第112話 ダメ姉は、カミングアウトする
今回は立花姉妹暴走回です。…………つまりはいつも通りのダメ姉回って事ですハイ。
あの後の。そうだ、我が最愛の妹コマを救う為にダメ姉こと私……立花マコがカラオケ店で大立ち回りをした後の話をするとしよう。
私の通報を受け駆けつけてくれた警察のお兄さんの話によると、コマを騙してコマの事をオイシく頂こうとしやがった屑二人は……取り調べの結果、9月10月と度々学校でも話題になっていた例の『女子中学生連れ去り未遂事件』の不審者二人だったことが分かったそうだ。
未遂続きでしかも11月に入ってからピタリと目撃情報が途絶えてしまったため、犯人たちも諦めたのではという噂も流れていたけれど……実際は手口を変えてバレないように犯行に及んでいたらしい。
なんでも今回のコマのように無理やりあのカラオケ店に連れ込んで酷い事をした挙句、その酷い事をカメラで撮り『この映像をばら撒かれたくなかったら黙っていなよ』という典型的な下衆の脅しで被害者の女の子たちを黙らせていたとか。
犯行が公にされていなかったのは、被害者の女の子たちがその脅しに屈して泣き寝入りする羽目になった事と……あのカラオケ店の店員(私がさっき知らず知らずのうちに掴みかかり、投げ飛ばしていた受付の奴)がグルになって証拠を隠滅していたからだそうだ。詳しい話は流石に聞けなかったけど、かなりの女の子たちが被害に遭っていたらしい。
ただ……今日はそう上手くはいかなかった。まさか奴らも途中乱入してきた非力そうなちっこい女子中学生にボコボコにされるとは夢にも思わなかっただろう。しかも決定的な犯罪の証拠まで掴まされるなんてね。
『妹さんと連中の会話は、立花さんがレコード機能付きトランシーバーで記録してくれましたから証拠もバッチリ残りました。連中の家宅捜査も始まっていますし、そこからこれまでの連中の悪事の証拠が出てくるハズ。刑は免れないでしょうね。それもこれも立花さんのお陰です、本当にありがとうございました』
と、警察のお兄さんは笑顔で言ってくれた。連中をシバキ倒した事も相まって、後日感謝状が贈られるとかなんとか。ダメな私も時には世の為人の為になるもんだね。
『―――それはそれとして。なんて無茶をしたんですか立花さんッ!?無事だったからいいものの……下手をしたら貴女まで酷い目に遭っていたのかもしれないんですよ!?反省してください反省ッ!!!』
…………まあ、感謝をされた事と同じくらい……いやそれ以上に。コマを単独で助けに行った事を怒られもしたけどね。あ、あと説教ついでに『どう考えても過剰防衛ですし、ある意味今回の証拠の品になりますのでこれは預からせていただきますね』と、私の頼れる防犯グッズも再三に渡り没収されてしまったとさ。……うぅ、また買い直さなきゃいけなくなったわ……
そんなこんなで事情聴取と説教(何故か事情聴取よりも説教の比重の方が重かった気がする)を終えて、私とコマが我が家に帰ってきた頃にはすっかり日が沈んでいた。
『コマ、マコ。二人とも無事で何よりさね。……ああ、あの阿保姉はアタシがしっかり言い聞かせてやっといたよ。まあ、その話はどうでも良いからまた今度するとして―――今は積もる話もあるだろうし、リビング自由に使いな。アタシはしばらく席外すからよ』
そう言って、珍しく気を遣ってくれた叔母さんの提案に従いコマと共にリビングのソファに腰を掛ける私。
まずはコマにカラオケ店で約束した通り、早速コマが勘違いをしているであろう諸々の件についての誤解を解くことに。
