20.六日目、特別補習一時限
………では、補習を始めます。
本来ならば個人授業にするべきところですが、クラスの半数がより詳しく学びたいというのですから、仕方ありません。
この補習後、なお問題が残る人は申し出て下さい。
なお、明日よりクールダウン、つまり一週間の休暇に入ります。
他の講座を申し込んでいる人は、日時を確認しておいて下さい。
この講座の再開は事務前の連絡ボードに掲示しますので、それを見ながら前日までに履修届けを出して下さい。
またこの休暇中に復習などして疑問点が出てきた場合、あるいは新たにこの講座において学びたい項目がある場合は、事務の情報ボックスに名前と内容を書いた紙を入れておいて下さい。
次期講座はそれを学べるように工夫します。
さて。
特別補習の内容は、「痛み」を緩和する基本の四つのイメージについてです。
先日お話ししたように、このイメージは個人差が大きく、効果もさまざまですので、これから話すものが「正しい」のだと思い込まないように。
そこに含まれている意味をよく理解して、自分なりのものを持つようにして下さい。
………ええ、夢の扱いと似ていますね。
はい?
………はい…………なるほど。
そうですね。
では、次期講座は「夢とその扱い方」についての学習も取り入れることにしましょう。
まず最初のイメージです。
『山小屋の朝日』と呼ばれます。
目を閉じて下さい。
は? 眠りそう?
ではどうぞ退室して下さい。
以前にも言いましたが、この講座は学びたい人のためのものですので、無理をして参加する必要はありません。また今日は特別補習ですので、なおさら自由意志による参加が好ましいですね。
待ちましょうか?
始めてからがたがたされるとみなさんが困りますから。
…………はい、ごきげんよう。
お昼寝なら寮か……今の日射しなら中庭あたりがいいと思います。
では、もう一度。
『山小屋の朝日』は金色の光、のイメージです。
畏縮して固くなっていたり冷えて強ばっていたり滲出液が出ていてじくじくしたりしている部位に効果的です。
「痛み」の部分を深く濃い緑のビロードか暗く静かな空間で囲んで覆って下さい。
…………これは「森」のイメージです。
清冽な木の香り。露に濡れた草の気配。しっとりとして重くて冷ややかです。
……よろしい。
そこに小さな家を想像します。その中に入って下さい。家の中は真っ暗です。
周囲の温度が上がっていきます。
霧が晴れ、空気が乾き、窓の端に微かな光が弾けたと思ったら、見る見る光が溢れて部屋の中を照らし出します。
薄紫の山から顔を出した朝日が、森を越えてついに山小屋まで差し込んできたのです。
部屋の中で光が満ち、弾け、何もかもがまばゆく、それ自らが輝きだします。
…………その光を十分に味わって下さい。
……………はい。
よろしい。
どうでしたか。
身体が熱い?
なるほど触感で感じるタイプですね。
…………まぶしくて目が痛いです?
あなたは視覚分野に長けているのでしょう。
それぞれのイメージで、何を強く感じたかを覚えておいて下さい。
それはあなたがたが得意とする感覚を教えてくれています。
この先、イメージを使うときには、それを中心にしていくと体感しやすく、効果も大きいのです。




