暗いうちに動かなくちゃ‼
童話『小人と靴屋さん』を連想して書いてみました
私たちが住んでいる場所は、本体の役割をしている夢追い人の理想郷、つまり心の真ん中。
夢追い人の人間さんには、産まれた時からそれは素敵な夢がある。
まあ……夢はどれも素敵な存在に決まっているけどね‼
夢工房の深夜礼が始まり、スタッフとして働く私たちは定位置の夢歯車の傍らに集まっていた。
夢歯車は夢を持つ人間さんの内側に作られている歯車で、夢油を一晩中かけると廻り続ける仕組みだ。
ー夢長さん、こんばんは‼ー
私たちは声を合わせて、始まりの言葉を唱える。
「はい、こんばんは。
皆の衆、今宵も夢回転作業を続けるのです‼
本体である人間さんの夢の為!」
夢長は夢を語れば二分で少しばかり長いので、夢の語りが始まる前に私たちは作業に入る。
「夢歯車を回転しまあす‼」
「了解!」
「回転フル‼」
電源をフルモードに合わせれば、夢歯車は光の速さで回転を始める。
夢歯車がシステム障害を起こさないよう、夢油をかけ、夢データを集め、常に夢を守らなければ、人間さんは夢を無くしてしまう。
人間さんの夢は……えっと、内側に居るから分からない。
分からなくても、夢歯車を廻していれば細かい事は気にしないで働ける。
人間さんが眠りについている暗い間に働いて、朝になれば夢が実現しているように私たちは頑張るだけ。
「人間さんが夢を叶えられますように!」
夢歯車は、夜中いっぱい廻り続ける。
夢は靴……つまり目が覚めたら夢が実現していたというお話です




