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ダイアン迷宮 紅牛コフィンと銀狼  作者: ナポ
第一部 四十階層
5/13

エピローグ

三日三晩の見えない壁との激闘は虚しくも実りなく。ブラックロータスは寝た。門番であるブラックロータスに睡眠行為は必要ない。しかし、ブラックロータスは何かに誘われるように寝た。


ブラックロータスは夢を見た。

そこは迷宮のような薄暗い部屋ではなく、天井もない。どこまでも高い空間に幾千万の光が輝いていた。


丸い大きな球体が浮いている。伝説で聞いた月と星なるものであろうか。


ブラックロータスは旅に出た。


ブラックロータスは緑豊かな森を見た。


ブラックロータスは遥かに広大な山々からの景色に、その壮大さに、風を感じた。


ブラックロータスは海を見た。寄せては返す波を飽きることなく見つめていた。


ブラックロータスは燃えるような朝日をみて夕日を見た。心が何故かざわついた。


ブラックロータスは様々な生き物を見た。


夢の中ではブラックロータス多種多様な生き物と言葉を交わすことができた。


ブラックロータスは夢を見た。


清みきった風が吹く草原の真ん中に、銀髪の剣士が佇んでいた。


剣士はブラックロータスを待っていたのだ。


ブラックロータスは歓喜した。


ブラックロータスは闘った。

どれだけの時を闘ったであろう。それは一分にも満たなければ、一時間であり1日であり一年だった。その夢のような時間に短さや長さ等は不粋であった。


ブラックロータスは目を覚ました。


ブラックロータスは泣いていた。


ブラックロータスは想いを馳せた。


迷宮の外に、この世界にはブラックロータスの知らないものが多すぎる。


出たい。


出たい。


そして、色々なものを見たい。


何よりも待っている。


あの銀髪の愛しきものが、いまかいまかとブラックロータスを待っているのだ。


あのそよ風が吹く草原で。


『がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ』

ブラックロータスは吠えた。

ブラックロータスは門番であることを否定した。


その時に、ブラックロータスが守るべきものを見た。


(あるではないか)

(目の前に扉が……)


ブラックロータスは四十階層主部屋の扉を見て嗤った。



今日も読んで頂いてありがとうございます。


次回『第二部 獣たちの晩餐会』に続きます。

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