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BEAST WEAPON  作者: 冬西南木
3/3

メインヒロインの登場

「…………」

血と肉片が()()らされた部屋を隼人(はやと)とアラナが掃除していた。

まず肉片を取り除き、今は血を洗っているところだ。

いつもの起床時間の6時半には終わり、妹は自分の部屋に戻った。隼人は学校の制服に着替え、腕時計型のスマートフォンを手に付け、青っぽい髪の寝癖を整えて、とサッと準備をしていく。

最後にカバンを持ち、下の階に降りる。

アラナはまだ降りてきていなかった。

カバンを壁に立て掛け、キッチンに立つ。朝御飯を作るのは隼人の仕事だ。

昨日の内に炊いていた白御飯を、テーブルに運んでいるとき、金髪を肩までのツインテールにしたアラナが、リビングに入って来た。

アルフォード家の両親は今、世界中に行っており、家にはいない。だから隼人が料理を作っている。ちなみに、アラナに包丁を持たせる事を我が家では禁止している。

「お兄様~。朝ごはんまだですか~? アラナお腹空きました」

この妹は……。内心に怒りを沈めながら、隼人はサラダを運んだ。

朝食の後、隼人とアラナは家を出て、幼馴染みとの集合場所に向かう。集合場所は、学校との間にある神社だ。

数分待っていると、突如、アラナの大きな胸が揉まれた。

「きゃっ! ちょっ! この手つきは瑠璃(るり)ですね!? 離して下さい!」

すると素直に手が離れ、アラナの後ろから、小柄な少女がひょいと出てきた。

「おっはよー。今日も良い胸してるね」

朝倉瑠璃(あさくらるり)。水色の長髪でジト目の少女だ。隼人は正直、中身おっさん何じゃないかと思うが、戦闘能力は1年生ながら、学校トップだ。

「おはようー。隼人、アラナ。どうした? 二人とも顔色悪いぞ?」

「おはようございます。確かに、顔色が悪いように見えますよ?」

先に言ったのは、髪が外側に跳ねた少年、朝倉龍史(あさくらりゅうじ)だ。こいつは隼人と同年代で2年生だ。

後に言ったのは、龍史の弟で、瑠璃と双子の朝倉零(あさくられい)だ。中性的な顔立ちで、よく女の子に間違われている。

「おはよう。実は朝、部屋の窓からネズミが侵入してな……」

龍史はなるほど、と肩をすくめ、歩き出す。

みんなもすぐに歩き始め、5分程で学校に着く。

途中で1年生組と別れ、教室に入ると、すでに半数以上の生徒がいた。

その中の一人が隼人に寄ってきて、飛び付いた。

「おっはよー! 隼人くん」

いつもの事だが、やっぱり慣れない。

隼人も挨拶をすると、黒髪の少女は離れ、こちらと一緒に歩き始めた。

この少女は櫻田音羽(さくらだおとは)。何故か隼人によく寄って来る。

「そう言えば、先週末に先生が、転校生が来る言うてたよね?」

確かにそんなことを言っていた気がする。

「ああ、言っていたと思うぞ」

すると、隣の龍史が肩を叩いて、

「おいお前ら、先生もう来るぞ」

言われて3人とも、席に座る。

そのタイミングと同じくらいに、教室の扉を開け、先生が入って来た。

「おっ、はよーー! ございまーす!」

いつになく、ハイテンションだった。

「今から転校生が入って来るからねー? では! どうぞ!」

この言葉の数分前、隼人たちが話していたときの廊下では、転校生の倉田愛羽(くらだあいは)が緊張で、(ふる)えていた。

長い白髪をツインテールにした少女だ。何故緊張しているのかと言うと。

ど、どどどどうしよう!? だいたいわたし学校始めてだし! エータさん何で転校生設定にしたの!? あーこれ、自己紹介で失敗するパターンだ! エトセトラ……。

「では! どうぞ!」

やばい!

でも仕方がない。行くしかないんだ!

扉を開け、教室に入ると、みんなの視線が注目した。教壇の隣まで行き、生徒の方を向く。

「えっと……、く、倉田愛羽って言います!……えと、先生、何か他に言ったら良いことって、ありますか?」

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