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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

短編集

魔族の国

 ある所に魔族と呼ばれた者達が集っていた国がありました。

 彼等は人の形をした様々な種族の中で、少しばかり優れた素質をもっていました。

 性質朗らかで穏和。

 己の仕事を根気よく続け、改善と向上を楽しんで行う。

 それでいて悪事には厳しく、人として守るべき道を外れたものには容赦をしませんでした。

 体力や知恵といった部分では、実際のところ少しばかり他の種族よりは低い水準であるとは言われてました。

 しかし、何事にも根気よく粘り強く、愚直と言えるほど突き詰めていました。

 また、自分が達成した事を後の世代に継承していく事を躊躇いませんでした。

 いわゆる企業秘密的な形で技術や知識を秘匿する事はありましたが、それでも自分だけで独占し、弟子にも教えないという事はありませんでした。

 その為時間が流れるごとにどんどんと発展していきました。



 対して他の国は、智慧や体力、あるいは魔術などに優れてる部分はあったものの、性質の穏和さや人への思いやりに欠ける所がありました。

 その為か、一時的に隆盛を誇る事があっても二代目三代目と時間が経つにつれて劣化していきました。

 個人として優れていても、集団として、その最たるものである国として見てみると、発展や進歩はかなり歪なものになってしまってます。

 そんなわけで、いつの間にか図抜けていた魔族の国に差を付けられてしまいました。

 あらためて自分達の置かれた状況を省みて、他の国は焦りました。

 このままでは魔族が台頭し、自分らが支配されてしまうと。

 魔族以外の国々は常に接した国境で争いを続けていたので、そうした危惧は決して絵空事ではなかったのです。

 しかし、魔族からすれば言いがかりに等しい考えでもありました。



 魔族の暮らしていた地域は、決して恵まれた場所というわけではありません。

 日差しと雨などが程よくあるので植物の栽培には適してます。

 そのため、農耕においては有利ではありました。

 しかし、利用出来る土地がそれほど多くはなく、生産量で見た場合、必ずしも裕福とは言えませんでした。

 また、農耕に適してはいたものの、地下資源などはその限りではありません。

 全く産出しないわけではありませんが、他の国に比べれば少ない方でした。

 なので他所の国と争う余裕などありませんでした。

 それどころか、他国から買ってくる資源などがないと国が成り立ちません。

 戦争するよりは、取引を、交易を続ける事を求めていました。

 そうでなければ今の人口を保つ事すら難しいからです。

 それに、性質が基本敵に穏和な魔族(他称)にとって、戦争は出来れば避けたいものでした。

 争い事が嫌いなのもありますし、万が一戦いになれば誰かが死にます。

 確実に自分達にも死傷者が出るのが分かってるので戦争は出来るだけ回避したいと考えてました。



 しかし、他の国はそうは思いませんでした。



 他の国の者達も戦争を避けようとはしています。

 しかし、戦争を嫌ってるというほどではありません。

 長く戦争を続けてきたせいなのか、戦争はそれなりに賞賛もしてました。

 負ければ損害は大きいですが、勝った時の高揚感は人々を喜ばせていました。

 戦いにおいて敵を打ち破った英雄の誕生は、国民全体を熱狂させます。

 制圧された者達は、奴隷などに落ちぶれてしまいますが、そうした者達が表に出る事はありません。

 いずれ衰退して滅亡するか、勝利者の国の片隅でわずかな数に減った者達がいるだけです。

 そうした者達の考えや気持ちが表に出る事などありません。

 この時残ってる国々は、戦争の勝利者ばかりです。

 敗北の悲惨さを知るものはいませんでした。

 それが悲劇に繋がってしまいます。



 最初は要望が出ました。

「こういうのしてくれ」

「これをやってくれ」

 そういった事が始まりました。

 魔族からすれば、「なんで?」という事なのですが、「国々が協力するためだ」という事で納得しました。

 それならいいか、というところです。

 協力して助け合う事が基本である魔族は、それなら協力しようと思いました。

 もちろん、そんな事嘘でしかありません。

 他の国の目的は、そうやって魔族のもってる技術や知識を出させ、自分達のものにするためでした。

 一足飛びの進歩というわけではありませんが、長年の蓄積によって蓄えた魔族の技術や知識はかなりのものでした。

 なので、それをまずは手に入れようとしていました。

 そうやって魔族との差を無くしていくためです。

 もし技術や知識が同等になれば、肉体・頭脳で優れる他の種族は魔族より優位に立てます。

 協力という名目で、彼等は魔族より有利になろうとしたのです。



 また、蓄えた財産なども吐き出させます。

「こういうのを作ってほしい」

「これを作る為の援助をしてくれ」

 こういった事が出てきます。

 これもまた長年の蓄えで膨大なものとなった魔族の財産を減らすためです。

 少しでも自分達が豊かになるためなのが本音でしたが、魔族の力をそぎ落とす事も目的でした。

 そうやって取り出した魔族の財産で自分達の国に必要なものを作っていくのも目的です。

 とにかく魔族の力を使って少しでも発展していこうとしてました。

 そうやっていけば、魔族との差も縮まっていくからです。



 さすがに魔族も全てに対応出来るわけではありませんでした。

