第1章ー1話「相棒クリンコフ」
少し短めの1話ですが、いい感じに仕上がりました。早く狭間の活躍を書いてみたい!
テンポよく話を進めていきたいですね。さて、それでは1話をどうぞ。
前々から異世界転移をとは思っていたものの唐突すぎる・・・
「そもそも、ここの時代背景がまったく見えない」
嫌そもそも論で語るのならど、う、や、っ、て、の方が気になる。非現実的過ぎるからなこれ!本当にそもそも異世界なのか!?
「これからどうすればいいんだよ、何もわからんぞ」
ただのオッサンが森林で1人きり、側から見てもまずいってことがわかるはずだ。望みの脱現実は叶ったものの、どっと不安が押し寄せてきた。
不安になり自分の装備を手探り漁り触りまくった。
コンパス、ー ライター、 ー 8インチナイフ、〜〜耳栓、耳栓!?後半はポンコツ品ばっかじゃねぇか!
パサッ!
「・・・!」
胸元からノートサイズの紙が落ちた。気にならないはずがない、何もわからないのだ。恐る恐る2つ折りの紙を広げると・・・
ありがたいことに頼みの綱だった!
リスポーンマニュアル
現在地ーダルバレ 王都より南東にある、ギルドダルバレ管轄下の大自然の土地。
目標 ーギルドダルバレ本部に行きギルド登録の後に情報収集。
能力 ー3wwアカウントのあなたの使用武器の具現化、指の形を引き金にかける指形にし、使用したい銃をイメージ。(注意 具現化できる武器は一つまで)
特典 ーこの世界では魔力が存在します。あなたも例外なく魔法が使えますが、あなたの能力の特性上に合わせて火器の弾をmpによって作成できます。例、グレネードー200mp。
最後に、 人生の最後まで楽しんでください。ここはあなたの望んだ世界です。
「・・・訳が分からん」
でもこれは僕が望んだ世界だ。26年のクソゲーに費やした分はここで取り返さねば!まずは現状確認と自身の性能チェックだ!現実で銃が撃てるのか!パねぇな。よ、よし。
「ま、ま、まずは」
ゴクリ。ランカー入りしてからも僕のキルレを支えてくれたあの愛銃しかあるまい!イメージ・イメージ・・・クリンコフ!!
クリンコフとはAK74派生武器でストックが折りたたみ式に、室内戦用にバレルがカットしてある。僕から言わせて貰えばこの世の美学を追求した芸術品なのだ!この木目調がたまらん。
「・・・重い」
僕が実銃を手にして初めて思ったことは、ただただ重いだった。い、いやしかし・・・
「撃つぞ、撃つぞ!」
初実弾射撃。期待に胸を膨らませ過ぎて手が、手が挙動不審に。そんなことはオカマイナシにコッキングレバーを引き初弾をゲームとあなじ手順で配莢し、引き金を引いた。
ーッーーーー
「・・・死ぬかと思った」
耳が、音が聞こえない!半泣きになって僕は、初めて耳栓の存在意義を理解した。 初めての実銃、初めての実銃射撃、何一つ良いものはなく初めての相棒に失望したのだった。
僕自身木製ストックがかなり好きで、AKシリーズは特に愛着があります。最近ではm4推しですけど。紛争地域では、その信頼性からよく選別されるらしいですよ。過酷な世界で冒険するにはぴったりの銃ですね。