公爵家パワー
アルメア「アミナス様、彼女達は?」
アミナス「えっと、」
朝食の席でそれは起こった。
オルガ「アミナスの幼なじみのお姉さんだ。この国の騎兵隊少佐で護衛のオルガ•サングリエ。」
ダリア「秘書のダリア•シュピーゲルです。」
ネブリナ「そして、私が正妻のネブリナ様だよ。」
アルメア「はぁ、どうも。私はアルメア•ルドハネ。公爵家のものです。」
女豹達とアルメア嬢のファーストコンタクト。
アミナス「こ、こうやって顔を合わせるのは、みんな初めてだね?!」
シーン
アミナス「あ!これおいしい!」(チラッ)
オルガ&ダリア&ネブリナ(むっすー)
ひぇー、仲良くしてよー!
オルガ「アミナス、黙食でしょ?」
え?そうだっけ?
ネブリナ「だまーって食べな。」
アミナス「は、はい!」
昼食前のゆっくりした時間、僕はここに来た所感を聞こうとアルメアを庭の席に案内した。
アミナス「首都に比べたら何もないでしょ、ここは?」
アルメア「ですけど、そんなことより……」
なんだろうか?
アルメア「アミナス様はご結婚なさってたんですか?」
あ、ネブリナが気になるのかな?
アミナス「そ、そうなんだ。黙ってるつもりはなかったんだけどね?」
そういうことだから帰ったほうがいいよ!
アルメア「では、私は側室ですね!」
どこか寂しそうではあるが、あれ?引き下がらないぞ?
アルメア「私もネブリナ様のようになれるよう頑張って食べます!」
アミナス「いやー!君はそのままでいいよ!」
あんなフクヨカな人は二人もいらないよー!
アルメア「このままの方がそそりますか?」
アミナス「へ?」
アルメア「私はこれが政略結婚ってわかってます。だから、お父様からも早く子供を作れと言われてます!」
えぇー!あの人 何、吹き込んでんだ?!
アミナス「君はまだ若いアルメア嬢。自分の幸せを追い求めたほうがいい。」
アルメア「私の幸せは両家の橋渡しをすることでございます!正式に結婚となれば両家はこの国の両翼を担うことになる!
ルドハネの経済力とアミナス様の行動力を合わせれば隣国に後れを取ることもない!この国の盤図を広めることもできましょう!」
うわ、覇道の女性だ!この子!
そこへ木材を満載した荷馬車が数台、庭の向こうの道路に止まった。僕は何が始まるのかと気になって聞くことにした。
「よーし、この辺でいい!降ろせ!」
アミナス「あのー?今から何が始まるんです?」
「ん?何って建設ですよ!」
アミナス「何の?」
「そりゃ、いろいろですよ!」
アルメア「もう、きましたか、早いですね。」
え?
僕の後ろからアルメアが庭の垣根まで進み出てくる。
ドカッ!ドカッ!……!
オルガ「おーい!アミナス!」
そこへプラテラの視察に出ていたオルガ姉が馬で帰ってきた。
アミナス「オルガ姉、どうしたの?」
オルガ「プラテラの跡地に何台も荷馬車が来て、街の再建が始まったんだ!」
え?
アルメア「先ずは地盤を固めて、手始めにカウテースを削り取りましょう!アミナス様!オルガ様も!」
アミナス「えぇ?!」
オルガ「うお?!めっちゃ、大きく出たな!この子!」
後に、アルメア嬢の読書とは戦史や戦記ものだとわかった。
オルガ「結構、話わかるじゃん!気に入ったよ!あの嬢ちゃん!」
アルメア嬢に対するオルガ姉の好感度は爆上がりした。
次の日
涼しくなってきた昼下がり、僕はロイ元大佐から兵法書を借りて屋敷に帰ってきた。
アミナス「あ、そうだ。ネブリナに頼んでた魔法書そろそろ来てるかな?」
僕はその足でネブリナの部屋へと向かった。すると、ネブリナは床に敷いてあるビロードの絨毯をどけて何やら札を張っていた。
アミナス「何してんの?」
ネブリナ「うぉ!?なんだ、アミナスか。脅かすなぃ。」
アミナス「そこの扉って……アルメアのとこじゃないの?」
ネブリナはアルメアの部屋の前に札を張っていた。
ネブリナ「当たりさね。」
まさか、人命に関わるやつじゃないだろうな?
アミナス「ちょっと、ちょっと、相手はまだ10歳の女の子なんだから!本気にならないでよ!」
ネブリナ「安心をしよ!“イネ”の呪いさ。死にはしないよ!」
人を呪うな。
べりっ
ネブリナ「あー!この□リコン!あんな子がいいのかい!」
アミナス「みんな、仲良くしてよ!」『ひ、否定はしない!』
アルメア「どうかなさったんですか?夫婦喧嘩ですか?」
アミナス「な、なんでもないよ?!」
ネブリナが魔女ってバレたら僕まで捕まっちゃうよー。等の本人は顔を真っ赤にして空を見つめて何やらつぶやいている。
ネブリナ「うふふふふ!夫婦だってさ、アンタ!」
(バシバシ)
いてて、とりあえず、気分は良いのか?
