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ダメな姉(わたし)は妹を愛でる  作者: 御園海音
高校生の妹も可愛い
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ダメ姉は、キスをしまくる(上級編)

キスの日イベントこれがラスト。


先に言っておきますが、今回はもう……ただただ双子姉妹がキスするだけの、中身など無いみょんみょんの趣味全開なお話です。それでも良いと仰るならばどうか楽しんでいただけると嬉しい。

 キスの日という事で(残念ながら遅刻しちゃったけど……)キスを探求する私たち双子姉妹。その試みもいよいよ大詰めとなった。


「さて……これまでもキスをしまくった私たちですけれど……」

「この恋愛雑誌に載っているものも。自分たちが思いつく限りのものも。ほぼコンプリートしちゃったんだよね」

「ええそうですね。唇を使わないキス。唇を使うけれども優しくてソフトなキス。漏らさずきっちり姉さまと共にキスをしました」


 そうだ。つまり……あと残っているものと言えば―――


「「濃厚で、ちょっとえっちなキス……」」


 愛しい妹のコマと顔を見合わせて、そして同時に顔を赤らめる。互いが何を考えているのか、手に取るようにわかる。


「……始めちゃったら、多分キスの検証どころの話じゃなくなっちゃいますよね」

「……うん。絶対そうなる」


 キスを勉強・研究するという目的があった為に、ちょっと危ういところはあったけれどもなんとか理性を働かせ暴走せずに済んだ先ほどまでとはわけが違う。二人の唇を合わせて、舌を使うディープなやつを始めたら最後。断言しよう。私もコマも自制など絶対に効かない。

 ただただ相手を貪り愛し合う……暴力みたいな生々しいキスの応酬となる事だろう。


「……コマ。覚悟は、良い?」

「私は、いつでも。姉さまは……?」

「……私も。コマに求められるなら、いつだって……」


 静かに二人頷いて。そして唇を合わせる。もはや何も言うまい。ここから先はただただ二人本能のままにキスをするだけだ。



 ~その???:フレンチキス&etc.~



 日本じゃ時々軽いキスの事をフレンチキスって呼んでる人もいるそうだけど、アレは勘違い。フレンチキスとは……正真正銘、唇だけでなくがっつり舌も使うキス……所謂ディープキスだそうな。


「ちゅ……っ」

「んぅ……」


 コマの赤い唇が触れる。口を開いたと同時に、私もコマも競争するように我先にと舌を伸ばし。ぬるりとした舌が触れ合った。

 瞬間、触れ合ったところからピリピリと電流が走るような感覚に襲われる。ゾクリ、と甘いその痺れが全身を駆け抜け、身震いしてしまう。


「く……ふ、む……」

「ぁ……んっ!」


 喰らいつくように唇を、そして舌を食む。別に直前まで何かを口にしてはいなかったから味などしないハズだけど、コマの舌は……口内は……あまい。コマのお口の中……とっても、甘くて豊潤で……くらくらする。興奮する。

 その甘さに誘われるように、ピッタリと唇を密着させてコマとの距離をゼロにする。隙間なく口を塞がれて息がまともに出来ないから、鼻で懸命に息をする。……結果。コマの香りをダイレクトに嗅ぐことになり、キスと相まって脳みそが融けそうになる。更に興奮しちゃってテンションは青天井で上がっていく。


「ム、ぁむ……ね、さま……」

「……んぎゅ……ぅうう……!」


 口腔内は舌と舌が大暴れ。私は夢中になってコマの小さくて愛い桃色の舌を己の舌でむしゃぶる。少し乱暴なまでにコマを求めて舌を捩じり込んだ。

 それはコマも同じようで。先ほどまでの私を気遣うような優しいキスとは違い、負けじと舌を捻じ込んで自分の舌で私という存在を味わう。互いにマウントを取ろうとお口の中で相撲のように押し合い圧し合いを繰り広げる。


「ぁ、ぅぐ……」

「……♪」


 この大一番を制したのは、やはりというべきかコマだった。コマの暴力のような舌の愛撫に耐え切れず、力をほんの少し緩めてしまったら最後。コマに一方的に蹂躙される。

 ざらざらとした味蕾を力強く舌先でくすぶり撫でられ。長く伸ばした舌が私の舌に巻き付き捉えて離さない。


「ふ、わぁ……」


 コマの激しい猛攻に。そしてコマの舌から与えられる快楽に耐え切れず。下半身の力が抜ける。立っていることなど出来なくて膝からストンと落ちかける寸前でコマに支えられ……そしてゆっくりと唇を重ねたまま、ソファに押し倒されて……


