンとシウバ、そしてクゼルが椅子に腰を下ろしていた。


 皆を見渡せる位置には魔王専用の椅子があり、そこにはもちろんイヴェアムが陣取る。その両脇にはアクウィナスとマリオネが座っており、空いた席にはリリィンたちがいる。


「ではクゼル殿、あなたが【シャンジュモン洞窟】で見聞きしたことを教えてくれないか?」


 イヴェアムがクゼルに話を促すと、彼は小さく顎を引き静かに語り出す。


「分かりました。まず誰が洞窟を崩壊させたかというと……」


 そうして先代魔王アヴォロスの名を出すが、ほとんど驚きは見つけられなかった。リリィンたちはそれなりに驚いていたようだが、どうやらイヴェアムたちは誰の仕業か大よそ見当をつけていたようだ。


「やはり……アヴォロスか……」


 イヴェアムが苦々しい表情で絞り出すように呟く。その言葉を聞く限り、やはり予想を的中させたようだ。


「しかしどうやってアレを……」

「そうだクゼル、それはワタシも気になっていた。貴様は先程奴が持っていた剣のことを話そうとしていたが、その剣が肝なのだろ?」


 リリィンが先程話題に出ていた剣のことを思い出して尋ねる。


「先程も少し話しましたが、彼が手にしていた剣。その名を《サクリファイス》と申します」


 やはり誰もその名前を聞いたことが無いのか眉をしかめている。しかしリリィンだけは見た。無表情を装っているアクウィナスの眉が僅かばかりに動いた瞬間を。


「サクリ……ファイス? 聞いたことが無い名前だが、何なのだそれは?」


 マリオネが自慢の口髭を触りながら聞く。


「……《魔剣・サクリファイス》。かつてその危険性を察知し、封印したはずの剣です」

「……封印した? す、少し待ってほしい。その言い方だと、あなたが封印したという意味に聞こえるが……?」


 イヴェアムの疑問は尤もであり、他の二人も同様に怪訝な思いでクゼルに視線を送っている。


「そうですね。そう受け取って頂いて構いません。《サクリファイス》は私がこの手で確かに封印した剣です」

「そ、そうなのか……その《魔剣》を何故アヴォロスが?」


 イヴェアムの問いにクゼルは目を若干伏せ気味に答える。


「それは分かりません。どうやって剣の封印場所を知り得たのか、またどうやって封印を解いたのか理解が及びません。ですが彼が持っていたのは間違いなく《サクリファイス》でした」

「…………どこに封印をしていたのだ?」

「【ベリアル海】の海底です」


 その名前を聞いてほとんどの者は絶句する。


「【ベリアル海】……ここから遥か北に位置する海で、途切れることの無い渦潮と激しい海流。そして何よりも凶暴なモンスターが数多く生息する危険度ランクSSSに指定されている魔の海……そこに剣を?」


 そう解説しながら問うたのはマリオネだった。クゼルが肯定するように頷くが、


「馬鹿も休み休み言うのだな! 確かにそこの海底なら生半可な者が安易に足を踏み入れられる場所ではないが、貴様のような者がそこへ行っただと? 謀るのもいい加減にしろ」


 マリオネが呆れたように鼻で息を吐くと、言葉を向けられている張本人であるクゼルではなくリリィンがムッと不愉快さをその表情に見せる。だが尚もマリオネは続ける。


「大体【シャンジュモン】に住んでいたというが、それこそ怪しいわ。あそこは人が住めるような場所ではない。見たところただの『インプ族』が嘯いているとしか映らんぞ」

「マリオネ、口を慎め」

「しかし陛下……」


 イヴェアムは忌憚なく言葉を吐くマリオネを窘めるが、彼は肩を竦めるだけで言葉を撤回するつもりなど無いはずだ。

 その態度にいい加減腹が立ったリリィンはその鋭い視線をマリオネにぶつけて一言ぶつけようと口を開こうとするが、


「マリオネ、お前ともあろう者が、本質を見極められないとはな」


 今まで一言も話さなかったアクウィナスだった。


「な、何を言っている貴様は?」

「そこに居る者が嘘を言っているのかどうか、それが分からないお前ではないだろう?」

「ぬ……」


 二人は互いに視線を交わすが、先に目線を外したのはマリオネだ。


「《核》を奪われてイライラしているのも分かる。しかし今は少しでも多くの情報を得る方が先決。もう少し余裕を持て」

「これが悠長に構えていられる話かっ! あの《核》が先代魔王の手に渡ったのだぞ! 今すぐに取り返しに行かなければ奴はきっとこの国に災いを起こすっ!」


 バンッとテーブルを叩き勢いのまま立ち上がるマリオネ。だがその怒気を真正面から受けても波風を立てないアクウィナスは、


「その者は嘘などついてはいない。そうだな、ついていると言えば……その奇妙な姿か」


 アクウィナスはその切れ長の瞳を流しクゼルに向ける。イヴェアムとマリオネは彼の言葉に不思議を感じて眉を寄せていたが、リリィンは軽く舌打ちをして「厄介な」と口に出していた。