「―――というわけなんだよ。コマと母さんが一緒に暮らす事を私と叔母さんが同意したなんて真っ赤な嘘。なにせあの人の再婚話なんざ、私も叔母さんもついさっき知った事だもん。つーかそもそも。私って母さんと父さんが離婚してた事すら知らんかったよ」
「……そう、だったのですか」
「そうだったんだよ」
大体この私がコマと離れて暮らすなんてありえないじゃないの。どこだろうが……それこそ世界の果てだろうが異世界だろうが地獄だろが、私絶対コマに付いて行くに決まってるし。
「それとさっきの『やーっと厄介なお荷物から解放されて……念願の、念願の二人暮らしが実現できるハズだったんだしさぁ!』って話も誤解なの。お荷物ってコマの事じゃなくて叔母さんの事を言っていたんだよ」
「……と、言いますと?」
「あれね、実は来月から叔母さんがこの家を空ける事になってさ。それでしばらくの間この家で、私とコマの二人っきりの同棲生活がスタートすることになったんだよ。それを喜んでしまってついついあんな話をしてたわけなの。だから何度も言うけどコマの事じゃないからね!お荷物なんかじゃないからねッ!」
コマの事をお荷物だなんて思った事なんて、生まれてこの方一度たりともない事を強調する私。この誤解だけは何が何でも解いとかないと色々マズいもんね。
と、まあこんな感じで全部の誤解を解いた私。ここまでしっかりとコマに説明すればきっとコマも安心してくれるだろう。そう思っていた私なんだけど……
「……ありがとうございます姉さま。安心しました」
その『安心した』という言葉とは裏腹に、微妙に納得していないような……不満があるような……何か私に言いたげな雰囲気を纏わせるコマ。ああ、これ……ホントは安心なんて全然してないっぽいな……
さて……コマはどうしたら安心してくれる?何を言えば納得してくれる?一体何が不満?コマは私に何を言いたい?…………残念だけど、この私のポンコツな頭ではコマの聡明な脳内を解き明かす事なんて無理だろう。
だったら……
「ねえ、コマ。この際だからさ、ちょっとお互い腹をくくって……本音で語り合わない?」
「……え?本音で……?」
だったら直球勝負で問いただすのみ。元々コマが相貌失認を患わなければ、さっさと自分の想いを告白して……それを皮切りにコマと色々本音でぶつかり合おうと思っていたところだ。
今がきっとそのチャンスだろう。
「コマね、なんか私に対して言いたい事がたくさんあるように見えるんだよ。でも……私に遠慮して、それを口に出さないようにしてる。……違う?」
「……ぅ」
「やっぱそうなんだね。……コマ、私たち双子の姉妹なんだしさ。私に対して遠慮なんていらないよ。今回の誤解の件だって、こんな心臓に悪い置手紙なんか残さずに、私に一言言ってくれれば良かっただけの話でしょ?」
「それは……はい……」
コマが置いて行った例の手紙を手に取ってコマに言い聞かせる。いやホント、こういう悪い意味でのドッキリはこれっきりにして欲しい。あの手紙読んだ時はマジで心臓止まるかと思ったもの……
「さっきカラオケ店でコマは私に感情むき出しで本音を語ってくれたよね。『姉さまを認識出来ないのが辛い!だから一緒にいられません!』ってやつ。あれ聞いた時、めっちゃ嬉しかったよ」
「……嬉しかった?」
「うん、そう。嬉しかった。私なんでコマが突然家出したのかわかんなかったから、尚の事コマはこう思ってくれてたんだなって分かってちょっと安心したんだ。自分の気持ち抑えられるよりもさ、どんなことでも良いから本音でぶつかり合えた方が……お姉ちゃんとしては嬉しいのよ」
だってそれが出来れば……遠慮とか無しで語り合えれば。私たちの関係は、もっとよりよいものになると確信しているから。親友のカナカナも言っていた。『マコとコマちゃんって、仲が良いように見えて……お互いに壁を作っているように見える』って。