「姉さま、かわいい」


 キスに酔いしれた頭で朦朧としながらも、ぼーっとコマの顔を見る。コマも興奮してくれているのだろう。私と同じくらい顔を赤らめ、そしてギラギラした瞳で私を見下ろし『かわいい』と言ってくれる。私も『コマの方がかわいいよ』と返したかったんだけど……それを口に出す前に、再び唇を密着させられてその言葉は発せられないまま虚空へ消える。

 キスを重ねるごとに、口の中で唾液が混ざり合い……そしてそれを舌で掻き回す。ぐちゃぐちゃ、ぴちゃぴちゃといやらしい水音がリビングに響き……攻められていないハズの耳も犯されているような錯覚を起こす。


「はむ……じゅ、じゅるる……」

「ンゥ……」


 その混ざり合った二人分の唾液を、私の舌をも呑み込むような勢いで吸い付くコマ。じゅるりと音を立て唾液を啜られ、こくりこくりと飲み干す。


「姉さまも……のんで」


 おすそ分けと言いたげに。コマも唾液を押し流して私に飲むように促してきた。静かに頷き、私もご相伴にあずかる。

 音を立てて愛する人と自分の混ざり合ったその甘露を嚥下するごとに、頭の中が真っ白になる。それはまるで、媚薬のように……私を熱く燃え上がらせて……


「くちゅ……じゅる……ちゅぱ……」

「れろ……ん、んん…………あふ」


 どれだけ二人で飲み干しても、キスの虜となった私たちの身体は……絶え間なく唾液を生成する。キスの傍らに交互に吸い合っても追いつかず、溢れた蜜のような唾液は唇の端からツーっと流れ落ちようとする。


「あぁ……勿体ない……」


 その雫一滴さえも、貪欲になったコマは逃すまいと舌を這わせて舐め取った。そしてそのままコマはその唾液を私の唇にまるでリップを塗るようにまぶして塗りたくる。……こういうキスを、たしかニプルキスって呼ぶんだったっけか。

 私の唇の形に合わせてなぞるように舌を這わせるコマ。先ほどまでの激しい動きとは真逆の、ゆったりとした舌の動き。柔らかいコマの舌が焦らすように私の唇をなぞると、全身が寒気を感じたかのようにゾクゾクっと震えて止まらない。


「うぅ、うー……」

「あ、ダメです姉さま。ほら、ちゃんとこっちを向いて……」


 快楽から逃げようと顔を逸らしてしまうけど、コマはそれを許してくれない。そっと頬に手を添えて正面を向かせ……そしてニプルキスを続ける。


「あは……♪姉さま、素敵……ほら、見て姉さま……唇、濡れてとっても扇情的ですよ……」

「ゃあ……みないで……みせつけないで……!」


 ……数分後には、私の唇はグロスを塗ったかのようにコマと私の唾液でてらてらと鈍く輝いていた。そんな変わったメイクをした張本人はその様を私に見せつけるように手鏡をぐいぐいと私に差し出す。

 恥ずかしい……唾液で濡れた自分の唇も。ニプルキスで昂って、欲情して濡れた自分の瞳を見るのも……何よりもコマとのキスでこんなにもだらしない表情になっている自分を見るのが……本当に恥ずかしい……


「あー、もうその反応も……!ほんっとに……姉さまはカワイイですね!」

「うきゃっ!?」


 恥ずかしさのあまり目を両手で覆う私を前に、コマは心底嬉しそうな声を上げて再びキスを再開する。さっきまでは唇をなぞるようなキスだったけれども。今度は自分の舌を上下に動かして私の唇を舐め始める。

 ……それだけ聞くと、まるで子犬が愛するご主人にじゃれついているように聞こえるかもしれない。けれど……甘い。コマのそれは、決してそのようななまっチョロい行為ではなかった。例えるなら……子犬ではなく蛇。蛇のように舌を超高速で細かく動かして唇をそれはもう丹念に舐める。