 人も財にも限りがあります。

 要望の全てに対応出来ません。

 当たり前の事です。

 すると他の国々は口々に騒ぎたてます。

「こんなに困ってるのに!」

「なんと冷血な!」

「人としての情けはないのか!」

 人でなしは、特に理由もないのに魔族に様々な要求を突きつけてる彼等のほうなのですが、そんな事おくびにも出しません。

 魔族とてそれが無茶な要求なのは分かってますが、彼等の叫び声への抗議はあまりにも小さく無力でした。

 いくら理を説き、道理を示しても他の国は聞きもしません。

 当たり前です、話し合いをしてるのではなく脅迫をしてるのですから。



 そんな事が続いてるうちに魔族のほうもだんだんと腹を立てていきました。

 いくら何でも突きつけてくる要求が酷すぎました。

 このままでは積み上げた財産だけでなく、様々な技術や知識、更には労働力としての人まで奪われてしまいます。

 さすがに今後は要望は突っぱねようという声も上がりました。

 しかし、その都度「いや、それはいくら何でも大人げない」という輩が魔族の中からあらわれました。

 彼等は魔族のもつ良識や良心に響くような言葉を使い、魔族に無理をさせていきました。

 それらを持ち出されると魔族の大半は反論も出来なくなりました。

 そうやって無理を強いられる事のほうが道義や理性に反してるのですが、それを口にしてしまうと今までの自分を否定するような気持ちになってしまったのです。

 もちろん一部は魔族の疲弊を訴えましたが、それでもまだ他国への供出を続けようという流れになっていったのです。

「これでは奴隷ではないか!」

と魔族の一部は叫びますが、大勢には届きませんでした。



 そうこうするうちに魔族の衰退が始まってしまいました。

 豊かだった生活はだんだんと困窮していきました。

 税金やら他国への協力金、義援金といった形でどんどん豊かさが吸い出されたからです。

 これでは結婚して家庭を持つことも出来ません。

 独身者が増えて次世代を担う子供達が生まれません。

 人口が少しずつ減っていきました。



 人口が減れば、技術や知識を受け継ぐ後継者が減ります。

 少しずつですが、失われていく知識や技術が増えていきました。

 また、人口が減ると同時に、物を買う消費者も減ります。

 消費者が減れば、物を作って売る者達が生活できません。

 こんな所からも衰退が始まっていきました。



 さすがにこれはおかしいと誰もが言い始めました。

 しかしその都度、「大人げないではないか」という声があがり沈黙します。

 ですが、段々とその声への反発が増えていきます。

 最初は理性的に不当な事を説いてたのですが、「大人げない」と言ってるものは聞き入れませんでした。

 ついにはそれらに対して言葉ではなく拳がふるわれるようになりました。

 次々に人々を押さえつけていた輩が叩きつぶされていきます。

 そうしていくうちに、魔族を押さえつけてる発言をしていた者達の背後に、他の国々の者達がいる事が判明していきました。

 彼等は魔族の仲間に無理を強いて、そうやって吸い上げた豊かさの一部を受け取っていたのでした。

 彼等は仲間を、国を売っていたのです。

 魔族の怒りは一斉に彼等に向かっていきました。

 彼等は血祭りに上げられていきました。



 仲間を売り飛ばしていた輩は、次々に見つかっては殺されていきました。

 弁明も釈明もする場所を与えられませんでした。

 警察や裁判所といったものもあったのですが、彼等が活動する事はありませんでした。

 なぜなら、多くの魔族が自分達を売り払った者達を自分達で捕らえていったからです。

 警察に協力する者など一人もいませんでした。

 むしろ、彼らの邪魔をし、偽情報を流すなどで混乱させます。

 なぜそんな事をするのかというと、もし警察に逮捕されて裁判を受けたりすると、その間の衣食住は魔族の税金で賄われるからです。

 しかも、取り調べ期間と裁判の時間は結構長いものでした。

 短くても数ヶ月、長ければ数年もかかります。

 仲間を売り飛ばしていた連中の生活を、その間税金で賄うのですから、こんな事誰も納得しません。

 ですので、仲間を売り飛ばした輩は、全て一般の人々が見つけて処分していきました。

 これは実際に利益を受け取ったものだけが対象ではありません。

 少しでも彼等に同調したもの、それこそ一言だけ発言したもの、同情の声をあげた者も例外なく処分されました。

 仲間を売り飛ばすような奴にほんのわずかでも同情するなどもっての他なのですから。

 同調も同情も共犯者でした。

 そうしていく事で、魔族の中から仲間を売り飛ばした者達は一人残らず処分されました。

 生き残った者は一人としていません。



 魔族の国内にいた他国の者達も同じ道を辿りました。

 中には魔族と本当に心を通わせた者達や、魔族と結婚してる者達、その間に生まれた子供達もいました。

 しかし、例外はありません。

 一人残らず処分されていきました。

 例外を一つでもつくると、そこからほころんでしまう。

 そして綻びは大きな傷になり、取り返しのつかない事態に陥ってしまう。

 ──数十年、他の国と接して衰退した魔族が得た教訓です。

 だから魔族は決して容赦をしませんでした。

 そういった者達を許せば、連鎖的に他の者達も許さねばならないからです。

 魔族は自分達を虐げた者達を決して許しはしませんでした。

 それは怒りもありますが、もっと切実な、そして重大な理由があります。

 魔族の存亡を左右する事になるのです。



 もし少しでも許して、他国の者達の存在を許したらどうなるのか?