私たちに必要な事は相手を気遣って気持ちを隠す事じゃなく、本音でぶつかって喧嘩してお互いがお互いの為に作った遠慮という名の壁をぶち壊す事だろう。
「私もね、今までコマに言えなかった事があるの。どうしても言いたい事があるの。……これを言ったらきっとコマが困ってしまうだろうなって気持ちをこれまでずっと隠してきたの。……ホントは隠し続けるつもりだったけど。でもやっぱ、このままじゃ私にとってもコマにとっても良くない事だって思っている」
「……」
「だから私、もう遠慮なんてしないで今からコマに自分の気持ちとか想いとか……全部隠さないで伝えるね。……コマも、言いたい事があるならさ。今ここで全部吐き出してよ。私は全部受け入れるつもりだよ」
「…………」
「本音でぶつかり合おう。それが私たちにとって一番大事な事だとお姉ちゃん確信しているよ」
真っすぐにコマを見つめてコマに本音で語り合う事を促す私。そんな私に対してコマは少しの間目を伏せて逡巡している様子だったけれど……
「…………言うまいと……心に秘めていようと思っていました。本当は、伝えるつもりは無かったんです。私にはこの気持ちを伝える資格はないと、先月再認識してしまいましたから……姉さまを困らせるだけだと分かってしまったから……」
「困らせる?」
やがて観念したようにぽつりぽつりと話を始めた。
「でも……もう限界です。今日、あのカラオケ店で……6年前のあの日のように颯爽と駆けつけて救ってくれた姉さまを見たら……この気持ちを、秘めたままじゃいられなくなった……」
「秘めたままじゃられなくなったって……何が?」
「マコ姉さま。私の本音……教えてあげます。私……わたし……」
そうしてコマは、一呼吸開け。覚悟を決めた凛々しい表情で私にこう告げた。
「私、立花コマは……姉さまの事が好きです。大好きなんです……!」
「…………はぇ?」
その刹那。予想の斜め上すぎた突然の告白に、私の思考は一時停止。……今、コマ……なんと仰いまして……?すき……隙……鍬……好き……?…………好き!?
え、あれ?嘘……?まさか……まさかの愛の告白ですと……!?ゆ、夢じゃないよね!?ジョークでもないよね!?つーか告白しようしようと一か月前からあれこれ悩んで四苦八苦してたのに、こんなにあっさりと妹に先を越されただと……!?
「わ、わたひも!わわわ……私もコマが好き!だいしゅきだよ!!!」
あまりの事に脳も呂律も上手く回らなかった私だけれど。勇気を出して本音を語り合おうとしてくれているコマの手前このまま呆けてばかりもいられない。慌てて告白返しをする私。
するとコマは少し寂しそうなアンニュイな笑顔を浮かべつつ首を振ってこう続ける。
「ありがとう、ございます。でも……ごめんなさい。違うんです」
「へ……ち、違うって……」
「姉さまの好きと、私の好きは……違うんです」
「……ッ」
その一言に冷や水をぶっかけられたような気持ちになる。コマと私の好きは違う…………そ、そりゃそうだよね……いやうん、わかってた。最初からわかってたさ……勘違いしちゃダメだって事くらい。
何せ私の好きはコマの純粋な好意と違って、邪で歪でイヤらしくてスケベ心満載な好意だもの。コマの事を押し倒して抱きしめて身体中にキスをして滅茶苦茶にしたいって方向性の好きだから、コマとは全く違う―――
「何せ私の好きは姉さまの純粋な好意と違って―――姉さまの事を押し倒して抱きしめて身体中にキスをして滅茶苦茶にしたいって意味の好きなんですから……ッ!」
「…………あれ?」
…………おかしい。どういう事だ?全く同じ気持ちなんだけど……?