「どういうことだアクウィナス? 彼の姿が奇妙とは? ……リリィン殿?」


 イヴェアムは事情を知っているであろうリリィンに尋ねるために顔を向けてくる。クゼルも困惑した様子でリリィンを見つめる。


(……はぁ、ホントにアイツの瞳はめんどくさいな)


 リリィンは鬱陶しそうにアクウィナスの赤い瞳を見て苛立ちを露わにする。そしてその彼の瞳が今度はリリィンに向けられる。


「安心しろ。その者が何者であっても客人であることは変わりはない。そちらが望まないことをするつもりはない」

「…………」


 二人は互いに視線を逸らさず見つめ合う。


「……約束しよう」

「ほう、ずいぶん器の広いことだが、軽々しくそのような約束などしていいのか? 貴様は魔王ではないだろうに」


 リリィンの言い分は至極当然だった。挑発するように言い放ったリリィンの言葉に先に反応したのはアクウィナスではなくイヴェアムだった。


「リリィン殿、アクウィナスがそう言うのであれば私も守ろう」

「…………もし違えた時は?」

「そのようなことは絶対無い。王の名に懸けて二言は無い」

「…………一つ条件がある。ここにいる男が何者か理解しても、それをこの場にいる者以外に漏らさないと誓ってもらう」

「……了解した」


 彼女のそんな言葉にリリィンは溜め息を漏らし今度はクゼルの方に顔を向けて小さく頷いた。

 クゼルもまた少し思案顔を浮かべはしたが納得したように頷きを返した。彼も不安を覚えてはいるだろうが、リリィンの気遣いとイヴェアムの人柄を判断してくれたようだ。


 そしてクゼルは静かに口を動かす。


「実は――」


 クゼルは自身の正体が本当は『魔人族』などではなく『獣人族』だと口にする。

 するとマリオネがさらに険しい表情を浮かべ、イヴェアムもまた微かに口を開いて固まっていたが、クゼルはそのまま説明を続けた。


「ば、馬鹿な……き、貴様があのクゼル・ジオだと?」


 マリオネが信じられない面持ちで彼の名前を発する。

 対してイヴェアムは今いち分かっていないような表情だ。彼女はクゼル・ジオという人物の詳細を知らないようだ。


「クゼル……名前を聞いた時まさかと思っていたがやはりな」


 アクウィナスはその知識と、クゼルの正体を看破した瞳のお蔭でクゼルが鍛冶師クゼルだと予想はしていたようだ。


「この姿はヒイロさんに変えて頂いています。余計な面倒事を避けるためにです」

「な、なるほど……ヒイロならそれも容易いか」


 イヴェアムは何度もその小さな頭をコクコクと動かして得心している。


「し、しかし証拠は?」

「何だ? まだ信じないつもりか?」


 マリオネの更なる追及にはリリィンが不機嫌面を作る。


「ならそっちの《序列一位》様にでもクゼルが嘘をついているかどうか確かめてもらったらどうだ? 大層な瞳をお持ちのようだしな。真偽を見抜くなど些かの労力にもなるまい」


 アクウィナスに視線を促し、マリオネだけでなくイヴェアムも彼を見つめる。アクウィナスは静かに目を閉じ口を動かす。


「…………真実だ」


 その言葉で十分だった。彼の《魔眼》が真実を見抜くことは重々に二人は把握している。そしてこの場において彼が嘘を吐くなどするはずもなく、つまりクゼルの言ったことが正しいことを証明した。


「し、しかし何故あんな場所に住みついて? いや、というより今頃になって何故公の場に出てきて……」

「そんなこと今議題に上がっている案件とは何ら関わりの無い話だろ? 今クゼルに聞くべき話は《魔剣》がどういうもので、今後どのような対策をしたらいいか……だ」


 マリオネの疑問は尤もなのだが、その疑問をあっさりとリリィンが打ち崩した。正論でもあったためマリオネも反論できず押し黙ることになった。


「そ、そうだな。リリィン殿の言う通りだ。すまないクゼル殿、あなたがヒイロの仲間だというのであれば何ら問題は無いのだ。たとえ出自や経歴がどうであろうと、あのヒイロが認めたのなら私は何も言わない」


 イヴェアムのその言葉にクゼルは感心したのか目を見開き、そして優しく微笑む。


「ありがとうございます。あの少年は、やはり思った以上のとんでもない人物のようですね」


 言外には魔王を手なずけるとは恐れ入るといった意味がその言葉に込められていることをリリィンは見抜く。


「では聞かせてほしい。あなたの知っていることを」

「はい」







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