表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
彼の幸せを願っていたら、いつの間にか私も幸せになりました  作者: Karamimi


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

57/87

マイケル様とスイーツを食べに行きます【後編】

やって来たパフェは、予想通りかなり大きい。これは食べられるかしら?そう思いつつ、早速シェアしながら食べていく。


「ここのパフェはフルーツもとてもみずみずしくて美味しいね。これは病みつきになりそうだ」


そう言ってマイケル様が嬉しそうにパフェを頬張っている。カルミアやファリサもどんどん食べ進めている。私も負けてはいられない。それにしても、本当に美味しいわ。


気が付くと、ペロリとパフェを平らげていた。


「ローズ、あなたなんだかんだ言って、綺麗に食べているじゃない」


そう言ってファリサが笑っている。


「そうね、美味しくて気が付くと平らげていたわ」


私もつられて笑った。


「さあ、お腹もいっぱいになったし、そろそろ帰りましょうか?」


「そうね」


4人でお店を出て、それぞれ馬車に乗り込もうとしたのだが…


「ローズ、ちょっと寄りたいところがあるのだけれど、いいかな?」


私に話しかけてきたのは、マイケル様だ。一体どうしたのかしら?


「ええ…構いませんよ。どこに行くのですか?」


「それは内緒だよ。さあ、行こうか」


とりあえずマイケル様の馬車に乗り込んだ。そして、ゆっくり走り出す馬車。辺りは薄暗くなってきた。


「あの…マイケル様。一体どこに行くのですか?」


「とても素敵なところだよ」


そう言うと、マイケル様がにっこり微笑んだ。でも、マイケル様の笑顔とは裏腹に、森の奥に入って行くではないか。なんだか怖くなってきたわ。


しばらく走ると、開けた場所に来た。


「まあ、何なのですか?あの美しい光は」


窓の外は薄暗いのに、あちらこちらで青い光が奇麗に輝いているのだ。


「あれはね、ルキオラと呼ばれる珍しい昆虫が光を発しているんだ。どうだい?とても綺麗だろう?せっかくだから、馬車から降りてみよう」


マイケル様に連れられ、馬車から降りた。それにしても、本当に綺麗だ。まるで青い宝石をちりばめたみたいな、幻想的は風景が広がっている。


「マイケル様、とても素敵ですわ。こんなにも美しい風景、初めて見ました」


「それは良かったよ」


そう言うと、なぜか私の方を真っすぐ見つめるマイケル様。


「ローズ、俺は君に初めて会った時から、君の優しさ、相手を思いやる心に衝撃を受けた。それと同時に、この子を守りたい、共に歩んでいきたいと思ったんだ。俺はローズが好きだ」


「え…」


思いがけないマイケル様の言葉に、頭が真っ白になる。マイケル様が、私を好き?それって…


「ローズは鈍いからね。俺の気持ちなんて全く気が付いていなかっただろう?」


「はい…私はマイケル様の事を、良き友達の1人だと…ですから…」


「ストップ!ローズ、君の気持ちは分かっているよ。今日はね、ローズに少しでも意識してもらいたくて、気持ちを伝えたんだ。だから、返事は今は言わないで欲しい。今聞いても、きっと断られるだけだからね」


「それなら、どうして気持ちを?」


「ローズに意識してもらうためだよ。このままじゃあ、いつまでたっても俺たちは友達のままだ。俺は、少しでも可能性があるなら、それに掛けてみたいと思ったんだ。ローズに気持ちを伝えた事で、君が俺を意識してくれたら嬉しいなって思って。それに今のローズ、すごく俺の事を意識しているでしょ?」


マイケル様がニヤリと笑ってそんな事を言っている。


「い…意識しているに決まっているじゃないですか!そんな事を言われて、意識しない人なんていません」


きっと私の顔は今真っ赤だろう。まさかマイケル様が私を好きだなんて…


「それなら、俺の作戦は成功だ。これからもよろしくね。ローズ」


よろしくねと言われても…


「さあ、少し冷えてきたね。そろそろ帰ろうか」


マイケル様に促され、そのまま馬車に乗り込んだ。いつもの様に普通に話しかけてくるマイケル様。この人、本当に私事を好きなのかしら?そう思うくらい、普通なのだ。


当の私はと言うと、完全に動揺してしまい、しどろもどろになってしまった。


「少しは意識してくれると嬉しいと思っていたけれど、そこまで動揺してくれるなんてね」


そう言って、マイケル様が苦笑いしていた。そうこうしている間に、我が家に着いた。


「送って頂き、ありがとうございます。それでは、また明日…」


「ああ、今日は付き合ってくれてありがとう。ローズ、また明日ね」


マイケル様を見送ると、フラフラと屋敷に入る。


「お嬢様、今何時だと思っているのですか?いくらお坊ちゃまがグラシュ国に戻られたからといっても、さすがに遅すぎです…て、お嬢様、顔が真っ赤ですよ。熱があるのではないですか?」


お兄様が帰った後、口うるさくなった執事が私に文句を言っている。でも、今はそれどころではない。


「私は大丈夫よ…遅くなってごめんなさい。今日は疲れたからもう寝るわ」


「あ、お嬢様!」


後ろで執事が叫んでいるが、そのままフラフラと自室に戻ってきた。ふと鏡を見ると、耳まで真っ赤だ。


「私、ずっとこんな顔をしていたのね…でも…」


さっきの事を思い出し、また顔が赤くなるのを感じる。

まさかマイケル様が私の事を好きだったなんて…


私、これからどうやってマイケル様に接すればいいのかしら?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