「あの……コマ?違わないんだけど……実は私もそういう意味で好きなんだけど……」
「……姉さま。私への慰めのつもりでしょうが、そんな適当な事は言わないでください。私と姉さまの好きの中身が一緒なわけないじゃないですか。私、一人の女として姉さまの事をいやらしい目で見ているんですよ?」
「わ、私もだよ?私もいつもそういう目でコマの事を見てたんだけど?」
コマの予想外過ぎる発言に混乱しながらも正直に答える私。そしてそんな私にかぶりを振るコマ。
「冗談は止してください。姉さまの好意は一点の曇りもなき純粋な家族への愛情でしょうが、私の好意は薄汚れて欲望に満ち満ちた穢れている好意なんです」
「い、いやだから……私も家族愛を越えた欲望に満ち満ちてる穢れた好意をコマに向けてるんだけど……」
「いいえ、私と姉さまの好意は違います。私、女の子なのに、それも双子の姉に欲情しているんですよ?姉さまのそれは妹の私を一生懸命守ろうとする姉の鑑とも言えるようなとても優しい好意ですが、一方私のそれは姉さまを見ているとドキドキして姉さまをめちゃくちゃに犯したいって思っているような醜いドロドロとした好意なんです。全く違うでしょう?」
「だーかーらー!私も!私もそうなのっ!女なのに守るべき双子の妹を性的な目で毎日視姦しているような欲望全開の気持ち悪い変態姉なのッ!なんでそれをわかってくれないの!?」
「……まさか。純情で無垢な穢れを知らない姉さまが、私と同じ趣味なわけないじゃないですか」
「はぁ!?」
続けざまに繰り出される意味不明なコマの発言に困惑が益々増していく。さっきからコマが誰のことを言っているのかわからなくなった。
純情で無垢な穢れを知らない……?ごめん、ナニソレ?私のどの辺がそう見えるの? 純情で無垢な穢れを知らないのはコマの方でしょ?ちょっと今から眼科に行った方が良くないかコマ……?
「よしんば姉さまの恋愛対象が女性だったとしても、姉さまには私なんかよりもずっとずっと素敵な女性が傍に居るではありませんか。好きになったり付き合うとしたらその人とするべきでしょうに……」
「何の話をしてんのさコマ……?コマ以上に素敵な女性とか、お姉ちゃん心当たり無いんだけど……?」
「誤魔化さないでください。叶井さまの事ですよ」
「か、カナカナ……!?ちょ、ちょっと待ったコマ!なんでそこでカナカナの名前が出てくるの!?」
確かに我が親友のカナカナは素敵な女の子だと自信をもって言えるけど。それはそれとして何故このタイミングでカナカナの名前がコマの口から出てくるの?
わ、わからん……さっきからコマが何を言いたいのか全く分からんぞ……?
「……やっぱり誤魔化すんですね。私、知っているんですよ。先月姉さまが叶井さまに告白された事も!姉さまが叶井さまの事を好ましいと思っている事も!そして―――姉さまが告白を受け入れられない理由も、この私が姉さまにトラウマを植え付けてしまった事も!全部全部、知っているんです……ッ!!!」
「んな……ッ!?」
な、何故それを……何故コマが先月カナカナに告白された事を知っているんだ……!?し、しかも私のトラウマを知っているって……も、もしかして。
「もしかしてコマ……先月の事を……」
「…………はい。ごめんなさい。私、姉さまに隠れて見ていました。叶井さまが姉さまに告白していたところも。それから……姉さまが叶井さまに告白の返事をするところも。覗き見ていました……」
「や、やっぱり……!?」
「だ、だって……だって仕方ないじゃないですか!?叶井さまに大好きな姉さまを盗られるかもしれないっておもったから……不安でたまらなかったんです!だからこっそり覗き見していましたすみませんっ!」
逆ギレ気味にコマに謝られる私。な、なるほどわかった。だからコマは先月カナカナの事をあんなに敵視してたのか……だからここ最近ずっと気まずそうに私を避けていたのか……
って、いやでも待てよ……?だったらどうして……
「の、覗き見してたならコマも知ってるでしょ!?私のカナカナの告白の返事とか、カナカナが私に説教したところとか!私が本当に好きなのは誰なのかとか!なんで覗き見してたのに、コマは私の言う事をさっきから信じてくれないのさ!?」
「……叶井さまの説教?姉さまが本当に好きなのは誰か……?そんな話、してましたっけ?」
「え?」
「え?」
…………このコマの反応。ま、まさか……
「…………ねえコマ。ちょっと確認したい事があるの。私がカナカナに告白の返事をしたあの日さ、君はどこまで覗き見していたんだい?」
「……姉さまが叶井さまに『私は……妹一人守れない、守るどころか追いつめてしまった最低な人間なんだ。…………そんな私には、妹を差し置いて誰かに付き合うなんて出来ないし―――誰かに好きになって貰える資格なんてないんだよ……』という理由で告白をお断りしたところまでですが、それが何か?」
「ぬぁああああああああ!!!よりにもよって肝心のその先の話が聞かれてなぁあああああああい!!!?」
思わず頭を抱えてその場で悶える私。そこまで盗み聞きしてるならさ、いっそ最後まで聞いていってよコマ!?カナカナのとてもありがたい説教とか!私がコマ以外の人とキスをするのを無意識に拒否していた事とか!私が本当に好きなのが誰なのか自覚するシーンとか……全部聞いてよぉ!!!?そこからが一番重要な話じゃないか……ッ!!!
