ダメ姉は、大富豪する(前編)
ダメ姉更新しました。今月、来月また忙しくなりそうなので更新できるときに更新。
「―――あ、あの……コマ?そ、そろそろ下校の時間だし、今日のところは……この辺で止めにしない?」
「倍プッシュです姉さま♡」
「か、カナカナ!カナカナはもう止めにしたいって思ってるよね?」
「何言ってんのよマコ。こっからが良いところなんじゃないの」
「れ、レンちゃん!これ以上遅くなると、レンちゃんのお家の人が心配するよ!?」
「今日は遅くなるってつい今しがた連絡したのでご心配無用です!さあ、ネクストゲームですよマコ先輩!」
トランプを片手に涙目で必死に訴えるも、周りは全員敵だらけの四面楚歌。み、味方が誰一人としていない……
「ああ、もう……どうして……どうしてこんなことに……?」
ギラギラした目を輝かせる3人に囲まれて、逃げられない私は1人泣き言を呟く。楽しく皆で遊んでいただけなのに、ホントに……どうしてこうなった?
~この状況になる30分前~
「―――いやはや。それにしてもこのメンバーがちゃんと揃って遊ぶってのも久しぶりだよね。やっぱ気心の知れたこの皆で遊ぶのって楽しくていいよねー」
とある日の放課後。部活動の名目で学校の空き教室を(無断で)使わせてもらいながら、周りの皆にそんな事を言ってみる私。
「ですね。最近は授業の都合でタイミングが合わなかったり、例の先生に姉さまが拉致されたり、抜け駆けして姉さまとデートしようとする不届きな輩がいたりと……中々ここにいる全員で集まる事が出来ませんでしたからね」
「ま、わたし個人的にはマコ一人とデートしたいってのが本音だけど……寂しがりやなマコは皆と遊ぶのが大好きだものね。たまには、こうして集まってどんちゃん騒ぎするのも悪くはないか」
「……中学時代によく遊んだメンバーで遊ぶの、結構楽しい」
そんな私の一言にコマとカナカナ、ヒメっちは素敵な笑顔で同意してくれる。そしてこの場にいるもう一人も―――
「あたしも!あたしもです!普段は会えない分、マコ先輩とこうやって一緒に遊ぶの、すっごく楽しいですよ!」
「あはは。それは良かったよレンちゃん。私も、レンちゃんと遊べて楽しいよー」
中学時代の私の一個下の後輩、柊木レンちゃんもそれはもう飛び跳ねる勢いで嬉しそうにそう言ってくれた。
他の三人はなんだかんだお家でだったり学校でだったりで遊べるけど、レンちゃんはまだ私たちと違い中学生で学校も違うから……残念だけどあんまり一緒には遊べないんだよね。だからたまにこうして皆でワイワイ遊ぶの、私大好きだわ。
「つーか柊木。今更だけどあんたなんでここにいるのよ……」
「むっ……なんですか叶井先輩。あたしがここに居たらいけないんですか?」
「いけないってわけじゃないけどさぁ……そもそもあんた部外者でしょうが。どうやってこの学園に潜り込んできたのよ」
「マコ先輩の妹だ、って言ったらすんなり入らせて貰えましたよ?」
「は、はぁ!?マコ姉さまの妹は、後にも先にもこの私ただ一人ですけどぉ!?」
「……どうどう。落ち着けコマ」
レンちゃんが加わっただけで、ほらこの通り。いつも以上に賑やかになる私たち。うんうん、皆も楽しそうで何よりだ。
「それにしても……ホントに大丈夫なのレンちゃん?授業とか部活とか……何か予定とか無かったの?」
放課後になると同時に、どこからともなく『マコ先輩お久しぶりですっ!遊びに来ちゃいました!』と元気に私たちの教室に乗り込んできたこの後輩。
レンちゃんは三年生で今年は受験生だし……私たちの頃は放課後になっても受験対策授業が行われていたんだけど……その授業に出なくても大丈夫なのかな?例え授業がなくてもレンちゃんは確かなんかの部活に入ってたはずだし……
「大丈夫です!今日は職員会議があるお陰で、午前中だけ授業があったんですよ。部活動も……前に入っていたサッカー部のマネージャーはとっくの昔に辞めてますし。今入っている部活も……マコ先輩と一緒に居ること自体が部活動に繋がるので!」
「あ、そうなんだ。それは良かった…………ん?」
……授業はともかく。なんで私といること自体が部活動に繋がるんだろうか?……そういやこの前もレンちゃんったら『部活ですか?マコ先輩の良さを布教する部活に入ってますよ!』とか冗談言ってたけど…………ま、まさかね?
