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女奴隷と冒険者  作者: ほむら
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発熱【Rin side】

 ううう~何か天井がぐるぐるする~。

 久しぶりにお家帰って安心したら、夜中に熱が出てしまいました。

 ううう~きぼちわるいよ~~~。

 せっかく食べた晩御飯をもどしてしまいました。

 ダンジョンでは保存食ばかりでしたので、久しぶりのごちそうをつい食べ過ぎてしまったのも悪かったかな?

 明日の昼には、またみんなで出発しなければならないので、早く治さなければ!

 ご主人様にも心配をかけてしまい、夜中にお何度も私の部屋まで様子を見に来てくださいました。


「あうあううううう…………ご、ご主人だまあ~~~~~、あだしばだいぶぶぶべべぶううううう……………」


「しゃべらなくていいから、おとなしく寝てろ。明日は昼まで寝てていいから、早いとこ治せよ。」


「ひいいいいいいい、ぶびばべぶ~~~~~」


 ご主人様の優しさが身に沁みます。

 明け方近くなってようやく熱も下がり、眠りにつくことができました。


 ◇◆◇


 翌日午前中の買い出しはご主人様が一人で行って下さり、私は昼近くまで寝て、何とか体調を戻すことができました。

 熱が下がったとたんにお腹がすき、買い出しから帰ってきたご主人様が買ってきてくださったリンゴとパンをがつがつといただきました。

 昨夜の熱は、単に疲れが出ただけだったようです、よかった。

 書き入れ時に病気で狩りに行けないようでは、申し訳が立ちません。

 もともと体は丈夫な方ですから、これくらいではへこたれませんとも!


 お腹が膨れたところで、買い足した荷物を担いでご主人様と出発です。

 待ち合わせ場所に向かう途中、ご主人様が寄り道をなさいました。

 とある民家の前まで行くと、ご主人様が


「ちょっと寄ってくから、その辺で待っててくれ。すぐ戻る。」


と言って、その家の玄関のドアをノックされました。

 私は、少し離れたところの道端に荷物を下してご主人様の御用が済むのを待つことにしました。

 玄関の扉が開くと、中から白髪交じりの年配の男性が出てきて


「ん?なんだお前か。」


とぶっきらぼうに言いました。

 続いて、奥さんらしき年配の女性も顔を出し


「まあ!ジュリアンじゃないの。元気にしてた?」


「お久しぶりです、おとうさん、おかあさん。」


「さあさあ、中に入ってちょうだい。」


「はい、ちょっと様子を見に来ただけですので、すぐに帰ります。」


と言いながら、みんな家の中に入っていかれました。

 今の様子だと、ご主人様のご実家でしょうか、こんなに近くにあったんですね。

 そういえば、ご主人様やグレコさんやお仲間の冒険者の方々はこの街の出身で幼馴染が多いと言われてましたね。

 それにしても、ご主人様も愛想がありませんが、ご主人様のお父上も不愛想な感じの方でした。

 似た者親子なのでしょうか。  

 その後、ご主人様は10分くらいで出てこられました。

 まあ、もうすぐ待ち合わせの時間ですから、久しぶりのご実家とはいえ、ゆっくりしている時間はなかったのでしょう。


 ◇◆◇


 昼過ぎにみんな揃って街を出発し、夕方にはダンジョンの27階層に到着しました。

 今度は、ここに基地を作るそうです。

 この後は、地上に戻らず最後までこの基地を中心に狩りをしていく予定だとの事でした。

 途中、24階層あたりもほかの冒険者の方々が増えてきていましたので、前回よりも更に深く潜ったようです。

 なんか、3階層深くなっただけで、随分と緊張してしまいます。

 潜れば潜るほど、魔物の気配が濃くなる気がして、肌がピリピリするように感じます。

 でも、これ以上ご主人さまの足を引っ張らないよう、頑張らなければ!



 



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