え、ええい仕方ない。こうなりゃヤケだ!この私がどれだけコマの事を変態的に愛しているのか何が何でも分からせてやる……!
「コマはなにもかも勘違いしてるッ!私コマが思っているような清廉潔白な姉なんかじゃない!コマの事が大好きで、大好き過ぎて偏愛的にコマの事を愛でているダメ人間なんだよ!コマの洗濯前のブラをクンカクンカしちゃうような変態なんだよ!?」
「ブラ程度甘いです姉さま!私の方が変なんです!私は姉さまの洗濯前のショーツの香りをオカズにしちゃうようなどうしようもない気持ちの悪い妹なんです!部屋の隠し金庫の中に姉さまの盗撮写真で埋め尽くされたアルバムが1000冊を越えちゃうくらい可笑しな妹なんですッ!」
「勝った!私なんかコマの成長日記と称して作り続けているコマの隠し撮りアルバムが、ついこの間5000冊突破したよ!しかも隠し撮りだけじゃない!コマのシャワーを浴びる音をこっそり録音して、それを催眠音声として毎晩愉しんでいるわ!つまり私の方が変態で!私の方が気持ち悪くて!私の方がコマの事を愛してるんだよ!」
「そんなの可愛いものですよ!私は姉さまがトイレに座っている時の音を盗聴して毎晩使っています!いいえ、トイレだけではありません!姉さまのあらゆる私物に盗聴器を仕掛けて、おはようからおやすみまで、姉さまの暮らしをやらしく見つめる最低の人間なんですよ!?」
「何言ってんの!盗聴器くらい私もコマにいくらでもコマの許可なく取り付けていますが何か!?寧ろ盗聴器だけなんて優しいくらいじゃないのさ!私は以前魔が差してコマのシャワーシーンをこっそりと盗撮を―――」
これまでにないくらい口論になる私とコマ。これは……これだけは負けられない……
私の方がコマの事が好きで、私の方がコマの事を愛していて……そして私の方が気持ち悪いという事を証明するんだ……!絶対に負けられないぞ……!
「私が変態なの!」
「変態なのは私です!」
「いやいや私こそ変態なんだよ!」
「いいえ私の方がどうしようもない変態です!」
「いーや違うね、私が真の変態であって―――」
二人身を乗り出して己の主張を熱く表明する。お互いがお互いをドン引きさせようと、必死にこれまで隠してきたアレコレについて赤裸々に告白しつつ自分の愛を表現する。
どちらもドン引きすることなくその言い争いはエスカレートしていき……そして、
「…………珍しく言い争う声が聞こえてきて、流石に心配になって様子を見に来て見れば。マコ、コマ。お前ら姉妹はなにを気持ちの悪いカミングアウト合戦しているんだ……?」
「「…………あ」」
そして。めい子叔母さんが隣の部屋からドン引きした顔でツッコミを入れてくれるまで、立花姉妹の愛の告白という名の変態歓談は続いたのであった。
前話めちゃくちゃカッコよかったお姉ちゃんも、一話明ければこのザマですよ。前回の感動を返せマコ。そしてお前はどこへ向かうんだコマ。
ちなみに軽くドン引きしている叔母さんですが、姉妹の赤裸々な生々しい会話も当然メモるし小説のネタにします。