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いつも

作者: アシコ

いつもと同じ朝、いつもと同じ時間、いつもと同じ…

そんな日常に私はあきあきしていた。

だから今日、いつもの電車に乗らなかったし、学校を休むことにした。何か少しでもこの日常を変えたいと思ってた。

私は行くあてもなくただ歩くことにした。

平日だからだろうか、すれ違う人が少ない気もする。


何時間歩いただろうか、少し喉が渇いてきたな。

あっ、丁度いいところに自動販売機がある、缶コーヒーでも買おうかな。

前から、男子のように飲みながら歩いてみたいという謎のあこがれがあった。だけど、私には無理だったみたい。制服にこぼしてしまった。

「まぁ、いつもと違うことだから、これもこれでいいか」

なんて、変に理由をつけて汚れたことを忘れることにした。

その後、周りを気にしながら飲み終わった缶を近くの茂みの中に投げた。悪いことをしているのに、何故だか心地よく感じた。


時間的にお昼近くになってきたので、ハンバーガーショップに入った。いつもなら休日に友達と一緒に行くお店なのに、1人で入ると初めて来たお店のように感じる。ハンバーガーを食べながら携帯を見てみると、心配した友達からのメールがたくさんきていた。そのメールに返事を返していると、何故だか寂しくなってきた。


午後からも私はあてもなく歩いた。

さっきの寂しさは一体なんだったのかと考えながら…


いつの間にかどこかの大きな町に来ていたみたいだった。

こんなところ、いつもだったら来ないんだよなぁ

そんなことを思っていたら、サイレンが鳴った。

午後5時を知らせるサイレンだ。

私は、何故日常を変えたかったのか、何故あのメールに寂しさを感じたのかわかった気がした…

サイレンが鳴り終わると、学校や会社やビルから人が出てきた。

そして、みんな一斉に帰っていくのだ。

そしてこの町には、私1人しかいなくなってしまった。

そこへ、1人の人が歩いてきた。私以外にも人がいたことに喜びを感じたが違っていたみたいだった。

「まだ人がいるじゃないか!サイレンが効かないバグか…

はぁ、面倒だなぁ」

バグ?何言ってるのこの人?

とにかく、逃げないと…

あれっ?足が動か…ない

な…んか…おか…し…


「昨日はどうしたの?」

「なんか熱が出ちゃってさw」

「気をつけてよね!あと、そのコーヒーのシミ…」

そんな話をしていると午後5時を知らせるサイレンが鳴った。

さぁ、家に帰ろう。それが私の日常なのだから…

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