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命の欠片たち

相手の気持ちも考えて

作者: 羽入 満月

 私は、珍しくイライラしていた。

 相手はクラスメイトの花田さん。

 今日もグループ分けをするときに一人、残ったのだ。

 (また?最終的には、先生に言われて人数の少ない私たちのグループに入るんだから、自分からきなさいよ。)

 回りを見ても皆にたようなことを思っているだろう。

 実際、花田さんのいないところで、「彼女が入ったら好きな子グループじゃなくなる」とか、「私たちのグループに来ないでほしい。」「でも、入れてって言われたらやだなんていえないよね(笑)」と話しているのを聞いたことがあるし、私たちのグループも思っていることだ。


 「花田さん。自分から動いたらどうなの?この時間、勿体ないし、毎回同じことしてんじゃん。うちらの気持ちを考えたらどうなの?」

 「考えたらどういう行動に出ると思う?」

 「はあ?だから、自分から動けっていってんの。」

 「私はさ、貴女たちのことを考えているんだけど。だって私に入って欲しくないでしょ?だったら先生に言われた方が諦めがつくでしょ。」

 「言い訳してんじゃないよ。」

 「それに、私は相手の気持ちを知ってるからね。皆が来てほしくないとか、入れてって言われたらこてわれないから嫌々入れてあげてるって思ってる事ぐらい知ってるよ。だから入れてっていわないの。」


   …なんだか話の雲行きが怪しくなってきた。


 「そんなの言ってみなきゃ、思ってるかどうか、わかんないでしょ!」

  「わかるよ。だって、入れてって言ったとき実際、言われたことあるしね。だてに休まず学校にきてるわけじゃないの。影でこそこそ言われてることぐらい知ってる。それこそ、相手の気持ちを考えたら、自分のグループに誘うんじゃないの?」

 「何でうちらがあんたに気を使わなきゃいけないの。」

 「そう言っちゃう時点で相手の気持ちわかってないよね。だったらほかっておいてください。」

 「ほかっておいたら、仲間外れにされた、とか、私いじめられてるのみたいな顔するでしょ。ほかっておいてっていうなら被害者ずらすんな。」


 あぁ、なんか、私、いじめっこっぽい。

 「じゃあ、何時までも可哀想な子のでいたら。」

 そう言いきって、自分のグループに戻る。


  自分のなかで、良く言った!とおもいながらも、クラスの前でいじめっこ宣言をした気分だ。話を聞いてたクラスメイトも可哀想な人をみるかのような目をしている。


   この状況だとどちらが可哀想な子なの?


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