 再び同じ過ちを繰り返します。

 しかもその時には「あの時は許したではないか」という前例として今回の事が持ち出されるのです。

 そうなってしまったら早急な対応が出来なくなってしまいます。

 そして再び魔族は収奪をされてしまいます。

 もうそんな事態に陥りたくはありませんでした。

 だから、決して誰も許しはしませんでした。

 他国の者であるというただその一点で、仲間の血を引いてる者達であっても容赦なく処分せねばならなかったのです。



 後に魔族が知る事になるのですが、これは他の国でも常に起こっていた事でした。

 彼等も自分達の領分を守る為に、他者と同調したものを根こそぎ断ち切っていたのです。

 そうせねばならないというのは、種族に関係なく行われてるのだと魔族はその時知りました。



 そうやって他国との接点を国内から一掃した魔族は、ようやく元の状態に戻りました。

 人も減り、技術や知識も幾分衰退しましたが、壊滅には至ってません。

 ぎりぎりではありましたが、滅亡を回避したのです。

 しかし、これで終わりというわけではありませんでした。

 むしろ、ここからが始まりだったのです。



 魔族の当然の抵抗に、他国は連合してこれを撃退する事にしました。

 その為、連合国となって魔族へと押し寄せます。

 処分された同国人達の復讐を理由にした。

 そもそも魔族から収奪していた事などそっちのけです。

 また、連合国からすれば、これだけの威勢を示す事で魔族を屈服させる事が狙いでもありました。

 さすがに何カ国もの連合であれば、魔族も抵抗はできまいと。

 ですが、彼等の意図は最初の段階で躓きました。

 魔族は徹底抗戦を宣言したのです。



「ここで退いても悲惨な日々が続くだけだ。

 ならば、戦って死中に活を手に入れる」

 それが魔族の意志でした。



 こうして戦争が始まりました。

 そして、他の国々はこうやって抵抗した者達に「魔族」という呼び名をつけました。

 世界に反抗した悪魔であると。

 歴史上、魔族が始めて発生したのはこの時でした。



 戦争が始まります。

 さすがに流れは連合国に有利に動いていきます。

 土台の国力の差もありますし、魔族一国で連合国を相手にするのは不利どころか無理というものでした。

 最初は魔族も苦戦します。

 しかし、決して降伏はしませんでした。

 どうせ後はない────その思いが覚悟となっていきます。

 魔族は奮戦しました。

 穏和で温厚な魔族ですが、決して非暴力で服従する軟弱な者達ではありません。

 悪い事には厳しいのも魔族の特徴です。

 そんな彼等にとって、自分達の生活を脅かす連合国は紛れもない悪でした。

 日々の営みを、人の尊厳や他者の尊重、それらにもとづく、他人の物を奪ったりしないという個人の所有などを否定されたのです。

 立場の違いから生じる善悪とは違います。

 絶対的な基準における善悪からみて、連合国は紛れもなく悪なのでした。

 例え悪ではないにしても、自分達を脅かす敵である事に変わりはありません。

 そんな敵に降伏する事は出来ませんでした。

 仮に降伏しても、待ってるのは死ぬより辛い奴隷としての余生です。

 ならば戦場で散ったほうがまだまし、と誰もが思っていました。

 その覚悟は一人一人を勇敢な兵士に変えていきました。



 また、穏和な魔族の間でも戦争はありました。

 他国に比べれば少なかったのですが、そこで培った技術や知識があります。

 あまり良い思い出はありませんが、他国からの収奪中にあった交流で他国の文物も入っていました。

 それらをもとにして戦い方を構築しています。

 劣勢ではありますが、決して一気に殲滅される事はありません。

 粘り強く敵を迎撃していきます。

 連合国は思った以上に手こずる事になりました。



 また、魔族は相手のやり方を知っていたので、手段を躊躇いませんでした。

 やられる前にやれ、敵がやってくるよりも先に事を起こせと、本当にあらゆる手段を使っていきます。

 魔族以外の者達は、基本的に情け容赦がありません。

 捕らえた敵は虐待や拷問が当たり前。

 制圧した地域の者達は略奪強姦の対象でしかありません。

 なので、魔族もそこは敵にならう事にしました。

 敵に情けをかける事はありません。

 捕らえた敵を紳士的にあつかったり、制圧した地域を平穏に保っていたら、負担が大きくなりすぎます。

 捕らえた敵を抱えておくには食料その他必要です。

 制圧した地域をある程度ととのえるのもやはり労力が必要です。

