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彼の幸せを願っていたら、いつの間にか私も幸せになりました  作者: Karamimi


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アリサお義姉様と街に出かけます

アリサお義姉様との初対面を終えてから、1週間が過ぎた。昨日無事お義姉様の引越しも終わり、一緒に住み始めている。


今までは使用人はいるにしても、ずっと独りぼっちだった私は、急に家族が増えた事で、戸惑いながらも楽しい毎日を送っている。


特にアリサお義姉様は、本当に明るくて場の雰囲気を盛り上げてくれるのだ。彼女がいるだけで、家の中がグンと明るくなる。そして、色々とお兄様の世話を焼いているのだ。


完全にアリサお義姉様に手綱を取られているお兄様。私には結構文句を言うのに、アリサお義姉様には言いなりになっている。そんな姿も、新鮮で面白い。


今日も朝4人で朝食を摂った後、学院に向かうお兄様を見送る。もうすぐ教授として働く予定になっている為、色々と準備があるらしい。


お兄様を見送った後、アデル様に通信をする。毎日朝昼晩の最低3回は通信すると約束した。アデル様と離れ離れになって、もう10日だ。正直会いたくてたまらない。


でも…

嬉しそうに私たちを見つめるおばあ様を見ていると、もう帰りたいだなんて、言い出せないのよね。とは言っても、折を見て帰る事を伝えないといけないのだが…


そんな思いを抱きつつ、通信機を取った。


「おはようございます、アデル様。そちらは変わりないですか?」


“おはよう、ローズ。こっちは変わりないよ。ただ…やっぱりローズがいないと寂しくてね。それで、いつ頃帰ってこられそうだい?もう10日も会っていないんだよ”


「私も、寂しくてたまりませんわ…でも、やっと生活が落ち着いてきたところでして。もうしばらくこっちにいようと思っております」


“そうか…わかったよ。でも…いいや、何でもない。慣れない異国生活だ、体を壊さないように、気を付けるんだよ”


「ありがとうございます。アデル様も、どうかお体には十分気を付けて下さいね。食事をしっかり摂って、しっかり寝て下さいよ。前みたいに、ガリガリになっていたら嫌ですからね」


“分かっているよ。そんなに心配なら、早く帰って来てね”


「ええ、分かっておりますわ。それではまた後程」


通信機を切った後、ついため息がでる。やっぱりアデル様に会えない日は辛いわね…まだ声が聞けるだけいいけれど…


最近では、通信を切った後も、しばらく通信機を抱きしめたまま、その場を動く事が出来なくなるのだ。今も通信機を抱きしめたまま、ベッドに座り込む。その時だった。


「ローズちゃん、ちょっといいかしら?」


やって来たのは、アリサお義姉様だ。


「ええ、大丈夫ですわ。どうかされましたか?」


「ねえ、ローズちゃん、今から一緒に街に出ない?」


「街にですか?」


「そうよ、あなた、この国に来てからほとんど屋敷から出た事がないでしょう?せっかくグラシュ国に来たのですもの。ぜひこの国を好きになって欲しくて」


確かにこの国に来てから、ずっと屋敷で過ごしている。


「分かりましたわ。ぜひ、連れて行ってください」


「よし、決まり!それじゃあ、早速行きましょう」


アリサお義姉様に手を引かれ、そのまま馬車に乗り込んだ。


「この国にはね、色々な国の人が暮らしているのよ。だから、色々な国の文化が入り混じっているの。食べ物だって、服だって他国の物がたくさん売られているの。だからきっと、ローズちゃんにも楽しんでもらえると思うわ」


「そうなのですか?グラシュ国は勉学が盛んだとは聞いておりましたが、他国の文化が楽しめるなんて知りませんでしたわ。それは楽しみですわね」


一国にいながら、他国の文化を楽しめるなんて。なんだか不思議ね。


まず最初に向かったのは、洋服屋さんだ。


「ローズちゃん、ここはこの国でも人気のデザイナーがデザインした服が売っているお店なのよ。斬新な服もあるから、見ていきましょう」


せっかくなので、ゆっくり見て回る。さすが人気デザイナーのお店だけあって、可愛らしいワンピースやドレスが並んでいた。そして、個性的なお洋服も…


「アリサお義姉様…これはどう見ても下着の様な気がするのですが…下はズボンですか?」


上は胸だけを隠せるくらいの布に、下は男性が履くようなズボンなのだ。ただ、足首のところがポッコリと膨らんでいる、珍しい服だ。


「これは異国の衣装だそうよ。ほら、あそこのマーメードドレスの様な服も異国の衣装よ。…これは…中々大胆な服ね」


珍しい服たちの奥にあったのは、上下はどう見ても下着、その上にスケスケの布が掛けられた何とも言えない斬新な服だ。こんな恥ずかしい服では、さすがに外は歩けないだろう…


本当に色々な服があるのね…


結局ここでは、シンプルな花柄のワンピースを購入した。


「さあ、お腹が空いたでしょう。次はご飯にしましょう」


「はい、私、もうお腹ペコペコですわ」


今度はどんなお店に連れて行ってくれるのかしら?なんだか楽しみね。

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