アミナス「それでネブリナ、注文してた本は来た?」
ネブリナ「おお、届いてたよ?私の部屋の中さね。」
ダリア「これですか?」
そこへ本を持ってダリアが突然現れた。驚く僕とアルメアとは違いネブリナは思惑を妨害されて怒っている。
ネブリナ「!シュピーゲル!」
ダリア「部屋に連れ込もうたってそうは行きませんよ!」
察したアルメアはネブリナから距離を取った。
僕と同年代のダリアと10歳のアルメアは並ぶと姉妹のように見えた。髪は金髪と赤毛だったが。
ゴゴゴゴゴ……
ネブリナ「どっちが上か、決着と行こうか!シュピーゲル!」
ダリア「やぁね?年増は。若さで私の娘にかなうわけないでしょ?」
アミナス「えっ?!ちょっと!2人ともここで?!」
アルメア「私にお任せください!アミナス様!」
そう言うとアルメアはスカートのポケットから小さな木箱を取り出した。
アルメア「出でよ!屍鬼神!家守衆!」
その木箱の蓋の隙間から大きなムカデが2匹出てきて、ネブリナとダリアに巻き付いた。
ネブリナ「屍鬼神だって?!コイツ、鬼霊を飼ってやがったのか!」
ダリア「やるじゃない?お嬢ちゃん!」
僕は起きた出来事についていけず、腰を抜かした。
アミナス「アルメア、君は一体、何者なんだ……?」
アルメア「私は人間ですよ。アミナス様もお答えください、この人たちは人間ではありませんね?」
バレた……
ダリア「反省してます。」
ネブリナ「私は負けたわけじゃないからね!」
オルガ「……話がよくわからないんだが?」
夕飯の席でダリアとネブリナはアルメアに正体を明かした。
アミナス「アルメア?このことは……」
アルメア「私も屍鬼神使い。教会には言いませんよ。」
ホッ。つか、まーた、専門用語だ。
アミナス「屍鬼神って何?魄神とは別なの?」
ネブリナ「シキガミには三種類あるのさ、先ずは紙の形代に鬼霊を宿す式神。体に宿す魄神、そして最後に、死骸に宿す屍鬼神。その箱の中身はー」
アルメア「はい。ムカデの死骸です。」
うわぁ、この子そんなの持ち歩いてんのか。
ネブリナ「この子は道女だ。魔女とは違う。普通の人間、東洋の魔法使いのたぐいさね。」
へぇ。
オルガ「その鬼霊ってのは?」
ネブリナ「スピリット、浮遊霊、魂……まぁ、別名を知ったところで意味はないかもだけどもさ。」
アミナス「アルメアは若いのに、いろいろ体得してるんだ?」
アルメア「いえ、私の屍鬼神はアレだけ。お師匠様はもっと強力なたくさんのシキガミ使いでした。この子達も護身用にとお師匠様がくれたものです。」
とりあえず、どうするんだ?コレは?
アミナス「みんな、よく知り合えたんだし、今日はこの辺で。」
女性陣は一様に頷いた。
アミナス「そうだ!頃合いを見てみんなでピクニックに行かない?」
オルガ「あ、それで思い出したけどさ、アミナス、世界樹跡地にはいつ行く?」
あ、忘れてた。色々あって……
アミナス「じゃぁ、そっちを先に片付けようか?」
ガイアエピタフってのも気になるし、なんで複数形だったかも。
ネブリナ「その間に、またエステでも行こうかな?あたしゃ。」
ダリア「あ、私も!」
ほんとは仲いいんだなこの二人は。
アルメア「じゃあ、私はお留守番してます。村の開発が始まったばかりですし。」
その夜、僕はベッドに入り、天井を見つめながら今後のことを考えた。
アミナス『まだ成人もしてないのに結婚(仮)だ、婚約だと忙しい13歳だ。色々、ありすぎなのでは?』
幼なじみのお姉さんで騎兵隊少佐、鬼神オルガ
押しかけ女房の巨乳魔女、霧の魔女ネブリナ
戦略魔法を2つ使う、同い年(?)の鏡の魔女ダリア
名門公爵家ルドハネの末娘の屍鬼神使いアルメア
…………
アミナス『はっきり言ってハーレムだよな。』
でも、僕はダリアが一番好きなんだよ。
それを言ったら多分、今の関係は崩壊する。それはダメなことだと思うし、みんなには仲良くいてほしい。
僕は目を閉じた。
ピクニックではしゃぐ彼女たちを思い描いて。