 また、それらが敵に奪い返されたら、再び敵として襲いかかってくるのです。

 こんな馬鹿な話はありません。

 なので、敵は全て皆殺しにしました。

 制圧地も同様に一人残らず根絶です。

 女子供とて容赦はしませんでした。

 むしろ、それらを中心に狙っていきました。

 女は子供を産んでいき、人を増やします。

 子供は未来を担う大人の予備軍です。

 これらをそのままにしておいたら、将来の禍根になります。

 まして、形は違えど魔族は収奪されて自分達の子孫を残すことを困難にさせられたのです。

 その恨み辛みをぶつけるのは当然の権利であり、やらねばならない義務でした。

 でなければ、ただでさえ大きな戦力差が縮まりません。

 そして、一番大きな理由なのですが。

 連合国を結成してる国々はこうした事を当たり前のようにやってました。

 彼等が文句をいう筋合いなど何一つ無かったのです。



 他にも魔族は相手の軍勢だけでなく、国そのものに壊滅的な損害を与えるように動いていきます。

 田畑があれば燃やしていきます。

 炎の代わりにを大量に集めて繁殖させた昆虫を解き放ったりもしました。

 魔術で水を毒に変え、水源の下流に有る地域を壊滅させもしました。

 死体に悪霊を憑依させ、人を襲わせたりもしました。

 こうした動く死体におそわれた者は、別の悪霊が取り憑き、新たな動く死体となっていきました。

 動物を大量に動かして田畑を食い荒らさせたりもしました。

 高山地帯では自身を発生させ、坑道を崩落させたりして物資の供給を滞らせたりしました。

 それでいて軍勢との戦闘は極力避けました。

 正面から戦ってばかりでは、兵士の数が少ない魔族が不利だったからです。

 なので、兵士や軍勢以外を狙っていきました。



「卑怯であろう!」

 連合国からの非難は高らかにあがりました。

 その声が魔族に届いてから数日後、魔族の声明を携えた使い魔が連合国のあちこちに飛びました。

「我らを遙かに上回る多数で襲いかかる卑怯者共よ」

 誰もが声を失いました。



「女子供を殺すとは!」

 そういった声も上がりました。

 もちろんそれらへの言葉もあちこちに伝わっていきました。

「女子供を殺して大きくなった国々よ」

 過去の行いの全てが暴露されました。



「正々堂々と勝負しろ!」

 軍勢同士のぶつかり合いがない事への非難があがりました。

「一対一で戦えない臆病者共」

 多数で圧倒しようとする連合国への嘲笑がおこりました。



 さすがに埒があかないので、連合国は一気に魔族の国へ攻めこんでいきます。

 ですが、これがなかなか大変な作業になってしまいます。

 まず、魔族の国はかなりの僻地になるので、距離があります。

 その距離を軍勢が移動するとなると、どうしても動きに統一性がなくなります。

 移動だけでも一苦労です。

 食料なども運搬しなくてはなりません。

 その為、どうしても距離は規模の限界が発生してしまいます。

 一度に移動出来るのは、連合国全体からすれば一部になってしまいます。

 それでも魔族の軍勢に比べれば大きいのですが、大きいが故の問題も出てきてしまいました。



 いくら大軍といっても、その全てが一丸となってるわけではありません。

 いくつかの部隊に分かれて行動しなくてはなりません。

 なにせ道の幅は限られてるのですから。

 そもそもとして整備された道があるわけではありません。

 魔族の国へ近づくごとに道は少なく細くなっていくのです。

 その為、どうしても手薄な所が出来てしまいます。

 そこを狙って魔族は攻撃を仕掛けてきます。

 対処するのも大変です。



 それに魔族は運搬してる物資を狙います。

 食料に物資を奪い、それが出来ないならそれらを破壊します。

 巨大な軍勢も、それを支えるのは食事と生活用具です。

 これらが失われてしまえば、身動きがとれません。

 それどころか、飢え死にで兵士が減る事すらあります。

 ただでさえ長い旅路で疲れ果ててるところに物資不足とあれば、目的地にたどり着くまでに衰弱や病気になる兵士も出てきます。

 また、途中で逃亡する者だって出て来ます。

 職業として戦争を任務とする階級である騎士や兵士ならば、こういった者はほとんど出ません。

 しかし、町人や農民などから徴兵された者達はそこまでやる気があるわけではありません。

 無理矢理連れて来られたという思いもあるし、何より戦闘で死にたいなどとは考えもしません。