「それよりもマコ先輩?今日は何をして遊びます?」
「そだねー。ちょうどトランプ持ってきてるし、トランプゲームで遊ばない?」
「良いですね。トランプゲームと言えば……やっぱり定番のババ抜きですか姉さま?」
「うーん……悪くは無いけど、女5人が集まってババ抜きって……字面がちょっとアレだよね」
「確かにそうね。んじゃ……ちょうど5人でキリも良いし、無難に大富豪でもやりましょうか」
「……賛成」
というわけで、本日はババ抜きや七並べに並ぶトランプゲームの王道……大富豪をやる事に。
王道だしやった事がある人も結構多いだろう。カードを均等に配って、手持ちのカードを順に出し。そしてカードがなくなれば上がりというシンプルなゲーム。カードには強さがあって、
3→4→5→6→7→8→9→10→J→Q→K→A→2
の順に強くなっていく(ただし今回ジョーカーが2枚入っているので一番強いのはジョーカー)。場にあるカードよりも強いカードしかプレイヤーは出せず、どうしても出せない場合は(もしくは出したくない場合は)パスしていくのが大富豪の基本ルールだ。
このゲームの面白いところは、ゲームの順位によって、次のゲームから階級が決まるというところ。5人の場合は勝った順に『大富豪』『富豪』『平民』『貧民』『大貧民』と格付けされ……『大貧民』は『大富豪』に2枚手札の強いカードを渡し、『大富豪』は『大貧民』に必要の無い2枚のカードを渡すという面白いルールが存在する。(ちなみに貧民・富豪は一枚ずつ交換)。
他にもいくつかカードの出し方とか公式・非公式ルールが色々あるけれど……まあ、それはおいおいって事で。
「最初は全員が平民スタートだよね。んじゃとりあえずカード配るよー」
「「「「はーい」」」」
ジョーカー2枚を山札に加えてシャッフルし、そして皆に均等に配る私。早速ゲームスタートだ。
どれどれ?私の手札は…………うーむ。良くもなく悪くもなくってところかな。とりあえず、最初だし目標は大貧民回避!頑張るぞー。
「あら……私、ダイヤの3を持っています。私からスタートでよろしいでしょうか?」
「OK。良いわよ。んじゃコマちゃんから時計回りにカード出していくって事で良いわね?」
「……異議なし」
「あたしもそれで問題ありません!」
「よーし。んじゃ第一ゲームスタートだね!」
「はいです。では……早速3を三枚出させて貰いましょうか♡」
「「「「ッ!」」」」
我が愛しき妹はそう言って笑顔でダイヤ・エース・クラブの3をその場に出してくる。初手から、三枚出し……!?
