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夜噺  作者: uyu


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5/9

その⑤ 携帯電話のカメラ

 スマートフォンではなく、昔の携帯電話の話。


 あの小さい画面、カメラで、可怪しい写真が撮れた。

 私が何の気無く、務め先の工場を外から撮った時。

 壁の向こうからこちらを覗く、明らかにこの世のモノでは無い、男が写っていた。

 そう思ったのは、男があり得ない位置に写っていたからだ。

 覗き込む男は建物の三階部分、階段も、立てるような出っ張りも、身を乗り出す為の窓も、何も無い筈の、建物の外側に写っていた。


 慌てて、直ぐ様、同僚に見せた。

 「うわ、マジだ。写ってんじゃん、やべー」

 皆が同じような反応だった。


 次の日。

 あの写真もう一回見せて、という同僚にせがまれ携帯に保存した写真を見せる。

 「あれ?あいつ消えてね?」

 言われて写真を確認する。


 私の目には変わらず、男が写っている。

 昨日よりも、近付いて来ている様にも見えた。

 「え?俺には見えないけどな」

 同僚はそう言っていた。


 次の日。

 一人であの写真を確認する。

 昨日よりも、更に近付いて来ている。

 既に、その顔が判別出来るくらいには。

 男は、泣いている様な、笑っている様な顔だった。


 次の日。

 同僚に、体調が悪そうだと言われた。

 一人で写真を見るのが怖かったので、同僚と一緒に見てもらう事にした。

 「いや、やっぱ消えてるよ」

 そう言われて、意を決して画面を見る。

 いつもより、画面が少し暗く見えたが、写真の中の男は消えていた。


 次の日。

 不安から解放された安心感からか、微熱が出たので休んだ。

 一人で写真を確認しても、もう何も可怪しい事は無かった。


 現在。

 携帯からスマートフォンに時代は移り変わる。

 でも僕は、二度と写真を撮らない。

 渡すものか。僕のものだ。


 了

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