 こういった者達は、基本的に戦闘には関わらない荷物の運搬などに従事しますが、戦場に近づけばそんな事関係無しに戦闘に巻き込まれる可能性があります。

 また、魔族が狙うのは基本的にそういった荷物なのです。

 徴兵された者達が怖じ気づくのも当然です。

 こういった者達は、一度でも襲撃を受ければすぐに逃げだし、二度と戻ってきません。

 このため、先に進めば進むほど人は減り、そして物資の運搬が難しくなっていきます。



 かてて加えて、いつ襲撃があるか分からないという不安がつきまといます。

 魔族は正面切っての戦闘は可能な限り避けますが、側面からの奇襲や夜陰に紛れての暗殺などは好んで行います。

 その為、思いもがけない損害や、気づいたら死んでいたという事が重なります。

 こんな事を続けられて正気を保っているのは難しものがあります。

 周囲を警戒し常に怯えてる者、夜もろくに眠れない者などが出て来ます。

 例え逃げださずにいても、そういった者がいれば全体に影響をします。

 少なくとも労働力や戦力にはなりません。

 その為、連合国の軍勢は実数通りの戦力というわけではありませんでした。



 途中で必要な物資の補給をしようにも、時間が経つ毎にそれが出来なくなっていきます。

 魔族の国に近い地域は、根絶やしにされてるので人っ子一人いません。

 当然田畑も耕す者もおらず、物を作る職人もいません。

 何かを手に入れようにも何も無いのだからどうにもなりません。

 後方から補充を求めようにも、手に入るまで時間がかかるし、届く前に襲撃で何割かは損失してしまいます。

 かといって襲撃をしてくるものへの対策をしようにも、そちらの兵力を割いてしまったら前線に回す分が減ります。

 また、だんだんと連合国国内においても魔族の行動が激しくなっていってるので、そうそう兵力を出す事も出来なくなっていきます。

 最初は有利だった連合国ですが、なりふり構わない魔族の行動にだんだんとやれる事が減っていきました。



 ならばと少数の恐慌偵察部隊を送り込んで、魔族の国の内部を攪乱しようとします。

 連合国はやられてる事をそのままやりかえそうとしました。

 数人で編成されるこれらは、あわよくぼ魔族の国の中枢を破壊する事も求められていました。

 これらは期待をこめて勇者と呼ばれ、幾つもの部隊が魔族の国に送り込まれました。

 そして、誰一人生還しませんでした。

 あとで分かった事なのですが、持ち運べる食料の少なさから、途中で潰えてしまった部隊が数多く発生しました。

 たとえ魔族の国にたどりついても、完全なる敵地です。

 協力者など一人もいません。

 見つかり次第殲滅されます。

 そこをくぐり抜けていっても、様々な警戒網を作り上げてる魔族の目を盗む事は出来ませんでした。

 敵地に潜入工作をしかける事を旨としてるだけに、恐慌偵察部隊『勇者』はそれなりの強さをほこってます。

 ですが、わずか数人で敵陣を突破するのは無理がありすぎました。

 何より人種が違います。

 見た目で差異があるのですから人混みに紛れる事も出来ません。

 こういった様々な理由から、勇者達が任務を達成する事はありませんでした。

 出来たとしても、せいぜい魔族の国の外縁部を少し探って帰還するのがせいぜいです。

 それでも情報を持ち帰ってくるのですから、その分は有利になります。

 しかし、そうしてる間にも連合国の前線はどんどんと後退せざるえなくなっていきます。



 必死の努力で連合国の足を止めている魔族は、徐々にその勢力を踏みつぶしていきます。

 連合国外周の農村地帯を崩壊させ、そこからの食料が途絶えた事で町が潰れ、町が潰れた事で職人や商人が潰えていきます。

 人里から遠く離れた鉱山などは真っ先に狙われましたし、そこを守っても途中の運搬路の全てを守る事は出来ません。

 橋なども壊され移動手段を制限され、各地が少しずつ孤立させられていきました。

 次第に難民流民が発生し、それらがまだ安全な町や村に向かっていきます。

 押し寄せる難民流民が貧民になり、それらが各地で食い扶持を潰していきます。

 最初は救済のための食料を出していた領主や貴族に政府も、だんだんと養えなくなっていきます。

 そうなると今ある物の奪い合いになりました。

 貧民は持てる者から奪い、倉庫を襲います。

 それを守る為に所有者は攻撃し、人と人の争いが発生します。

 救いのない事に、そうやって人数が減っていけば、その分だけ負担が減りました。