このゲーム、手札によってはコマが今出したように1枚だけでなく2枚、3枚。そして4枚一気に出すことも可能である。この場合次のプレイヤーも同じく3枚ずつ出さなければならない。こちらも3枚持っていれば対抗できるけど……
「ぐぅ……ぱ、パスするね……」
「……私もパスー」
「うぅ、あたしもです……」
手札は基本ランダムだ。そう都合よく同じ数字のカードが揃うわけもなく。私、ヒメっち、レンちゃんの三人は敢無くパスを選択する。
「やるわねコマちゃん……まあ、わたしは出すけどさ。はい、6のスリーカード」
そんな中唯一カナカナだけは3枚同じ数字のカードを出せた模様。
「あら。でしたら……こちらも9を三枚」
「「「……パス」」」
「ちっ。涼しい顔してあっさり対抗してくるわね。んじゃこっちは10を2枚とジョーカーを1枚で」
「喰らいついてきましたか。良いでしょう、2を三枚」
「「「…………パス」」」
……白熱する二人。そして蚊帳の外な私とヒメっちとレンちゃん。こ、こちとら一枚も出せてないのにもうすでにコマとカナカナは終盤戦のように残り手札が指で数えられる程度になってるんですがどういうことなのコレ……?
「何枚同じ札持ってんのよコマちゃん……イカサマでもした?」
「それはこっちの台詞ですかなえさま。なんで悉く対応できてるんですか……で?出しますか?」
「一番強い札を3枚も場に出されてる時点でこっちが手を出せるわけないでしょうが。パスよパス」
「それは良かった。では……2のカードです」
「「「「パス!」」」」
残り一枚のジョーカーを除き、最強のカードが場に全て出てしまっている。多分最後の一枚を持っているであろう誰かも、コマの快進撃を止める為だけに貴重なジョーカーなんて出すわけ無いだろうし……これは、コマが大富豪決定みたいだ。さ、流石コマ……まさか運が絡むトランプゲームにも強いだなんて。
全員のパスの声を聞き、満足そうにコマは最後の一枚を場に出す。
「ではこれで私のあがりです―――はい、ジョーカー」
「「「…………は?」」」
そうしてコマが出したカードは、あろう事か……最強の切り札。ジョーカーのカード。コマが先ほど出した2のカードよりも強い、ある意味誰にも対応できない最強のカードだ。
…………いや、でもこれは……
「あの、コマ……?これってさ……」
「……最後に2とか、8切りの8とか、ジョーカーであがるのって」
「は、反則負けでは……?」
……そう。コマが出したこのカード……いや、前の2のカードもだけど。実は大富豪にはこういう強いカードあがってしまった場合、反則負けとなってしまうルールが存在する。
その場合、例え一番に上がれたとしても……残念ながらルール違反として大貧民になっちゃうんだけど……
「あら♪ごめんなさい、失念していましたね。では……仕方がないので私が次回大貧民と言う事で」
「い、いやちょっと待った。ルールを忘れてたのなら……一回くらい巻き戻しても良いよコマ……?」
「いえいえ姉さま。どの道巻き戻したところで私の最後の手札はジョーカーか2です。どちらでも反則負けになりあがれない以上私が大貧民確定ですよ」
「そ、そっか……」
え、いや……え?なんで?なんでコマったらこんな初歩的な凡ミスを……?あんなに強い手札なら、ほかに勝つ方法なんていくらでもあったんじゃ……?
「ちぃ……!やってくれたわねコマちゃん……!わたしが、本当なわたしが大貧民になって……貢ぐはずだったのに……!」
「ふふふ……恨むのであれば、そのカード運を恨んでくださいませかなえさま」
何故か大貧民になった事を嬉しそうにしている我が妹。私やヒメっち、レンちゃんがわけもわからずクエスチョンマークを飛ばす中、カナカナだけはコマの意図に気づいた様子で歯ぎしりをする。
……君たち?なんかよくわかんないけど、二人とも違うルールで遊んでない?気のせい?
