過去から今へ
朧気な視界の中、多数の映像と言葉が浮かんできた。
最初に浮かんできたのは、赤いドラゴンの周りに、多種多様なドラゴンが集まっている映像だ。そして、言葉は--、
《今から、人間を殲滅する!》
赤いドラゴンの言葉だろう。
光と共に映像が切り替わる。
四人の男女が目の前に並んでいた。言葉は--、
《俺は姉貴の仇をとらにゃきゃなんねーんだ……》
赤い髪の少年だ。
《あたしは平和に暮らしたいのよ……》
水色のポニーテールの少女だ。
《私はゲームしたいだけなんだよ……》
青い髪を後ろで一つにくくった巨乳の少女だ。
《オレは日本と、大切な人を守りたいんだ……》
金色の髪の少年だ。
全員が少し、悲しい表情をしている。
光と共に映像が切り替わる。
今度は、先程の少年少女たちが、ドラゴンと戦っているものだ。
言葉は無い。
映像が切り替わる。
ポニーテールの少女と赤髪の少年が、赤いドラゴンと戦っている。
この赤いドラゴンは最初の映像と同じ奴だろう。
《ヤマタノォォォ!!》
《朱隠ッ!!》
どちらが言った言葉か、確認する前に、映像が切り替わる。
髪が外に跳ねた、傷だらけの少年が倒れていた。
それを、白い髪の小学生位の少女が見ている。
《お前……運命って、信じてるか……?》
光る。映像が切り替わった。
《あんたは! どうして!》
声が先に来た。映像は--
目の前に赤いドラゴンがいた。そして、
赤いドラゴンの持つ刀が自分の首を跳ねた。
《それが……お前の運命だ》