 ならば、奪われる前に、食い扶持が減るまえにやってしまえと貧民に襲いかかる者が増えていきました。

 最初はそれを止めていた領主達も、救う事で残ってしまう負担と、放置する事で生まれる余裕を天秤にかけていくようになりました。

 そして、そのうち争いを放置するようになりました。

 どちらかの味方になる事もなく。

 なにせ、どちらも彼等の国の民です。

 どちらか片方を選ぶという事は出来ません。

 それでも敢えてどちらかの側についた者もいましたが、その結果片方から恨まれるようになりました。

 外部からやってきた貧民を守れば、自分が統治する者達から恨まれ。

 統治する民を守れば貧民から恨まれました。

 そして。

 どちらの味方にもならずに放置していた者達は、統治してる民からも外部から来た貧民からも恨まれました。

 統治してる民からは、「お前の民である我らを何故助けない」と思われました。

 貧民からは「着の身着のままの我らに救いはないのか」と。

 元を正せば魔族との戦争が原因ですので、魔族を恨むのが筋ではあるでしょう。

 しかし、目先の問題である自分達の死活問題において、求めるのはすぐに手が出る所にある食料で、敵はそれを邪魔する相手です。

 いずれ魔族を倒すにしても、そこに至るまでにまず目の前の同国人を倒さねばならない……だんだんと人々はそう思うようになりました。


 ──こうして連合国は、自分達の中に争いを発生させるようになりました。



 もちろん魔族とて楽が出来ていたわけではありません。

 連合国が送り込んでくる恐慌偵察、そして暗殺部隊である『勇者』の対処があります。

 資源が少ないのでその調達にも苦労が続きます。

 敵が押し寄せるのを防いでますが、それでも大軍が目の前に迫ってる事に変わりはありません。

 散発的な軍勢同士の戦いは、それほど頻繁ではありませんが、無いわけではありません。

 相手が疲弊してるから多少は有利ですが、決定打を与えてるわけではありません。

 そもそも攻め込んでくる敵は、大軍の中から枝分かれ的に繰り出されてるのです。

 魔族にとっては重く大きな戦いではありますが、連合国からすれば全体の中の一部が戦ってるにすぎないのです。

 やはり地力となる国力差はいかんともしがたいものがありました。

 しかし、明るい兆しもありました。



 


 連合国外周が崩れると同時に後退していく敵の前線。

 それにつれてひろがる、魔族が自由に動き回れる範囲。

 その範囲に、少しずつ入植が始まっていきました。

 人口において圧倒的に不利な魔族ですが、だからこそ少しでも領域を拡大し、人を養える田畑を増やさねばなりませんでした。

 その田畑を増やす余地が、少しずつ増えていったのです。

 戦争に人手をとられてるのでそれほど余裕があるわけではありませんでしたが、そんな中でも無理をして入植はなされていきます。

 戦争が一年二年と続くうちに、領域も拡大し、新たな田畑が出来上がっていきます。

 それらがもたらす収穫が少しずつ魔族を下支えしていきました。

 長引く戦争は、着実に魔族を有利にしていきます。

 困難は続きますが、それに耐えられるだけの根性があるのも魔族です。

 同じ事を長く続ける気力も、仕事を改善していく思慮も、続けてきた事を継続し後の世代に継承する事も魔族の特質です。

 それらは短期間での成果を見込むことは出来ませんが、長期にわたって莫大な成果をあげます。

 長引く戦争は確かに大きな負担ですが、それでも地道に堅実に成果を積み上げていきます。

 これまでの魔族が代々そうしてきたように。




 長引く戦争に疲弊をしていく連合国で、長引く戦争の見直しがさすがに訴えられていきます。

 このまま続けば戦争が終わる前に内部崩壊すると誰もが思い始めてました。

 もちろんそこは個人差があるので、まだ少しは余裕があると考える者もいるし、今すぐ早急に手を打たねばならないと思う者もいました。

 あるいは、自分達は有利に事を進めてると考えてる者も、もう取り返しがつかないところまで来てしまったと思う者もいました。

 共通してるのは、現状の負担は看過できるものではないという事。

 幾らか負担を減らさねば国そのものが駄目になるのは誰もが理解してました。

 とりあえず戦争を少しは落ち着けねばならない、各国の負担を減らさねばならないという事も分かってました。

 だが、何をどうすれば良いのかを決める事が出来ません。

 

各国の負担を減らすにしても、どの程度に抑えるのか?

 戦争を継続するにしても停戦するにしてもどういった条件で行うのか?