「え、ええっと……じゃあとりあえずコマが大貧民って事で……ゲーム再開するよ。じゃあ私から。4のカード」
「……5」
「あ、じゃあ7です!」
「パスするわ」
「え?あ、ああうん。そんじゃ……8切りをしてから5のカードを」
「……6」
「あたしは7を出します!」
「パスよ」
「…………あの、カナカナ?」
「なぁにマコ?マコの番だけど……どうかしたの?」
「いや、なんでカード出さないの?」
「ん?あー……ごめんねー。わたしはもう出せるカードがないのよ。マコは気にせずじゃんじゃかカード出しちゃって」
「わ、わかった……」
先ほどまでの勢いは何処へやら。急にやる気をなくしたようにパスを連発するカナカナ。いや、出せるカードがないって……さっきまでかなり強いカード出してたでしょうに……
コマも、それから親友も。どういう意図があるのか分からないまま。とりあえず残り三人でゲームを続けることに。
◇ ◇ ◇
そうこうプレイを続けていって―――
『大富豪』私
『富豪』ヒメっち
『平民』レンちゃん
『貧民』カナカナ
『大貧民』コマ
第一ゲームは結果的にこういう順番に。最初に反則負けをしたコマが大貧民で、あの後パス連発しまくったカナカナが貧民に。
あとは手札の僅かな差で私が一抜けし、ヒメっちとレンちゃんがそれに続く形となった。
「それではネクストゲームを始めましょうか。……ですがその前に。姉さま、はいどーぞ♡大貧民から大富豪さまへ愛の貢ぎ物ですよ」
「あ、ああうん。ありがと。んじゃ……ごめんコマ、押し付けるようで悪いけどコレとコレをあげるね」
「まぁ……!ありがとうございます姉さま!ああ、これが姉さまから頂いた大事なカード……大切に、大切に使わせていただきますね」
次のゲームが始まる前に。コマは私にとても強いカードをくれて。逆に私は比較的弱くて使えそうにないカードをコマに手渡す。私からカードを受け取ると、コマはうっとりとそのカードを見つめている。
……あのぅ、コマ?なにしてんの?
「くそぅ……今度こそ、次のゲームこそわたしがマコに……!あ、おヒメ。これ上げるわ。好きに使って」
「……あー、なるほど。わかった。なんか変だと思ったけど……コマもカナーも、そういう事ね」
「…………ハッ!?せ、先輩方、まさかこれが狙いなんです……!?ず、ズルい!ズルいです!だ、だったらあたしも……!」
「あの……カナカナもレンちゃんも……何言ってんの?」
「……マコ、気にしなくていい。気にしたら負け」
周りの皆も何を言っているんだろ?気にするなと言われても……そう言ったヒメっち本人のやれやれ、といった顔がなんだかやけに気になるんだけど……
「それでは、第二ゲームです。大貧民の私から、始めさせていただきますね」
~ダメ姉とゆかいな仲間たち大富豪中~
それから何戦か大富豪をプレイした私たちなんだけど。
「……あ。ゴメン、皆。少し早いけど私、母さんの為に夕食作らないと……そろそろ帰らせて貰うね」
唐突に時計を見たヒメっちが、通学鞄を手に持ちながら私たちに謝りながらそう言ってくる。おっと……もうそんな時間か。
「大丈夫大丈夫。こっちこそ付き合わせてしまってゴメンねヒメっち」
「お気をつけてお帰りくださいヒメさま」
「また明日ねおヒメ」
「麻生先輩、お疲れ様です!」
「……ん。今日は楽しかった。またね」
慌ただしく教室を出て行くヒメっちに手を振って別れる私たち。バイバイヒメっち、お母さんによろしくねー。
「さーてと。ヒメっちは抜けちゃったけど……どうしよっか?大富豪続ける?」
「ええ、ようやく盛り上がってきたところですからね」
「わたしもよ。こっからが良いところなんじゃないの」
「あたしも!先輩が望まれるのであれば、どこまでもお付き合いしますよ!」