「こ、ま……激し……」

「姉さま、ねえさま……マコ姉さま……!」


 後で調べたんだけど。こういうキスをリザードキスって言うらしい。トカゲとか、蛇とかの爬虫類が舌を上下に動かす様が似ているからこのキスの名の由来になったんだとか。……そんなキスをするコマの目は、まるで獲物を前にした爬虫類。まさしく蛇だった。

 ちょっぴりアブノーマルなキスに困惑する私をよそに、コマは一切手加減せずに舐める。舐める。とにかく舐める。


「んん、んーん♪ちゅ、ちゅっ……はぁ……んっ!」


 ただ舐めるだけでは勿論終わらない。私の唇を舌で押し開き、再びコマは舌を私の口の中へと侵入させ、今度は私の歯を、歯茎をその舌で舐め始めた。器用に舌を動かして一本一本丁寧に。隅々までしっかりと。まるで洗浄するように。まるで自分の舌を使って私の口の中全てにマーキングするかのように。あ、ちなみにこういうキスをサーチングキスっていうんだって。

 時間を相当かけ、すべての歯を。歯茎を舐め取ると。今度は上顎の天井を、左右の頬の内側を……口腔内のありとあらゆる場所に舌を這わせる。ぬるぬると生き物のように這う舌に弄ばれて、私はもう気持ちよさから放心し、ただただ甘受するしかなかった。


「ぅん……」

「ぁふ……」


 余すことなく舌のマーキングが終わると。最初にやった時のようにコマは唇を私のと隙間ないようにピッタリと合わせる。コマの舌が伸びてきて、私も自然とそれに合わせて舌を伸ばし……舌と舌が抱き合うように絡み合う。

 舌だけではない。一体いつからそうしていたのか、私自身コマと気づけば抱き合っていた。私たちは元は一つの存在である一卵性双生児。一つの存在として元に還るようにギュッと強く、強く抱き合っていた。身体が一つに融けていくように感じて……どうしようもないくらい興奮した。


「こまぁ……」

「ねぇひゃ、ま……」


 口の中でくぐもった互いを呼ぶ声が呻き蠢く。ぐちゅぐちゅ、じゅぱじゅぱと卑猥に乱れた音が響くのも最早気にならないほど私もコマも興奮していた。本能の赴くがままにお互いを求め続ける。

 だんだんと息が出来なくなってきた。鼻呼吸が間に合わない。……陸の上で、水底に沈んだような息苦しさを感じる。けれどもまだ……まだ唇は離さない。キスはやめない。寧ろこの息苦しさすら……コマから与えられているものだと思うと……昂る。


「(コマのキスに溺れてしぬのなら……本望だ……)」


 そう思ってしまうのも厭わないくらい、コマとのキスは心地いい。気持ちいい。ああ、なんて幸せなんだろうか。この時が、永遠に続けばいいのに……

 それでも、やっぱり限界は訪れる。身体が酸素を求め、名残惜しいと思いつつも二人同時に唇をゆっくりと離す。どろり、と蜂蜜みたいに濃厚な二人の混ざり合った唾液の橋が出来た。互いが離れるのを拒むように糸引きして……それはとても卑猥で。それはとても美しくて……


「はっ、はぁ……はああ…………はふぅ」

「ぁ、はぁ……はふぁあああ……」


 酸欠ギリギリだった身体に新鮮な空気を送り込む。どうにか息を整えて、そして私はコマを見つめる。


「……コマ、好きよ。愛してる」

「……私もです姉さま。好きです……愛しています……」


 キスとは、愛情の表現としての行為である。互いの愛を囁いて、そしてその証明として私は本日何度目になるかわからないキスをコマにする。


「姉さま……あ、の……ごめんなさい……私、わたし……」

「ん。わかってる」


 唇を離すと、コマは切なそうな表情で謝っていた。きっと、もう色々と限界なんだろう。寧ろ今の今までよく我慢できたねと褒めてあげたい。

 ……いいよ。来て。謝らなくていいんだよ。コマだけじゃないんだよ。私も、限界だもん。


 私は笑顔を見せて。自分の上着を静かに脱いで……そして。


「「……んちゅ」」


 キスを合図に、本能のままキスより先の事を始めるのであった。

読んでいただき感謝です。キスの日イベントこれにて完結。


Twitterでもちょっと書きましたが。まだまだダメ姉は続くかもです。ネタが……溢れ出てきて止まんない……更新自体はのんびりやるかもなので、遅くなるとは思いますがこれからもどうかよろしくお願いします。

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