 細かくあげればきりがないほど細かな問題も含め、なかなか話は進みませんでした。

 それでも

現状の打開に必要な一点については合意に到達しました。

 魔族の停戦、可能ならば終戦に向けてです。



 外交使節団が派遣されました。

 戦争に突入してから、正確に言えば突入する以前から交渉手段が途絶えていたので、こういった措置が必要でした。

 本来なら大使などの外交使節が各国の留まり、最悪の場合においてもなんらかの連絡手段を残すのが普通です。

 しかし、魔族にはそんなものはありませんでした。

 魔族が国内の他国人を殲滅した時に当然ながら外交使節も処分されたからです。

 それはもう、凄惨極まる方法で。

 何せ外交使節という名の情報工作機関であり、破壊・暗殺工作実行組織だったのですから。

 目の敵にされても無理はないでしょう。

 当然ながら報復措置として魔族の国が各国に駐留させていた外交使節も、後に連合国となる国々に襲撃されました。

 しかし、これを予期して一部は事前に逃亡。

 そうでない者達は自害をして、後にあるであろう情報収集という名目の拷問を逃れました。

 当然ながらそれらも押し寄せる敵に対して徹底抗戦をしてからの自決です。

 彼等は自らの運命を理解して任地に赴いてました。

 それゆえか、誰一人家族をつれているものはいませんでした。

 あるいは独身者ばかりでありました。

 こういった事情があるので、連合国と魔族の国で連絡をとりあう手段がありません。

 それを再構築しようと、外交団が派遣されました。



 そして死体になりました。



 外交使節が魔族の国に入ることなく襲撃され、全員残らず殺され、その死体は動く死体となって戻ってきました。

 そして魔族側の意見を伝える使い魔が、可能な限り連合国中のあちこちで声明を発表しました。



「邪悪で非道なる連合国諸君からの意見は拝聴した。

『過去の不幸を乗り越え、未来を見つめよう』

というご託でおそらく間違いはあるまい。

 過去の不幸な出来事を作り出した諸君ら邪悪な存在は、犯した罪の償いもせずにこのような馬鹿げた事をほざくと理解をした。

 未来を見つめるにあたり、諸君らのような邪悪な存在を殲滅せねばならないと判断をした。

 これからの未来の為、連合国は連合国を殲滅するよう働く事を願う次第である。

 それが、諸君らの求める過去の不幸を乗り越えた未来である」



 通常の外交儀礼からすればありえない話であった。

 通常、こういった声明は政治をあずかる政府、そして王や貴族に通達され、その中で話し合いが行われる。

 しかし魔族はこれらを悉く打ち破り、国民全体に意志を伝えている。

 おかげで政治工作や国民への情報隠蔽が出来ないでいる。

 今回もその例に漏れず、情報を広く国民に拡散されてしまっていた。

 おかげで民衆への釈明や工作が必要になってしまう。

 これもまた戦争における不利な要素であった。

 魔族への同様の工作はほとんど失敗してるにも関わらず、敵は思うがままに情報を提示していっている。

 土台となってる魔術の差なのだろう。

 魔族からは様々な知識や技術、魔術を奪ってきたが、それ以上のものを相手は持っている事を連合国は認めるしかなかった。

 手にしたものを、自分達は利用するしかない事も。

 確かに手にした知識や技術などは用いる事が出来る。

 しかし、それらがいかなる原理によるものか、どういった基礎があるのかまでは分かってない。

 あくまで利用可能な部分を手にしてる、断片的にものにしてるだけなので、体系的な理解には至ってない。

 なので、手にしたものをどう発展させれば良いのか、同様の技術を別方面に応用出来るのかどうかという事が分からない。

 連合国が出来るのは手にしたものと同等のものを作り出すのがせいぜいであった。

 それも出来るだけがんばった結果としてである。

 たいていの場合、粗悪な劣化模造品を量産するのがオチである。

 そんな彼等に、長く積み重ねてきた実績に裏打ちされてる魔族の技術を突破する事など出来るわけがなかった。



 その後も何度も外交使節を派遣したが、結果は同じであった。

 全て動く死体となって帰ってくる。

 それは最前線で死んだ場合と同じだった。

 数に劣る魔族は、倒した連合国の兵士に悪霊を宿らせて動かしていく。

 損害が増えれば増えるほど、連合国側は不利になっていく。

 動く死体が倒した人間は、ほぼ例外なく動く死体となるのだから。

 そのつど動く死体は殲滅してるが、それでも逃してしまった何体かが魔族との国境地帯をうろついている。

 しかも、ほとんど例外なくそれらは連合国側へと向かっている。

 取り憑いてる悪霊がそうさせてるのか、あるいは死体に残ってるかすかな情念が母国への帰還を願ってるのか。

 理由は不明だが、これらも連合国を悩ませる原因となっている。

 ただ、それ以上の問題は魔族が交渉の全てを断ち切ってる事である。

 これでは終わりのない戦争が延々と続いてしまう。

 連合国としてはこの事態をどうにか避けたかった。



 そう思いながら更に時間が経過していく。