残ったメンバーに続行の意思を確認する。皆やる気満々なようで何よりだ。
……さて、と。じゃあ皆で楽しくプレイする為にも―――とりあえず、やらなきゃいけない事をやっておくとしましょうかね。
「よーし。それじゃあネクストゲームに移りたいと思うんだけど。その前に、だ」
「「「?その前に?」」
「…………いい加減、接待プレイするの止めにしようか皆……!」
「「「ッ!!?」」」
ニッコリ笑顔でコマ、カナカナ、レンちゃんを見つめ。そう切り出す私。
「せ、せせ……接待プレイ?何の、お話ですかねマコ先輩……!?」
「そ、そうよ。何の話なのかわたしたちにはさっぱりで……」
「恍けないで。最初のプレイからおかしかったけどさ……君たち、絶対私が勝つようにわざと負けてるでしょ」
最初のコマ、カナカナは勿論。途中からレンちゃんの挙動が明らかにおかしかった。わざと反則負けしたり、パスを続けたり。
かと思えば私が都落ち(大富豪が負けた場合、次ゲームから大貧民になる事)をしないように絶妙な加減で調整したり……
「もっと早く気付くべきだったよ……あの場では私とヒメっち以外誰もまともに大富豪してる人いないんだもん」
「うふふ♪いやですねー姉さま。すべて姉さまの実力ですよ実力。姉さまは本当にお強いですねー」
「あれだけ全勝させておいてよく言うよ!?」
しらばっくれるコマも可愛いけど、それとこれとは話が別!まったく、この子達は……
「あのねぇ、皆。皆が私の事を気遣って、私に気持ち良く勝ってもらおうとしてくれる事自体は嬉しいよ。でもやっぱこれ、ゲームなわけじゃない?わざと勝っても嬉しくないのよ。……皆だってわざと負け続けるのもきついでしょ?楽しくないでしょ?」
「(大貧民になって、姉さまに貢ぐのが楽しいとは言えませんね……)」
「(大貧民になって、マコに貢ぐのが楽しいとは言えないわね……)」
「(大貧民になって、先輩に貢ぐのが楽しいとは言えないや……)」
そりゃ勝つのは嬉しいけど。でも私一人だけ勝つのはなんか違うと思う。そういうのはゲームじゃないよね。
「やっぱゲームは公平に、勝ち負けあるからこそ面白いんだからさ……だから、ね?お願い。もうこういう事はしないって約束してよ」
「「「…………」」」
私のそんなお願いに、皆は気まずそうに目を逸らす。……どうやら接待プレイしてた事を何が何でも誤魔化したいらしい。
仕方ない……だったら―――
「おっけー。ならこうしよう皆。今から罰ゲーム制にするの」
「「「罰ゲーム制……?」」」
わざと負けるのが嫌ならば。負けるのが嫌なルールにすれば皆だって本気になってくれるはず。そう考えた私はコマたちにそう提案する。
「そう、罰ゲーム。これなら皆、わざと負けるような事はしないでしょ?それに……罰ゲームありなら適度に緊張感も生まれて、今まで以上に面白みが増すと思うんだ」
「ええっと……罰ゲーム自体は、まあ問題ありませんが……」
「具体的に、どんな罰ゲームにするのよマコ」
「あまり厳しめなのは……ちょっとあたし困っちゃうかもです……今あまり懐に余裕がありませんし……」
ふむ、罰ゲームの内容かぁ。何が良いだろうか?……厳しすぎず、手頃で楽しくて。んでもって後輩のレンちゃんに負担をかけるような事がない……そんなほどよい罰ゲームと言えば……
「そうだねぇ…………んじゃ、こういうのはどう?負けた人が一枚ずつ服を脱ぐ、とか」
…………冗談だった。私としては場を和ませるための、軽い冗談のつもりだった。
ガタタ!×3
「「「脱衣、大富豪……?」」」
「え?」
―――この瞬間、周りすべてが敵と化した。
読んでいただきありがとうございました。マコ、不覚。あんなの獣たちの前で鴨が葱を背負って目の前で出汁を取った鍋沸かしてから入水するようなものですよ。