表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
彼の幸せを願っていたら、いつの間にか私も幸せになりました  作者: Karamimi


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/87

怪我の原因を作った令息が私に会いに来ました

翌日、なんだかティーナ様に会うのが気まずくて、午前中に退院手続きを行い、屋敷に戻ってきた。一応ティーナ様にはもう退院したことを伝えてもらう様、使用人にお願いしておいた。


1日ぶりの我が家、やっぱり我が家は落ち着くわ。家に着くと、まずは紅茶でティータイムだ。一応私は令嬢なので、包帯とガーゼが取れるまでは学院をお休みしようと思っている。


先生の話では、2週間くらいで取れるだろうとの事だ。ただ最初はやはり傷口が目立ってしまうため、出来れば前髪で隠したいのだが、生憎剣が飛んできた時、前髪も上手に切れてしまっている為、傷が丸見えだ。


こうなったら、前髪だけでもカツラを被ろうかしら?そんな事を考えていると、メイドがやって来た。


「お嬢様、カルミア様とファリサ様がいらっしゃいました」


「まあ、2人が来てくれたの?」


どうやら私を心配して、2人がお見舞いに来てくれた様だ。急いで2人が待つ客間へと向かった。


「カルミア、ファリサ、来てくれたのね。ありがとう」


「ローズ…あぁ、何て事なの…可哀そうに…」


そう言って私を抱きしめてくれたカルミア。


「それにしても、令嬢が近くにいるのに剣の練習をするだなんて。本当に何を考えているのかしら。そうそう、あなたが今回怪我をした件、学院内でもかなりの噂になっているわよ」


そう教えてくれたのは、カルミアだ。


「噂になっているのね…お昼休みに中庭で怪我をしたのだから、仕方がないわよね…」


「それで、相手の令息たちは謝りに来たの?令嬢の顔を傷つけたのですもの。ただじゃ済まさないわよ!」


「そうよね、慰謝料をたっぷり貰わないと!そもそもこんな酷い怪我を負わせておいて、お咎めなしだなんて、本当にこの学院はどうかしているわ!ローズ、ここはしっかりと抗議をした方がいいわよ」


私の為に怒ってくれる2人、有難いわ。でも…


「私の為に怒ってくれてありがとう。でも私は、彼らを罰して欲しいとは思わないわ。きっと彼らもわざとではないのだから…それからね、実は昨日、アデル様から恋人役の契約を解除されたの…」




「やっぱり噂は本当だったのね。ローズとアデル様が別れたって、クラスの令嬢たちが騒いでいたの。どうやらアデル様自ら流したみたいだから、どうなっているのかあなたに聞こうと思っていたのよ。でもアデル様も酷いわよね。怪我をした令嬢に向かって、急に契約を解除しようだなんて。周りも“ローズ様がお顔に怪我をしてすぐに別れを切り出すなんて…”て、あなたに同情的だったわよ」


「そんな!お優しいアデル様はきっと、私の事を考えて契約を解除してくださったのよ。それなのにアデル様を悪く言うなんて…」


なんだか胸が締め付けられる。


「落ち着いて、ローズ。それでもアデル様は人気が高いから、他の令嬢たちが今度は自分と付き合ってもらおうと、既にアデル様にまとわりついているから、大丈夫よ!」


既にアデル様に、令嬢たちがまとわりついているのね…それはそれで、なんだか複雑だわ。


「とにかく、あなたは怪我を治すことだけを考えてね。しばらく学院はお休みするのでしょう?授業に遅れないように、しっかりノートをとっておくから、安心して」


「ありがとう、そうしてくれると助かるわ。そうだ、せっかく来てくれたのだから、お茶にでもしましょう。すぐに準備するわね」


近くにいたメイドに指示を出した時だった。


「お嬢様、マイケル・クラステーヌ様という方がお見えになっておりますが、どうなされますか?」


「マイケル様?一体誰かしら?」


聞いたことがない方だ。そう思っていると


「ローズ、あなたに怪我をさせた張本人よ。きっと謝りに来たのよ。どうする?あなたが会いたくないなら、私たちが追い払ってあげるわよ」


「それじゃあ、剣の打ち合いをしていた殿方なのですね。せっかく来ていただいたのだから、会うわ。隣の客間に通してくれるかしら?」


「はい、かしこまりました」


メイドが急いで部屋から出て行った。


「ごめんね、2人とも。少し彼と話をしてくるから、ここで待っていてくれるかしら?」


「何言っているの!私たちも一緒に行くわ。ローズにこんな酷い傷を負わせたのですもの。一言文句を言ってやらないと、気が済まないわ!」


えっ…文句…


「ちょっと2人とも、文句だなんて…」


さすがに止めて!そう言おうとしたのだが


「さあ、早速行きましょう」


凄い勢いの2人に圧倒され、これ以上何もいう事が出来なかった。結局2人に連れられ、隣の客間へと向かったのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