 最初は数ヶ月、どう長引いても一年にもならないだろうと予想されていた戦争は、その後何十年も続いた。

 その間、戦争らしい戦争だったわけではなく、断続的に大規模な戦闘が行われるくらいだった。

 一年に何回か、そこそこの部隊規模の衝突があり、数年に一度は軍勢が動く大規模戦闘になった。

 戦場から遠い連合国の内部においても、相変わらず動物や昆虫による田畑荒らし、動く死体による攻撃などが行われていた。

 交易路は狭まり、一部地域は放棄せざるえなくなり、貧民は続出している。

 水は毒にまみれ、土はやせ細るか腐りはてていった。

 山積みされた死体と、疫病を運ぶネズミがそこかしこにあふれ、健康な人間は激減した。

 誰もが憂鬱さを抱えながら今を生きている。

 その間に魔族の領土は拡大し、かつては荒れ地だった場所に田畑がひろがり町が出来上がっていた。

 人口も拡大し、更なる発展も見込むことが出来ていた。

 相対的に人口差が減った両者の関係は、更に魔族有利となっていった。

 魔族の軍勢が前進する事はなかったが、連合国側は自然と前線を後退させていった。

 減少する食料生産が軍勢の維持を困難にし、年々兵士は減る一方である。

 土台となる人口が減少傾向なので歯止めをかける術もない。

 知識や技術を継承する者も減り、文明としても後退をしている。

 魔族との戦争が始まる頃には当たり前のように普及していた知識や技術すら、今では喪失したものもある。

 もはや魔族との戦争どころではない。

 一刻も早く停戦をしたいと連合国の誰もが思っていた。

 しかし、相変わらず魔族は何の反応も示さない。

 交渉の為に派遣される使節は悉く殺され、とりつくしまがない。

 そもそも、使節として派遣される事を誰もが断るようになってるので、話し合いの呼びかけすら困難である。

 無理に使節を仕立て上げても、どこかに逃亡するのが恒例となっている。

 終わりのない戦争を連合国は、いつか終わるその日まで続けるしかなくなっていた。



 いっそ、隷属でも良いから、と完全なる無条件降伏を申し出た事もあった。

 だが、それすらも「断る」という意味の言葉で返されてしまった。

「諸君らを生かしていけば、いずれ再び災いとなるのは必定。

 我らはそれを許容するほどの愚かさを持ち合わせておらぬ」

 連合国全土に響き渡ったその通達は、生きとし生ける者の絶望となった。

 もう誰もがおしまいだと思った。

 それでも彼等は押し寄せる敵と戦い続けている。

 町や村を囲む柵や塀の外に動く死体がさまよい歩き、実りをすぐに潰される田畑を耕しながら。

 火の落ちた炉と蜘蛛の巣に覆われた金槌と金床は、襲撃され潰れた鉱山と、襲撃され奪われる物資をそれでも待ちながら。

 店で買うのではなく、倉にしまってあるのほ強奪する事で食料を手に入れながら。

 新しく作るのではなく、今あるすり減った道具を騙し騙し使いながら。

 それでも奇跡が起こることを願い、いるかどうかも分からない神に祈りながら。

 連合国の者達は生きていった。



 願いは届かず、祈りは通じず、連合国はそれから時間を費やして滅亡していった。

 そうしてようやく平穏を取り戻した魔族は、荒れ果てた土地を遠目に見ながら自分達の生活に戻っていった。

 先祖が苦労して手に入れた今という日々を受け取りながら。

 そしてこの頃、彼等は自らにつけられた呼び名を幾らか変更する。

『真属』と。

 発音は同じながら意味を変えたその言葉を彼等は自らを示す呼称とした。

 かつて彼等を虐げた者達に、

『塵類』

という名称を与えて。



 こうして真属は塵類という諸悪の根源から解放されて、平穏な日々を取り戻しました。

 めでたしめでたし。

 こんなの書いてないで連載をやれと言われそう。

 でも、頭にこびりついてしまってるので、とりあえず形にしたかった。

 他にも、ダンジョンぽい話があるので、これも短編形式で出しておきたい。



 なお、短編で出したものも、機会があれば長編でやってみたいと考えてはいる。

 それだけの余裕があるかどうかは分からないけど。





 他にも短編はあるので、よろしかったらどうぞ。


「ふたつの国のお話」

https://ncode.syosetu.com/n2330ej/


「その恨み、はらします」

https://ncode.syosetu.com/n2888ej/


「ゾンビに囲まれて」

https://ncode.syosetu.com/n3368ej/


「聖者は教えを説いていく」

https://ncode.syosetu.com/n3820ej/




 最近滞ってるけど、長編もやってます。


「なんでか転生した異世界で出来るだけの事はしてみようと思うけどこれってチートですか?」

https://ncode.syosetu.com/n3761ef/


「捨て石同然で異世界に放り込まれたので生き残るために戦わざるえなくなった」

https://ncode.syosetu.com/n7019ee/

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